北大ボートblog

北大ボート部部員によるほぼ定期更新ブログ。

BB計画vol.1 シャワー比較実験

2024-04-24 23:08:00 | BARATO〜茨戸〜

どうも2年目漕手の木原でございます。

見出しは風速10m/s超の暴風で波立つ茨戸。一面津軽海峡な大波でした。
 
来たるブログ投稿のためにチビチビ書き溜めていたものをあげようと思っていたのですが、やっと完成が見えそうなところで放り投げて新しく書いてます。
いろいろ書きたいことがあったのですが、湧き上がる愚痴には勝てませんでした、ごめんなさい。
放り投げたものは今度出直します。
 
さて。なーににそんなに文句があるのかと言いますと、、、
 
艇庫の「シャワー」でございます。
今回のキーワード↑何回出たか数えてね。
 
んま〜〜素晴らしい水圧なのです。
しとしと穏やかに頬を伝う小雨のような、優しいやさしいシャワーなのです。
新歓期の重なる疲労でしおれた我々に潤いをもたらす、ジョーロの水のような細やかなシャワーなのです。
 
つまり…
 
 
 
 
水が出なさすぎる(泣)
 
😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭
 
ということで、、
【BB計画vol.1 シャワー比較実験】
を行いました。ただし女子シャワールームを中心に実験しています。ご了承ください。
 
まず現在のシャワー周辺状況を解説します。女子用にはシャワー2個・洗濯機1個、男子用にはシャワー4個・洗濯機2個が設置されています。
 
次に水の出確認条件です。
※前提:男洗濯機1個が回し中だった
①女子シャワー1個ひねり
②女子シャワー2個+女洗濯機回し
③女子シャワー2個+男子シャワー2個
④女子シャワー2個+男子シャワー4個
(③④は女洗濯機ストップ)
 
いよいよ実験です。希さん(4)と真子(2)にも協力してもらい、勝手に男子シャワー室に侵入しまして水を出しまくりました。(無駄遣い大謝罪)
ちなみに女子はレバー回すんですけど男子は押して出すタイプなんですね。初めて知りました。まあ初めて入ったからなんですけども。どちらも全回し全押しで挑んでます。
 
気になる結果は…!!!
 
①女子シャワー1個ひねり
まあ普通にそよそよ出ます。一応水が45°を保って線として出てますがこれで普通のシャワーの1/2くらいの水圧です。2個同時に出してもこれはあまり変化なし。
 
②女子シャワー2個+女洗濯機回し
まだ耐えてますが、線がすこーし太くなった。つまり弱まった。ちょいと重力に負けだして垂れてきたのに気づけましたか?
 
③女子シャワー2個+男子シャワー2個
さぁさぁ来ました自由落下。水が合体を始めましたね。水分子が斜めに飛び出てくれないので、手で持たないと浴びれない勢いになりました。
 
④女子シャワー2個+男子シャワー4個
見てくださいこのはじめチョロチョロ中パヤパヤな有り様を。ファイナルステージ、もはやシャワーのシの字もないですね。どんなに角度を変えてもmaxひねったレバーをガチャガチャしても、したたるシャワーしか出てきません。
 
この域になると普段水を潤沢に使えるありがたさをひしひしと感じます。発展途上国の一部ではこんなきれいな水をこんだけ使いたかったらどれほどろ過をしなきゃいけないんだ、日本人に生まれて幸せもんだ、とか思いながら浴びるわけです。
 
ちなみに男子シャワーも実験では4個中3個しか同時使用できず水圧も弱まりましたが、明らかに女子側より優先的に水が出ていました。元栓がどうなってるのかはわかりませんが、
男シャワー > 女シャワー > 洗濯機
の順に水が回されてそうな気がします。(体感)いずれにしても男女共にギリギリの水で浴びています。
 
 
以上が全ての実験となります。
 
 
 
続きまして簡潔に不平不満を述べさせていただきます。非常に個人的です。すみません。
いつも発狂寸前で耐えながら浴びる時に溢れ出る言葉を、奇声では無く日本語に込めてお送りします。
 
第一に、洗えない。髪の短い自分はまだましですが長い人はなおさら時間がかかるし、このシャワーでは水で流すってより水をくっつける感覚に近いと思います。汗だくなのにさっぱりしないんです。
 
第二に、あったまらない。今時期は、というか北海道は年中朝晩は冷え込みますが、その寒さに打ち勝てないのです。水圧が弱くシャワー室の冷気にさらされる時間が長いため入れば入るほど体は冷える。でも温もりきらず上がれない。風邪引いちまう。
 
第三に、みんなで入れない。これが断トツ死活問題かも。複数で夕入りして泊まる日や合宿の日に、シャワー全てをまともに同時に使えないから時間がかかりすぎて混む。さらに商大も共同利用しているためもっと人数は多い。キャパオーバーだあ!
 
 
そんなわけで茨戸のシャワー問題をどうにかしたいなぁと切実に思う毎日です。それさえ解決すればものすごく住みよい艇庫になるのに!
このままだと新入生へ残念サプライズです。自分も去年の5月、まだ温度調節ができなかった頃、あまりの冷たさと水圧に落胆した覚えがあります。
 
もちろん今の環境も十分ありがたいですし当たり前ではないことは承知しています。なのにこんな文句タラタラですみません。ここで暮らす我々の衛生面、コンディション、さらにはモチベーション、何より後世のために茨戸快適化を実現したすぎるがゆえなのです。
 
でも現在、上層部でシャワー直そう計画が少しずつ動いてるという情報が入ってます!!大感謝!どうなるのかはまだわかりませんが今年中に直りますように!
 
艇庫美化隊長の一條に続いて、ビューティー・バラト(BB)を目指してまいります。みなさまご提案、備品、その他諸々使えそうなものごっつぁんお待ちしておりますのでぜひご協力お願いします!
 
 
このブログ全ての「シャワー」を数えたら、33回も使ってましたね。でも目標は38回でした。なんででしょー。正解者出たら鯖缶食べます。
 
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やる気!元気!

2023-05-30 15:46:26 | BARATO〜茨戸〜

みなさんこんにちは。2年目漕手の池田です。

最近の北海道は、暑い日は最高気温26℃、寒い日は15℃といった感じに寒暖差が激しいです。(北海道って前からこんな気候だったっけ…)

こんな気候の変化にも負けず、ボート部は元気に頑張っています。

 

 

最近OBの方々が茨戸にごっつぁん品を届けてくれることが多くとても感謝しています。

先日は、菅井さんにニラとキムチを頂きました。

ごっつぁんです!

左から順に河田(1)、亀井(1)、内海(1)

いい笑顔ですね〜

 

左上:小林(1)、左下:三浦(1)、右上:川北(1)、右下:尾上(1)

これはもりもりご飯食べている途中かなー?

 

 


さて、ごっつぁん品紹介も終えたところで最近茨戸で見つけた漕快ポイントについて話していきたいと思います。

 

その漕快ポイントはズバリ、1年目です!

 

1年目は入ってきてからやる気がすごいです。朝はみんなつらいと思いますが、集合の15分前に来て準備しています。

 

また、この前心躍ったのは、土曜日の2スタ目が終わってみんな疲れてるときにエルゴを漕ぎ始めて500m×3を始めたことです。

お互い励まして高め合う姿、熱いなって思いました。

今年の新人は東北に勝てる気がします。

 

まだまだあります。

僕がシングルに乗っててUTがつらくなってきた時、女子クォドから声が聞こえたことです。

シングルはやっぱりずっと一人で漕いでるので疲れてくると集中し直すのが大変です。

そんな中、クルーボートの元気な声が聞こえて、自分もやる気が出てきました。

特に亀井の声がめっちゃ聞こえます。元気を分けてもらえる声です。楽しんでボート漕いでるのがすごい伝わってきます。

去年僕が新人だった頃は、自分含めほとんど声が出てなかったので、今年の新人の船は明るい雰囲気でいいなって思ってます。

雰囲気、些細なことに思えて結構大事です。

 

とまあこんな感じで、最近僕は新人の姿を見て心躍らせてます。

僕と同じような現役部員も多いのではないでしょうか?

 

元気な新人に自分も負けてられません!

シングルに乗っててもどんどん声出していきたいと思います。

 

以上、最近の漕快ポイントでした。

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2番部屋のメンバーを紹介するぜ!

2023-05-29 00:45:00 | BARATO〜茨戸〜
こんばんは
2年目マネージャーの住田です





2番部屋の新人を紹介します!



左から関、内海、河田、面川







1番部屋は肩組んでたよ、と言うと
 




私たちも組むか〜


ん?



ああ肩じゃなくて腕なのね


お茶目な子たちです





それでは1人ずつ。順番は一言もらった順なので写真通りではないです。



写真1番左
名前:関愛子(せきあいこ)
学部:農学部
出身:大阪府

新歓のとき主務メールで連絡してきたことで入部前から話題になっていた関ちゃん。SNSは機械音痴で触れないそうです。ブログもアプリで書くよと言ったら不安がっていました。手書きでもいいぞ。私が写真撮って載せてあげる。初ブログが楽しみですね。


一言:最強になります

なれますね(断言)。エルゴ10kmをひとりトレセンで漕いだり、新人がoffの日も自主練で茨戸に来たりとやる気が素晴らしい彼女の今後に期待です。







右から2番目
名前:河田晴実(かわたはるみ)
学部:水産学部
出身:愛知県

笑顔がかわいい。いつ見てもにこにこしています。面倒なエッ掃も、にこにこな河田ちゃんとやればあっという間です。
入部式では「三途の川をボートで渡ります」と宣言し、ボートを一生、そして死後も続けることを誓ってくれています。


一言:西京焼になります

なれますかね(困惑)。水産学部だからなれるのかもしれない。最強になった関ちゃんに食べてもらおう。







1番右
名前:面川由佳(おもかわゆか)
学部:水産学部
出身:福島県

写真では笑わないタイプみたいですね。普段は笑顔も見せてくれます。
礼儀正しい静かな子だな〜というのが第一印象でしたが、話してみると言葉の端々から面白さが感じられます。たぶんもっとおしゃべりになるな。
ママチャライダーですが普通に速い。帰り道のろのろ漕いでいると抜かされます。


一言:頑張ります

簡潔で素晴らしい。クールだけどどこか面白い面川ちゃんに期待!








左から2番目
名前:内海一葉(うつみかずは)
学部:総合理系
出身:北海道

2番部屋最後の入部者です。最後の試乗会では入部の可能性50%→54%でしたが、数日で46%上げて入部を決めてくれました。
内海ちゃんはいつも元気に挨拶してくれます。朝のおはようございます!で元気をもらい、練習後のお疲れ様です!で癒されてます。部屋ではよく勉強してます。


一言:頑張って起きます

大事。初日の練習後、周りの一年生がわいわいエッセンを食べている中、死んだように寝ていたのでちょっと心配でしたがよく眠れたみたいです。疲れるよね。茨戸にいる限りは起こしてあげるからよく寝てくださいな。
そういえば一年生の間でもおはようLINE始まったみたいです。早起きから協力して頑張れ〜







個人の写真がないので写っている写真何枚か探してきました。太字が2番部屋の子です。



左から河田、入江、内海
新人合流の日の写真です。茨戸も新人を歓迎しているのか、ずっと寒かったのにこの日はとても暖かったです。フードをかぶって日を避けていました。フードがなかったかずはちゃんがかぶっているのはりょうこ(2)の帽子です。初日からみんなとたくさん話せて楽しかったな。




左から一條、河田、木原
りょうこ撮影。スマホを手放すとすぐ新しい写真が増えています。こういう写真が増えているのは嬉しいです(あなたの自撮りはもういい)。
一年生はエッセンをすごく褒めてくれます。鍋を洗っていると、練習から帰ってきた子たちからは「いいにおい〜」「今日のエッセンなんですか??」、食べ終わった子たちからは「美味しかったです!」「また食べたいです」と、嬉しい言葉を絶えずにかけてくれます。嬉しすぎて鍋何個でも洗えそうです。いっぱい食べて強くなってね。









マットの上 左から内海、邊見、一條、面川。座っているのは永井。
練習後のダウンの様子です。楽しそうにしていたのでこっそり自然な姿を撮ろうとしたのに一條ちゃんに見つかってしまいました笑ひとりだけ1枚目からしっかりカメラ目線です。
経験者の永井ちゃんに技術的なアドバイスをもらいながらダウンしていました。向上心があっていいですね。お互い高め合って上手になっていくのでしょう。

ーーー





2番部屋は以上4人の新人と、ひなたさん(4)、玉川さん(3)、私(2)、の7人部屋です。

静かめだけど部屋にはほぼ必ず誰かがいて穏やかでいい雰囲気です。心地よくて大好きです。早速愛着が湧いてきて、私の茨戸泊が増えそうです。




2番部屋はもともと男子部屋だったのですが、女子部員増加により今年から女子部屋となりました。


新しい部屋なのでこれからどんな雰囲気にもっていくこともできます。7人でいい部屋にしましょう!私はとりあえず整理整頓を頑張ります…



ぴかぴかの2番部屋と、ぴかぴかの住人のこれからにご期待ください!













