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鉱物の部屋へのいざない

ダイヤモンド3

2012-10-13 13:11:02 | 日記・エッセイ・コラム

今日の話題は32角形もしくは32面体ではありません。フラーレンに関しては過去に一度書きました。

今日は「ダイヤモンド3」です。

昨日のYAHOO!ニュースで「ダイヤモンドでできた惑星を発見」という記事を読みました。ダイヤモンド星の存在は以前から予想されていましたし、昨年も地球から4000光年離れた銀河系内にダイヤモンドでできている小惑星が存在しているというニュースもありましたので、それほどの驚きはありませんでしたが、そうでありつつも鉱物ブログ的にはやはり気になるニュースで無視できません。

今日は惑星サイズのダイヤモンドの話です。昨日のニュースの惑星は「かに座55番星e」という地球の2倍の大きさで質量は8倍の岩石惑星です。地球からわずか40光年と比較的近い距離にあります。最近の系外惑星の研究成果はめざましく、それは「スーパーアース」に分類される炭素惑星です。それは主にグラファイトからなる表面の下に厚いダイヤモンドの層があると推測される惑星です。

地球にもダイヤモンドはありますが、その量は極わずかです。今回の惑星の発見は惑星系の進化に関する理解を広め深める大きなニュースだと思います。

ある惑星がどんな惑星であるかは、主に酸素に対する炭素の存在比率によるそうで、我々の太陽系は酸素が豊富なケイ酸塩でできています。原始惑星円盤の中では炭素がガス状態のままであり、これらは遠くの宇宙空間へと吹き飛ばされたようで、誕生間もない地球には炭素がまったく存在しなかったそうです。私たち生物を構成する炭素は後に地球に衝突した小惑星や彗星によって持ち込まれたようです。これらの小惑星や彗星は地球と違って炭素を取り込めるような環境下で生まれたと考えられるのです。

どうも宇宙では炭素と酸素のバランスは炭素寄りに傾いていおり、宇宙の物質進化を考えると地球型惑星は少数派でどうも炭素惑星が標準である可能性が高いそうです。

そうなると宇宙には数多くのダイヤモンド惑星が存在している事になります。地球では貴重なダイヤモンドは宇宙ではありふれた鉱物である事になります。ダイヤモンドへの価値観がゆらぎます。

ただ、我々地球上では貴重な鉱物である事には変わらず、ダイヤモンドの特異な物質的特徴も変わる事がないので、ダイヤモンドそのものの価値は変わりません。

地球は宇宙の標準から外れた異端の惑星なのかも知れません。ただ、地球には人類という生物が存在し、その進化の結果、天然の元素以外にもあらたな元素をつくりだしています。物質進化は人類の登場で新たな進化を続けているのです。

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