いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

公職選挙法と選挙@深谷市議会議員釈放か

2011-05-26 | Weblog
 我々公職選挙法に基づいて選ばれる立場の者にとって他人事でないのが、候補者や議員の公職選挙法違反事件である。いつ「明日はわが身」になるかもしれないからだ。

 公職選挙法自体が「あれもだめ」「これもだめ」と、候補者は「常に悪さをする者」と想定しているのではないか、とすら思えるほど細かく決められているので、警察が逮捕、送検しようと「決意」すれば適用できる条文がいくつもある。いくつか例示をしよう。

選挙前に、候補者や現職の議員が自分の名前を書いた「のぼり旗」とたてて、駅前などで演説をしているが、これは文書図画違反となる。無論、タスキをつけての選挙期間外の演説も違反である。(公職選挙法第143条第16項各号 罰則の規定同第243条)

会費の明示のない会合、懇親会に公職の候補者や現職議員が「会費」と書いて参加費を支払うこと、また、一般の出席者が払うべき会費を超えて「会費」を支払った場合は、公職選挙法により「買収」となる。また、よく見かける光景が、お祭りや盆踊りなどに、議員がビール券などを持参して「自分の飲み代です」と、言い訳をする行為も逮捕を伴う犯罪である。(公職選挙法119条の二第1項、249条の二第1項)

支援者や地元の方が亡くなり、お葬式に参加できないため、その前後に香典を本人が届けること、また、葬式当日に本人ではなく秘書や妻が「議員や候補者名」で香典と届けることも「買収」にあたる。

 上述のように、普段、結構街中で「当たり前」のように見かける行為が、実は逮捕されるような犯罪であることは、あまり知られていないし、へたをすると「会費」を出し渋る候補者や議員に対し「会費にしおくから」とか「奉納板に名前書かないから大丈夫」などと、寄付を強要する受付担当者の姿も、まだまだ多い。この「依頼主」も逮捕である。

 大きな買収事件が激減しているため、警察の注目は「未成年者選挙活動」と「運動員買収」である。未成年者は例え親族であっても、選挙活動に従事させることができないのだ。ただ、「単純労務」といって、事務所の電話番や宛名書き、お茶だし等は認められるが、「いぬぶし候補をお願いします」というような選挙活動は罰則をもって禁じられている。

 また、運動員(「お願いします」と選挙活動をする者)には、事前に住所氏名を選挙管理委員会に届けた者で、所定の人数以内、かつ法により定められた報酬以外を支払うと「運動員買収」となるのだ。

 最近の「ハヤリ」は、未成年政治活動と運動員買収のセットでの逮捕だ。未成年の学生さんが選挙事務所内の雑務を手伝ってくれて、ある時、街頭演説で「○○候補をお願いします」と善意でやってくれたとする。そして、候補者は「事務所内での単純労務」の報酬として、時給を払ったとしよう。アウトである。過去の判例から、支払った候補者は、逮捕拘留最長21日。罰金50万円、公民権停止5年という厳しい処分である。

 さて、今回の事件は深谷の市議会議員が2月に3000円の会費を徴収し懇親会を行ったが、警察は「会費を払っていない」との調書を無理やり作成して、市議と妻を逮捕した、と支援者らが抗議文を公開したというものだ。

 事実を正確に知りえる立場ではないので、本件を論評はしないが、警察の選挙捜査というのは、決して愉快なものではない。彼らが、候補者や支援者を「張り込む」姿は、まさに「獲物」を狙う目であり、「被疑者扱い」とも思える。

 わが陣営は、グレーゾーンが多い公職選挙法の中、キレイに戦ったと自負しているが、それでも様々な場面で私服警官による「尾行」や「張り込み」はあった。たとえば、ある講演会のあとの「反省会」。会費制(3000円)で行ったこの会で会場の柱の陰から、携帯電話のカメラでこちらを隠し撮りする場違いな二人組の男性。どう見ても私服警察官である。

 せっかくの楽しい「反省会」が、とても嫌な想いになってしまった。私は、警察官や消防官、海上保安官、自衛官など国民の生命財産を守ってくれる公務員には、絶大なる信頼と感謝の念を持っているのだが、4年に1回「被疑者扱い」される、私服警察官の尾行や張り込みは好きになれない。もうちっと、うまくやって欲しいものである。

 それよりも、50%を割る地方議会や首長選挙について、法律をもって規制をすべきである。棄権は、オーストラリアでは罰金25ドル、ブラジルではパスポートを発行しない、と聞く。

 投票率があがり、浮動票が増えれば、候補者らが「会費」を持って盆踊りをまわらなくなるだろう。それよりも、政策を訴える活動をしたほうが浮動票を取り込めるからだ。結果、買収などという前近代的な選挙はなくなるだろう。

 政治家や政治のレベルは、有権者や国民のレベルと一致する、と誰か有名な学者が言っていた。菅直人総理がどうしようもない、まったくそうである。が、だ。誰が、どうしようもない民主党に政権を託したのか、それを忘れてはなるまい。

ブログランキング にほんブログ村 政治ブログ 政治家(市区町村)へにほんブログ村

上記二つのバナーをクリックして頂くとランキングがあがります!



なかのひと