源頼光と四天王が大江山の鬼を討伐した史実、そして、大江山の鬼伝説を基に、その頭領の酒仙童子を主人公にした物語は大スペクタクルです。京(みやこ)人 VS 童子(京人の)の手に汗握る合戦シーンは数多く、同じ人間でありながら、統治する側が独立心強い民を差別する構図は今も変わらないかもしれません。
「すべての童と呼ばれる者たちへ檄を飛ばす。この国に問う。人はどうあるべきかを」
あとがきでは、本書は三部作の一作品として、あと二作品を書くという著者の意気込みが感じられ、そうなると、すでになっていたマンガ化、続くアニメ、映画とキングダム級にならないかと期待をしています。そして、京都の大江山へ行きたくなりました。
『童の神』(今村翔吾著、ハルキ文庫、本体価格800円)
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