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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ハンターズホテル」

2007-03-19 00:35:51 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 一度、泊まってみたいと思っていた、ウィックロウにあるハンターズ・ホテルに、ようやく泊まることができました。

クラシックなカントリースタイルで居心地のいい部屋。
庭でのお茶が気持ちいい。
 食事に定評のあるこの宿で、以前にランチを楽しんだことはありました。
 10年ちかく前、マークの姉一家の祝いの席に招待してもらったときのこと。その日の主役である12歳になったばかりの姪っ子が、「まっしろなリネンのテーブルクロスとナフキンの用意された食卓で、銀のナイフとフォークを使って食事がしたい」とリクエスト。料理上手で食にはちょっとウルサイ両親が彼女のために選んだのが、ハンターズホテルでした。

 近年、アイルランドのレストランの多くは、フレンチやイタリアンを基調に、流行りのオリエンタルな要素をとりこんだ、モダンな料理が中心になっています。

 スターターには、お寿司もどきや、こじゃれた春巻きなどが登場する昨今、アイルランドの伝統的な田舎料理にこだわるレストランを探すのは、なかなか困難になってしまいました。

 そんな時流のなかでハンターズホテルは、古風なグルメスタイルを守り続けています。たとえば特産ウィックロウ・ラムをシンプルかつ絶妙な加減でローストしたり(まわりはこんがり、中心はほんのりピンク)、たっぷり出される温野菜も懐かしい、くったりとやわらかく茹でたりローストしてあったりで、メインの肉や魚によくからんで、ここらしい食べ方(お皿の上で、まぜこぜ)が楽しめます。

 おいしかったー!今度は、ぜひ泊まりがけで来たいーという念願が、ようやく叶ったのは去年の9月初め。まだ夏のなごりの季節でした。 

 ハンターズ・ホテルは、5世代にわたって続いてきた古い旅篭で、馬車で旅するお金持ち向けの宿Coaching innとしてはアイルランド最古なのだそう。

 今は駐車場になっていますが、馬車の馬たちを休ませるMewの跡も残っています。
 建物そのものが、すでにアンティーク。客室のある2階の床は、歩くとぎいぎいきしみます。が、廊下に置かれた壷や、家の中には不釣り合いなほど大きく葉を広げた植木などに趣きがあって、あー、ここに滞在できるんだと、わくわくします。

 夜は、階下にあるバーでウィスキーをなめながら、静かなひとときをすごしました。ここでびっくりしたのは、壁にかかっていた馬の絵です。宿の主の親族に競走馬の調教師がおり、その調教馬アンブッシュ2世の絵なのですが、驚いたのは、その馬が1900年にイングランド最大・最強のレース「グランドナショナル」で優勝したとクレジットされていたこと。おまけに馬主はプリンス・オブ・ウェールズ!

 どこにいても、めざとく馬ネタを見つけてしまいます。この一件で、この宿は私にとっては、さらに特別な場所になりました。

 お庭も手を加えすぎずに自然なとこがいいし、天気のいい日はお庭でアフタヌーンティをいただくことができます。

Hunter‘s  Hotel
Newrath Bridge, Rathnew,
Co.Wicklow.
http://www.hunters.ie/

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