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理想を追う時間そのものが幸せだった

2022-11-17 18:08:32 | BARATO〜茨戸〜

大変お久しぶりです。
修士1年の向井です。

引退ブログ書きたくないなーと思って、後回しにしていたら、インカレから2ヶ月強も経ってしまいました。インカレすら遠い過去のような気分ですが、インカレまでの今シーズンを振り返りたいと思います。

自分にとって今シーズンが始まったのは、昨年のインカレでした。自分は去年の1年間は新トレをしており、スタッフとしてインカレに同行しました。

契機はインカレフォアのオールをピット辺りまで運んでいた時に見た、他大のフォアのタイムトライアルレース。coxのコールと共に、勢いよく漕ぐ選手を間近に見て、心を揺さぶられてしまいました。もう漕手はやらない、ボートは諦めたと言い聞かせていた自分でしたが、一度揺さぶられてしまったら、もう自分に嘘はつけません。インカレ最終日ごろには、もう来年漕ぐことを決意してました。

まあ漕手復帰を決意した自分ですが、なんせブランク2年。大した才能もない、そんな自分が勝てるほど甘い世界ではないことは、ある程度分かっていたので、目標は最初から「勝ち」以外のところでした。漕手としての自分の目標は「毎日自分に打ち克つこと」、「インカレ後に精一杯やったと思えること」でした。競技者としてはド三流の考えかもしれませんが、どんなに高い目標を立てようが、結局毎日弱い自分との勝負であることには変わりないと思っていたので、この目標を根底に今シーズンはやってきいました。ちなみに漕手は今シーズンだけにしようと最初から決めてました。一度挫折した自分が、また2年も続けられるとは思えなかったし、こっちの方が毎日真剣に臨めると思ったので。

そんなこんなで始まった冬練。復帰後初のエルゴTTは、一年生の時の人生初2000TTより遅かった。圧倒的な遅さで笑えてきましたが、絶望より、これからどれだけ伸びるんだろうというワクワクに溢れていたのを覚えています。ただ結局思っていたより伸びずに、もう冬練終わりなのかと焦りながら、乗艇シーズンを迎えてしまいました。

乗艇シーズンはまず小艇練(シングル・ダブル)からスタート。伊藤さんとのダブル練の短漕で風を切って進む感覚を久しぶりに味わったのが、一番印象に残りました。久しぶり、もしかしたら初めて?ボートが楽しく感じました。

小艇練の次は東北戦でした。今まで定期戦に出たことなかった自分としては、出場できてうれしかった。エルゴはクルー最遅だったけどね。

東北戦は本当に熱かった。結果としては惨敗で悔しい思いでしたが、9人で同じ志の元、漕ぐエイトの良さが初めて分かりました。ちなみに帰艇後のランディングで待機中、皆んなが興奮して話してる中、僕だけ静かだったのは、目頭が熱くなってたからです。このレースができただけで、漕手復帰して良かったと思えるレースでした。

東北戦が終わったら、すぐインカレ選考がスタートしました。結果はエルゴタイムは部内の男子の中で下から2番目。インカレで勝つとか以前に、そもそもこのままだとインカレに出られない状況。インカレの小艇の基準タイムが切れるまでのTT地獄が始まりました。あのときは毎日茨戸に向かうまでの道のりで、今日タイム切れなかったら引退だな、これが最後の茨戸往復だと思いながら、茨戸に向かってました。結局ラストチャンスでギリギリ基準タイムを切ることができました。最後までエントリーを待ってくれたスタッフには感謝しかありません。

インカレは久我(3)とのペアで出ることになりました。クルー組み始めは久我が怪我をしてて満足に乗艇が出来ず、焦りがありましたが、日々見つかる課題に対して、あれこれ議論しながら練習するのは楽しかったです。

