北大ボートblog

北大ボート部部員によるほぼ定期更新ブログ。

RFD トレーニング

2023-01-11 21:24:16 | 大会

こんにちは、2年目漕手のとんかつDJアゲ太郎です。嘘です。阿部です。

冬練が始まって、およそ2ヶ月が経過し、初期にはメキメキ伸びていたウェイトの重量やぐんぐん速くなるエルゴの値がなかなか伸びにくくなってくる時期だと思います。これは仕方がなくて、トレーニング初期には、現在ある筋肉に対して神経のつながりが形成されたりすることで爆発的に成長していきますが、そこを越えると、純粋に筋肉自体を育てるしかないからです。これに対してはトレーニングを継続してもらうこととして、今日はその中で「RFD」という考え方を紹介しようと思います。

ところで、全然話は違いますが、授業を受けていて感じたことがあるので書きます。先週と今週は精神医学の授業でした。精神医学というのは、例えばうつ病とか統合失調症とかの精神症状を扱う授業です。こういった精神症状は普通の人が流動的に変化して行き後天的になるものもあれば、先天的にそういう特徴を持って生まれる人もいます。こうした症状は明らかな身体的初見を呈さないことも多く、理解されにくいものなのだろうなと容易に想像がつきます。例えば「書字障害」というような、他には問題がないのに、字だけが書けないというものもあります。こうした障害に関して根治的な治療法はなく、周囲の理解と助けが必要です。しかし、一般に広く知られていないため、困難は多いだろうと思います。他にも例えばうつ病にしても、「ただ気合いが足りない」んじゃなくて、モノアミン濃度が低下しているなどの原因がしっかりとあります。こうしたことの深刻さというのは、医学を全く勉強したことがない人には伝わりにくいというのは十分わかりますが、こうしたギャップを埋める必要があると思います。個人的にはそれぞれの症状の内容としては了解できるものが多いです。なんだか人間として元来持っている欲求や性格が普通の人より少し現れやすくなっているだけで、それを自分では止められないだけなんですよね。それは他の器質的疾患と変わらないですし、持って生まれた個性でもあります。それが、目に見えにくいものだからといって、理解されにくいというのは非常に可哀想だと思いました。話はそれましたが、本題に戻ります。

RFD(rate of force development)というのは「力を立ち上げる能力」のことです。人間が力を発揮する時、いきなり力が生じるわけではなく、力がゼロの状態もしくは一定の値から徐々に増していくこととなります。その立ち上げ、すなわちRFDが早ければ早いほど同じ時間で発揮できる時間が大きくなり、大きなスピードを得られるのです。エルゴのパワーカーブをイメージしたらわかりやすいと思います。ではこのRFDを高めるためにはどのようにすれば良いかみてみましょう。

その前に、まず一つ抑えておいて欲しいことがあります。そんなに難しいことではないので安心してください。それは「膝関節伸展動作において発揮できる力は、速度の増加に伴い直線的に低下するという特性を示す」ということです。すなわち、膝関節を速く動かそうとすればするほど、発揮できる力がメキメキ落ちるということです。スクワットをイメージしたらわかりやすいと思いますが、自重でやるときはものすごく速く動けるのに、100kgとか担いだらいくら速く動かそうとしてもプルプルとゆっくりしか動けないですよね。これはエルゴにも言えて、ドライブスピードをあげて、レートを高めれば高めるほど、発揮できる力は小さくなって行きます。しかしどうでしょう、先ほど100kgでプルプルしていた人が、厳しいトレーニングを続けた結果、500kgでスクワットできるようになったら!おそらく100kgでも自重のように軽々と早いスピードであげてしまうことでしょう。これが「Max重量を伸ばす」ことが大切な理由です。

さて本論に戻ってRFDの話です。端的に言えばRFDというのは、高めたい速さでトレーニングすることで高めることができます。例えばエルゴのドライブスピードで発揮できる力の立ち上げを強くするためには、ドライブスピードと同じスピードを発揮するウェイトを行う、エルゴフルドライブを行うことが必要なのです。これは軽い重量であえてドライブスピードと同じ速さで動くわけではなく、自然と同じスピードになる重量で行います。個人的にはハイプルやスクワットジャンプが相性がいいと思います。というのも最後に減速する局面がないからです。で、速さを意識します。とにかく速く。

ドライブ中に発揮される力というのは、先ほど述べたように、その速さによって頭打ちが必ずあります。これを破るためには①RFDをあげて力の立ち上がりを速くして強い力を長時間かけること② Maxの力をあげて、より軽く速く強い力を出せることが必要です。ただ、筋肥大させて体重を増やせば、マックス重量をあげたり、エルゴが回ったりするようになりますし、C2だって筋持久力が増えます。要するに、自分で目標を持ってトレーニングすれば、どれを鍛えたって基本的には強くなります。自分がどの力を伸ばしたいのか、選んでこう競技力に伝えたいという意識が大切なんだと思います。

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