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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ニックのにんじん」

2008-12-08 20:42:51 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ニューブリッジに新しいファーマーズマーケットがオープンしたことは、すでにちらっと書きましたが、開催するに至るまで、しばしドラマがありました。

ニックのにんじん。いただいたときは、泥つきですごい様相でしたが、洗ってぴかぴかになりました。もちろん皮つきで食べます。甘いよ~
 ニューブリッジにはすでに、ショッピングセンター前で開催されるファーマーズマーケットがあり、少し前までわたしもノーリンのストールが参加しているので手伝いに行っていたものです。

 でも、ニューブリッジはオーガニック度が低いのか、マーケットが定着するのに、とても時間がかかり、売り上げの安定しないままギブ・アップしてしまうストールも少なくありませんでした。

 ファーマーズマーケットは、オーガナイザーの手腕も大きく影響します。
 本来の、地産地消をしっかりと反映しようとするオーガナイザーの手によるマーケットは、参加するファーマーたちの意識も高く、しっかりと顧客をつかんで地域に根づいていきます。

 が、ちょい言葉は悪いですが、もうけ第一のオーガナイザーが仕切ると、オーガニック度も低く、ここは縁日?みたいな状況になりがちです。

 残念ながら、ショッピングセンター前のマーケットは、ちょいとそんな感じになりつつあり、魚屋さんが来るのはありがたかったけど、わたしも買い物で立ち寄る機会は少なくなっていました。

 で、新たに、地元の農家の野菜を中心にしたファーマーズマーケットを開催しようという動きが起きたのです。

 首謀者は、バックストリートでワインショップをまかなっていたピーターです。
 ここのコラムでも、ワインバフのことはちょこっと書いた気が。

 ピーターは熱血漢。バックストリートがさびれている印象なのを払拭したがっていて、マーケット開催を呼びかけたのです。

 まず地元の役所にかけあい、たくさんのペーパーワークをすませた後、キルデア界隈のマーケットにストールを出しているオーガニックのファーマーたちにかけあい、今年ようやく実現したのでした。

 それなのに、ピーターは、隣町ネースにオープンしたワインショップ2号店が軌道に乗りはじめ、売り上げ今ひとつだったニューブリッジ店をクローズしちゃったのです。

 マークとわたしは、熱心な顧客でしたけど、高いワインは買わなかったものなぁ。貢献者はいなくなっちゃったけど、マーケットは順調にお客さんを増やしています。

 地元カラでジャガイモやニンジンなど、根菜を中心につくっているニックのストールが気に入っています。

 ここのマーケットがオープンする前、カラ競馬場近くの、モーターウェイの入口近くにヴァンを停めて、野菜を売るニックの姿を何度か見かけたことがあります。

 「こわい場所で店開きしてるなぁ」と思ったものです。売る方も買う方も命がけって感じでした。

 安全な場所が確保できて、よかったねと話かけると静かに微笑むニックは、シャイだけど、あたたかい人です。それに、まあ欲のないこと。

 写真に写ってるにんじんも「まだ大きく育ってないから、持ってって」と、おまけでつけてくれたものです。お金を払ったジャガイモだって、5キロ以上あっても3ユーロ。儲けが出るのだろうか?と心配になるほど。

 なので、毎週せっせと食べては、土曜日のマーケットに買い出しに行くのですが、買い物というより地元ファーマーたちの「応援に行く」といった気分です。


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