本日の定例会での議案質疑の全文である。この内容は公開しないつもりだったが、ある会派から質疑内容につき、疑義の発言があったので、あえて公開する。(ノ-原稿のためいささか文章に問題がある点はお許し願いたい)
私:
ネット無所属自由連合の犬伏であります。以前、先輩議員から議会というのは判っていることを聞くところが議会なんだと言われましたが、私は素直でありますから、判らないことを聞きにやってまいりました。
平成20年度大田区一般会計補正予算事項別明細書(第1次)でありますが、いつもこの補正予算が出てきて不思議に思うのですが、たとえば9ページ、地方公営企業等金融機構出資金2,600万円、それから防火水槽の設置1,420万円、アスファルト舗装工事3,200万円、都市計画公園の整備1,500万円とまあこう出ているのでございますが、補正予算というのは緊急、火急な当初予算に入れられなかったもの、たとえば台風の修復工事であるこんなようなものが出てくるのではと思っておりますが、平成20年度の当初予算が発表されてからまだ2ヶ月あまりで補正予算が出てくる。はたしてこの補正予算というのは、いったいどういう趣旨で、どういうタイミングで出してこられるのか、その基準をお示しをいただきたいと思うのであります。
本来であれば、本会議場で聞くような事では無いのでありますが、実は私どもネット無所属自由連合は今回、与党会派に行われておりました議案学習会をやっていただけなかったためにこのように伺っているわけであります。聞くところによりますと日本共産党大田区議団に対しても議案の説明会は行っていないという。私は日本共産党の思想信条については決して賛意を示すものではありませんが、すくなくとも大田区の有権者が区議会議員として16パーセントの議員を輩出している会派、これは民意であります。ここに議案説明会をしないというのもいかがなものかと思う訳であります。
私は、この件につき伊藤総務課長にお伺いに参りました。「課長、議案学習会なんでやっていただけないんですか」課長は「上の指示でできません」伊藤課長の上というのは遠藤久経営管理部長であります。遠藤久部長のところに参りました。「部長、なんでやっていただけないんですか。仲間じゃないんですか」聞きましたら経営管理部長は「一年間、あなたたちの区政への行動を見ていたけれど、どうもお考えが違うようだから、今回は議案学習会を遠慮させていただいた。しかしながらこれは私だけの意志ではない。大田区執行部の区長、副区長、森部長の共通の意思である」というふうに言れたのであります。
気に入らないと学習会をしない、考え方が違うと学習会をしないとはまるで小学校の子どものいじめではないでしょうか。私は民間からお越しになった区長、そして区議会議員、都議会議員を経験された松原区長がそのようなことをするとは到底信じられない。これは遠藤経営管理部長、伊藤総務課長のなんかの間違えだと思っている訳でありまして、区長もご存知なかったんじゃぁないかなぁ、間違えであれば人には間違えがある訳でありますから、わたしは文句を言わない。
そこで質問いたします。本定例会の議案につき交渉会派であるわが会派に学習会を実施しなかった理由を区長、両副区長、遠藤部長、森部長それぞれからお尋ねを申しあげたいと思います。今日、自由民主党の会派が二つに分かれてしまいました。まことに残念なことであります。私は現在の混迷する政治を元に戻すのは残念ながらというか、セカンドベストというか自由民主党が国政のなかでしっかりとして与党としてやっていかなければいけない。舵取りをしていただかなければいけないと思っている。
その意味で大田区議会の最大会派である自由民主党さんが二つに分かれてしまうことは区政にとってまことに大きなマイナスであると心より残念なことと申しあげたいと思っているわけであります。そしてこの大きな原因として自民党の幹事長選挙があるというのは皆さんご存知の大田区役所、大田区議会の公然の秘密でありました。
そして、また、この自由民主党の幹事長選挙については大田区の職員が関与していたという噂が巷にながれているのであります。すなわち幹事長候補いずれに投票すべきかを悩んでいた3名の新人議員の方に、地元町会長を通じて大田区の参事級の職員が訪問または電話をして片方への投票を依頼したというのであります。その趣旨にそわなかった議員については看板をはずしていけという事もあったと聞いております。
なぜ補正予算に関係があるのか。私は松原区長が昨日おっしゃった地方議会、議会と首長の二元代表制に関するお考えはまことに立派なものであったと思うのであります。しかしながら、もしこのようなことが本当に行われているのだとすれば、せっかくの民間出身の松原区長のお立場というものがマイナスになってしまう。それを私は危惧する訳でありまして、また、もしそのような議会軽視のお役人の行動があったとすれば、この場でまともな議案審査はできない。このことでお尋ねをする訳であります。
私はこのような、お役人が町会長のところに行って「誰々議員さん、あっちに投票してくれ」これは地方公務員法、そして、公職選挙法に抵触する重大な犯罪行為だと断じておきたい。「そんなことは絶対にない」と、ここで断言していただかないと、街にはそういう噂が流れている。区長の名誉のためにも、大田区役所の名誉のためにも、そして大田区議会の名誉のためにもそんな事実は無かったとお聞かせ願いたいのであります。質問いたします。このような事実はあったのでありましょうか。区長、副区長、両部長にお伺いしたいのであります。
さて、二元代表制のもと有権者が直接選んだ首長が、政策に基づき施策を議会に示す、それを議会が自治体の意思決定機関として審議し、その決定に基づき職員が執行する。これが正しい姿であろうと思います。その意味でこの20年間の大田区の議会と行政の在り方はいささか違っていたのではないかと思うのであります。民間出身を標榜される松原区長をお迎えした今だからこそ本来の地方自治、二元代表制の姿に戻せるのではないのかと思うわけであります。
最近の議案のミス、人事案件の送付のドタバタ、職員の不祥事、文書事故、ケアレスミスなど、あまりにも問題が多すぎるのはいかがでありましょうか。区長はどのようにお考えでありましょうか。感じ方によっては議会軽視とも思えるのであります。どうか正常な議会審査のために、新たな、そして、今申しあげた疑惑をお答えをいただきたいのであります。
報告13号であります。これは大森ふるさとの浜辺、これに観光看板を付ける。昨年度の補正予算で500万円あまりで二つの看板を付けるという説明をされました。高いのではないかという我々議員の質問に対して、執行部からはこれは全額東京都の補助金が出るから大丈夫です。大田区からは1円も出ないんです。という説明を受けて私たちは補正予算を採択をしたわけであります。
しかしながら本日の報告には触れられておりませんでしたけれど、今回三百数十万円で作られたこの看板、東京都からの補助金は1円も出なかったのであります。その理由は3月31日までに執行しなければ東京都の補助金が出ないものが、仕様ミスで4月の12日に設置をされた。たった12日間の違いで東京都の補助金が出なくなり、全額大田区の自己負担になってしまった訳であります。はたして、私たちの補正予算の審査はなんだったのでありましょうか。
そして、もう一つ申しあげたい事は、3月31日に設置されていれば東京都のお金が貰えた。これは所管課同士の調整のなかで3月31日に立ててしまえばいい。そして仕様が一部違っていたと手直しで行えば、東京都の予算は貰えた訳であります。このような所管課のなかで何故コミュニケーションができなかったのか。うがった見方をすれば今の大田区役所の減点人事があるのではないでしょうか。
すなわち、こんなことが5階(企画調整課、区長)にばれてしまったら大変なことになる。なんとか所管課のなかでまとめてしまおう。なんとかならないのか。やった結果が結果としては、大きくなってしまって4月12日になって東京都の補助金を貰えなかった。
こんな簡単な、実はお役人が得意とするテクニックが使えなかった大田区役所の今の関係、いかがなものでありましょうか。東京都にしても大田区への補助金が不要額となり、大変な迷惑をかけたのではないでありましょうか。一部の職員の責任を問うのではなく、全庁で一つひとつの事業を支援する体制作りが今求められているのではないでしょうか。
民間区長をお迎えした今こそ、20年間続いていた、なにかどじるとマイナス評価をされる人事を一掃して、仕事で評価をする、プラス評価をする人事に変えていただきたい。報告13号議案について何故そのようなことができなかったのかお示しをいただきたいと思います。
物事を現実化しようとするときには、二つの行動目的に分けられると思います。一つは天国からの行動目的であります。人々のために何かをしよう。人々のために頑張ろうというのが天国からの目的であります。そして地獄からの目的は自分のためだけに、自分の保身のために、自分の昇任のためにやるのが地獄からの目的であります。
松原忠義区長が大田区においてこの天国の目的を達成されるのであれば、私はそして私たちの会派は松原忠義区長の政策を是々非々で一生懸命応援させていただく所存であることを付け加えておきたいと思います。以上、私の議案そして報告議案に対する質問です。それぞれ真摯にお答えをいただきたいと思います。
永井議長:
理事者の答弁を求めます。野田副区長。
野田副区長:
ただいま頂きました質問に対する回答でございますが、議案質疑ということでございますので、私どもから提出をさせていただいた議案に関わる質問についてお答えをさせていただきます。
補正予算の基準についてというお尋ねがございました。基本的に予算というのは当初予算において年度の一年間の計画を予算をもって示すというふうなことで本来的には当初予算で計上すべきものというものが原則的な考え方でございますが、今般補正を提出させていただきましたのは、当初予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するためのものでございまして、こうした補正予算を編成せざるえないような事情が生じた場合に例外的にというふうにいってよろしいんでしょうか、そのときそのとき議会にお諮りをして、当初予算でカバーしきれなかったものについて補正予算で対応していく。ということが考え方でございます。
私のほうからご説明、ご答弁すべきことはこの一点と思っておりますが、後段、報告13号について、こうしたことの背景について人事管理の問題があったからなのではないかというふうな趣旨のご質問がございました。これにつきましては私ども経緯について詳しくご説明する機会が後ほどあるものというふうに考えておりますので、その際にお話をさせていただければというふうに思います。以上でございます。
私:
議長再質問。
永井議長:
犬伏議員、とりあえず議案に関係あるという範囲のなかで質疑をお願いしたい。逸脱をするようでしたら途中で切りますから。どうぞ。
私:
それでは議案審査に関わる一点だけ伺います。本議案審査にあたり今まで恒例で行われていた議案学習会をやらない、またはやらせなかった事について区長はご存知かどうか、この一点だけ伺います。
永井議長:
これは。あえてご答弁なさいますか、誰か。野田副区長。
野田副区長:
ただいま議長から、答弁をするのかとお話がございましたが、あえて答弁をさせていただきたいと思います。議案説明、事前に行いますことについては、義務的に行わなければいけないというものではございませんので、私どもにおいて必要があったと考えた時に個々にさせていただいているものでございます。以上でございます。
永井議長:
以上をもって質疑を終結いたします。
結局、『民間出身』の区長からは一切答弁はなかった。ふう~
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