今日は「帯」です。「帯」と言っても、このブログは石のブログなので、もちろん着物の「帯」の事ではありません。
念の為、このブログ内検索で「帯」という言葉で検索してみると、多くの記事が出て来ましたが、「帯」というタイトルは初めてだと思います。(gooブログのブログ内検索では検索件数やタイトルリストを表示できません。)
どうして「帯」という言葉がたくさん出てくるのかと言うと、地学的に造山帯とか地溝帯といった言葉に「帯」という文字が使われている事や、他にも気候帯や周波数帯や時間帯やといった言葉にも「帯」という文字が使われていたり、本の「帯」のような使い方をしていたり、どうも日常的に意識することなく「帯」という言葉を使っているようです。
「帯」とはある幅を持ったおび状のものの事だと思います。意識して「帯」を探してみると意外に身近なところに「帯」がある事に気づくと思います。
さて、一昨日、常連のKさんが面白いものを持ってきました。それは近所にある工芸品のギャラリーで購入してきたと言うキューブ状のガラスのアクセサリーでした。それは小さなキューブ状のガラスを積層・研磨の技法で8個キューブ状に貼り合わせたもので、その張り合わせの面に構造色的な虹色が反射して非常に美しいものでした。その魅力的なアクセサリーはオパールやレインボーガーネット好きのKさんが喜びそうなもので、私も一目ぼれしてしまいました。
そのアクセサリーを見ていると、あるオプティカル・カルサイトに似ているような気がしました。
上の写真がその方解石(カルサイト)です。透明感が高く、そのクリアな中にレインボーが見えます。その美しいレインボーは「帯」のように平行に入っています。その何とも言えない色合いがKさんのガラスアクセサリーの色合いに似ているのです。
方解石は劈開が完全で、その内なる劈開面にそってレインボーが見えるのです。それは透明ガラスの積層面に現れるレインボーに似ています。そのレインボーが「帯」のように見えるのです。
そのオプテイカル・カルサイトを見ていると、レインボーではないのですが、その「帯」のように神秘的なシラーが出る石を連想してしまいました。
上の写真がそのハイパーシーンのタンブルです。ハイパーシーンとはエンスタタイト(頑火輝石)とフェロシライト(鉄珪輝石)の中間的な存在の石の事です。その「帯」のような部分はシラーが美しく、見る角度によってそれは変化します。
そのハイパーシーンを見ていると、タイガーアイのタンブルを連想してしまいました。
上の写真がそのタイガーアイ(虎目石)です。これも先のハイパーシーンに似ていて「帯」のようにシラーがでます。そのシラーはシャトヤンシー(Chatoyancy)効果と言います。シャトヤンシー効果は猫目効果(キャッツアイ効果)とも呼ばれ、トラはネコ科に属する事に繋がっています。また、複数の「帯」は「縞」と呼びます。縞模様のシャトヤンシーのシャはフランス語の猫、Chat (シャと発音)に繋がっています。
今日は石の特殊効果からひとり連想ゲームをしてみました。