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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「土づくり」

2010-08-23 20:13:15 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 西荻の実家では、何年も前から使っているコンポスター。堆肥をつくるために、生ゴミをためておく入れ物です。ああ、底が無いので、かぶせておくものっていうほうが正しいのかな。

 庭に置いて、野菜の皮などをほおりこんでおくと、やがて土になる優れものです。

 よい土にするためには、草などの青い葉っぱや、秋には落ち葉を入れて、野菜ゴミとうまく混ぜあわせていくことを覚えたのは、だいぶ後になってから。

 最近は、あれこれ考えるようになって、バナナやアヴォカドの皮のように、うちの近くで収穫できないものをここで土にするのは、いかがなものか??と疑問も多く、日本でとれるものに限って捨てるようにしているのですが。それでも、燃えるゴミの収集日に捨てるものは、ぐんと少なくなりました。

 アイルランドでは、もちろんポピュラーなコンポスターですが、ニューブリッ
ジの我が家にも、遅ればせながら設置いたしました。

 ずっと、欲しいねって言ってたのですが、借家ってことを言い訳に、庭づくりもしてないし、土の使いみちが見つからず、先送りにしていたのです。 

 それがある日。わたしが東京に戻っていた日のこと。
われらの友人ピーターのパパが、マークに「コンポスターは要らないか?」って、たずねたのだそう。

 聞かれたら、ことわれないマークが、あいまいな返事をしたところ、律儀なピーターのパパは、後日コンポスターを車で運んでくれたのだそうです。

 コンポスターの、おさがりって、すごいアイルランドっぽくて、いいでしょ?
庭のすみっこに設置された、われわれのコンポスター。西荻のうちにあるのとまったく同じ緑色のやつ。

 最近のは、下の方に窓がついていて、できたての土をかき出せるようになっていて便利なのですが、うちにあるのは、ぱこって全部持ち上げないといけないタイプ。

 ピーターのパパが持ってきてくれたのも、ぱこって持ち上げる旧式タイプ・・・。

 それでも、よし。これを機会に、うちでつくった土でガーデニングでも始めようか?って気になってはいるのですが。

 でも、なによりも、びっくりしたのは、アイルランドで土をつくるのに、ものすごく時間がかかること。頭では、知ってたつもりのことですが、初めて実感しました。

 東京でも、さすがに冬の間は遅いです。野菜の皮などを入れても、しばしそのまますが、夏はあっという間に、ずぶずぶと変化していきます。

 虫嫌いのわたくしは、コンポスターの中で、どういうことが起きているのか確かめたくないので、いつもマークに「どうなってる?」と聞くのですが、彼もあまり詳しく確認したくはないようで。

 それでも、ささっとチェックしては「”アクション”は起きていない模様」と報告してくれます。

 アクション、か。わかりやすいですよね。
 土なんて、どこにでもあるものだと思ってた。

 「アラン島」という古い記録映画で、海藻を積んで土をつくる様子が描かれ、石だらけの島では土も人の力でつくるのか!と驚きましたけども、それがどんなに果てしない作業だったのか、ニューブリッジの「アクションのないコンポスター」で、少しばかり実感したのでした。


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