ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【10月も毎週日曜日は休業します。】【10月19日(土)は店主は終日不在です。店は通常通り営業します。】

月の石

2014-05-22 18:41:20 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「月の石」です。このブログも更新回数が666を越えました。主に石に関する事だけを書くようにしている為、いつも書き初めにタイトルやテーマにダブりがないか?チェックしてから書くようにしているのですが、「月の石」はタイトルでも記事の内容でも初登場となります。

昨日は定休日だったので、金沢21世紀美術館に行って「月の石」を見て来ました。それは創価学会主催の「わたしと宇宙展」の会場で見ました。この展示会は全国巡回しているからでしょうか?金沢に来るのが遅かったせいか?展示内容に新しさはあまり感じませんでした。が、それでも本物の「月の石」が見れるのだ!と思い、期待感と共に行って参りました。目玉となる「月の石」はアクリル・ピラミッドの中に閉じ込められて置いてありました。少し驚いた事はそこそこ混んでいる会場だったにもかかわらず、「月の石」の前には誰もおらず、待ち時間0秒で、しかもじっくり見る事ができました。

私が抱いていた「月の石」のイメージは斜長岩の白い岩というようなイメージだったのですが、その「月の石」は黒っぽい石でした。その「月の石」の解説には成分表示等がなかったので、その「月の石」がどのような岩石だったのかは分かりませんでした。「月の石」にも何種類かあるので、それは玄武岩質の月の海から採集されてきたものかも知れません。それからその「月の石」の年代測定の情報もありませんでした。チョッとがっかりしてしまいました。

「月の石」というと、やはり1970年の大阪万博を思い出してしまいます。当時、私は中学1年生でしたが、大阪万博の事は鮮明に憶えております。大阪万博でも最大の目玉はアメリカ館の「月の石」だったと思います。それを見る為には何時間も列をついて待たなければなりませんでした。当然の事かもしれませんが、私は「月の石」を見る事は諦めて、比較的空いている東南アジアやアフリカ等の外国館を見て歩きました。それから日本のガスパビリオンとせんい館(面白かったので2度入りました。)に入りました。

私の大阪万博での大きな収穫は何と言っても、せんい館だったと思います。その展示は田舎の中学生にはかなり衝撃的でした。その展示空間はそれまで見た事のない芸術空間だったのです。パビリオンの造形や前衛芸術を思わせる展示の数々はもちろん、ルネ・マグリットを彷彿させる意味ありげな造形物等に不思議な芸術的感動をおぼえました。それと映像を主体とした展示構成にも刺激されました。そして、後から知った事なのですが、せんい館の総合プロデューサーは映像作家の松本俊夫でした。

私の鉱物趣味の前の趣味は主に映像だったのですが、高校生の時に松本俊夫の本を読んでから、映画や実験映画にも興味を持ちましたので、中学生の時に感動したせんい館が松本俊夫の作品だと知った時には妙に納得してしまいました。私の大阪万博は松本俊夫作品との出会いだった、と言っても過言ではありません。

私的には大阪万博では「月の石」よりもせんい館だったのです。

今日の写真は名古屋の古本市で購入したせんい館のパンフレット(記録集)です。

Photo

もっとも現在の私の興味は映画や映像よりも鉱物なのですが・・・私の中では映画や映像の世界から受ける感動は徐々に薄れてゆき、今では鉱物や自然から受ける感動の方が強くなっています。

今の私は映像よりも石なのです。

「月の石」や「月からの隕石」には感動的なロマンが詰まっております。そういう意味で「月の石」という存在には人智を超えた興味があります。「月の石」という言葉の響きにはどうしても魅力的に思ってしまう魔力があると思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする