いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

現場を知らない?厚生労働省のお役人!

2006-05-10 | Weblog
 昨年10月の介護保険の一部改正、本年4月の同法全面改正、障害者自立支援法施行、とめまぐるしく福祉政策が変わっていく。たまらないのは、その度に右往左往しなければいけない事業者と、利用者である。

 例えば、老人保健施設の開設許可を得るには、開設後20年の収支予算案を提出しなければならない。これには、当然ながらキャッシュフロー計画も含まれる。公設であれば、現金が不足すれば『公金(税金ともいう)』で補填する、というアマちゃん経営があり得るが、民営ではそうはいかない。

 アマちゃんの役人に、20年の収支の認可を受けるというのも腹立たしいが、補助金欲しければ文句言うな、とういことだろう。ところがだ、各種給付金をもとに20年のシュミレーションを作り、何度も書き直して、やっと開設すると、厚生労働省の坊ちゃんたちが『時代に即した法改正』をしてくださる。

 えっつ!あのシュミレーションの前提となった制度は、どうなったの、などと文句でも言おうものなら、東京都のエラ~イお役人(係長さんクラス)から目つけれて、意地悪が大変‥嗚呼、お役人さま!

 さて、今日は、健康福祉委員会で、知的障害者授産施設まごめ園(社会福祉法人大田幸陽会運営)を視察した。37名の入所者が、自立した豊かな生活を目指して、作業をしている姿を拝見した。

 ただ、実態は厳しく、利用者の平均工賃(賃金)は、ボーナスを含めて月額16400円。昼食費580円/日を支払い、バス代を払ったら赤字であろう。

 さらに、驚いたのは、兄弟施設の、のぞみ園(大田区南六郷)での話。給付が、月払いから日払い(利用した日のみ)になった為、以下のような問題が発生したそうだ。

①利用者の夏休みを廃止した。つまり、夏休みにすると、給付金が支給されず(利用実績がないので)、施設の恒常経費(光熱費、人件費など)が払えなくなるので、止む無く、無休に。利用者の保護者も、施設の経営に迷惑をかけられないので、盆休みも帰省できず通所させる、というバカな状態が続く。

②授産施設から、就労に至るケースは全国平均で1%程度だが、のぞみ園は職員と利用者の努力で16%という高率を維持している。ところが、通所者が就労に至るまでは、トライヤル雇用、在籍雇用などの形態で約8ケ月の期間を要した後に相手先企業の正式雇用になる。その8ケ月間、施設職員は利用者と企業との調整、フオローアップなどを行うが、施設に在籍していながら、企業に『出勤』しているので、支援法上は『欠席』となり、1円の給付もでない。

 増大する、各種福祉制度の支出を抑制しなけれがいけないという法改正のウラ事情はわかる。しかし、その結果、本来の立法の趣旨(表向きの理由)が形骸化するとしたら、これは政策判断ミスである。

 介護保険の通所型施設でも、利用実績払いの弊害がおきている。朝、自宅までリフト付きの車でヘルパ-さんが迎えにいく。以前ならば、送迎加算が算定されたが、4月からはない。タダでお迎えである。そして、施設に到着。高齢者が『今日はリハビリしたくない。お風呂もいやだ。』と、ワガママを言うとする。

 介護保険では、1円も算定(請求)できなくなった。頂けるのは、昼食代実費だけ。まあ、介護している家族は一日預かってもらえて助かるかもしれないが、事業者は、まったくのボランテイアである。

 政策判断ミスによる財政の危機を、事業者と利用者におしつけた格好、厚生労働省の賢いお役人は、わかっているのだろうか。

 アホ~アホ~(厚労省のお役人のことではない。くれぐれも!外でカラス、いやアホウ鳥が鳴いていたので描写しただけ。本当に!)



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