私は基本的にファッションには興味がないのですが、そんな私でも最近気になっている事の一つに、近頃、縞々のファッションをよく見かけるようになったという事があります。縞々ファッションは街でもTVでも頻繁に見ます。それは今の流行なのでしょうか?どうも縞々が流行っているように思えます。
このブログは石のブログなので、石の話題です。
日常的な縞々が気になっている昨今、そんな中、先日、面白い縞々のラピスラズリの原石を見付けました。
上の写真がそれです。
これは、アフガニスタン産のラピスラズリの原石です。面白いと思ったのは、青いラピスラズリが白い方解石と規則正しく互層状になっておりました。普通、ラピスラズリは塊状で産出する事が多いと思っていましたが、こんな変なものも存在したのです。私は、一瞬、ラピスラズリは堆積岩だったっけ?と思ってしまいましたが、調べ直してみると、それはスカルン中に産する接触変成作用でできる変成岩でした。
思うに、自然界には縞々の石はたくさんあります。最も多いのはやはり堆積岩でしょうか?すぐに思い付くのは瀬田川の虎石でしょうか?
それから、近年、蛍光する事で有名になった然別湖のオレンジオパールも縞々になっています。
変成岩では片理構造が顕著な結晶片岩や、
縞模様の大理石が有名です。
そうそう、火山岩では縞々の流紋(流理構造)が語源となっている流紋岩がありました。(北陸地方では球果流紋岩が有名なのですが・・・)
自然界には様々なタイプの縞々の石があります。「石の華」にも様々なタイプの縞々の石があります。
最近、チョッと面白いと思ったのが、タイガーアイアン(オーストラリア、マラマンバ産)です。
上の写真は「奇妙で美しい 石の世界」(ちくま新書 山田英春 著)という本の「オーストラリアの奇妙な石たち」の写真ページにタイガーアイアンのスライスを乗せて撮ったものです。本の写真の縞々模様と連続しているように思いました。
次の写真は左ページの上に乗せて撮ってみました。すると、その縞々模様がピタリと一致しました!
実は、それもそのはず、そのタイガーアイアンのスライスはその本の著者である山田英春さんから頂いたものなのです。ただし、本に載っている現物そのものではありません。それは、その本に載っている同じ石を切断した隣のスライスなのだろうと思います。恐らく、山田英春さんご自身で作業されたのだろうと思います。貴重な石を譲っていただき、感謝しております。
さて、その「奇妙で美しい 石の世界」の「石は語る」の章では、それらの石から超太古を物語る最新の地球・生命史的な話が話題となっており、非常に興味深く思いました。
どうも縞々には地球史的な記録が残されており、それを読み解く事で、石から多くの事が学べるようなのです。
私は今更ながらなのですが、「縞々学」(東京大学出版会 川上紳一 著)の新装版を読み始めています。果たして、バーコードのように地球史を読み解く事ができるのでしょうか?