インカレでのレースはどのレースも面白かった。特にタイムトライアルでのレースはエルゴ回らない組だったとはいえ、ゴール手前で差して、一位通過して心が震えました。あの時のスパートは本当に気持ちよかった。あれを超える興奮は今後の人生で味わえるだろうか。インカレはそんな興奮を味わえましたが、同時に上位校との圧倒的な差を感じました。A決勝でメダル争い出来たら、もっと興奮できていたのかもしれません。僕には全く届きませんでした。2年ブランクの漕歴3年目が届く世界でないことは分かっていましたが、A決勝で戦える選手がただただ羨ましい。

そんな感じで僕の今シーズンは終わりました。目標自体は達成できたと思います。願わくばもっと上のステージで戦いたかった。
最後となりますが、いつも支えてくれたスタッフを始めとした、現役部員や監督、コーチの皆さん本当にありがとうございました。特に一緒にインカレを戦ってくれた久我君、ワガママ言って練習日以外もモーター出して下さった野田学生コーチ、高いモチベーションで部全体を引っ張ってくれた4年目の皆、本当にありがとう。たぶん4年目がこの代じゃなかったら、自分自身こんなに熱いシーズンにすることは出来なかったです。

またOB、OGの皆様応援ありがとうございました。特にインカレ壮行会やインカレにて、菅井さんや亀山さん、白石さん、川勝さんに直接「向井頑張れ」と言って下さったのは、嬉しかったです。

来年、何をしているかは分かりませんが、この先も毎日ワクワクできるような自分でありたいと思います。

長い間、大変お世話になりました。ボートに入部して、辞めて、また戻って、また漕いで、全ての選択が自分にとって最高のものになりました。ありがとうございました。

 

 

インカレ タイムトライアル時の写真 S 久我(3) B 向井(M1)

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自炊道~第一話 主食はもちろんカップ麺~【短期連載企画(和田)】

2020-12-03 21:08:19 | BARATO〜茨戸〜
三年目新主務の和田です。



実家に居た頃、カップ麺は世の中で最もおいしいゴハンだった。


脂質で出来た乾麺に、しょっぱいスープ、色とりどりの添加物が詰まったフリーズドライの具材たち。


完成するまでの三分間が待ちきれず、何度も覗き見をしては麺の様子をうかがったものだ。




 一方、うちのオカンの趣味は料理だった。


オカンが作るメニューには決まって僕の苦手なものが入っているのだが、とりわけ許せないのがキノコだった。


あの独特の香りは受け付けない。


キノコが添えられているだけで、あのハンバーグでさえ台無しになるのだから感心してしまう(チョコレート菓子だって「たけのこの里」派なのは言うまでもない。)。




オカンは僕と妹に何かと「旬」のものを食べさせたがった。


春には苦い菜の花を、夏には超苦いゴーヤを、秋には甘すぎるカボチャを、冬には味のないカブを、そして年中様々な種類のキノコを食卓に並べた。


「旬の食材」それはイチバン美味しくてイチバン安い時期の食材。


オカンは家庭の食卓に季節を求めた。




無論、当時の僕からすればとんでもない話だ。


カップ麺は年中旬だし、価格なんて究極に安い。


しかも世の中で一番おいしいとあれば文句のつけどころがないだろう。


でも、決まった時間にきっちり三食用意されてしまう――外食なんてのも滅多にない――我が家では1日の中で即席めんを楽しむ時間などなかったのだ。


あきらめの中、日々を消化していった。




 しかし、そんな僕の食生活に革命が起きる。


大学に入り、札幌で一人暮らしを始めたのだ。


オカンは地元に置いてきた。


夢のカップ麺生活のスタートである。


春にはしょうゆ味を、夏にはシーフードを、秋にはカレー味を、冬にはチリトマト味を食べた。


天にも昇る絶品カップ麺をすすり、頬っぺたはもはや顔からこそげ落ち、心身ともに浄化されていく……


わけがなかった。ジャンクフード生活は三日と持たない。


ニキビはできるし食欲がでない。


ただの作業になった「食」は、目の前のお湯を吸ってブヨブヨになった紐を塩っ辛い汁からすくい出し口の中に運ぶだけの行為へと姿を変えた。


あんなにも恋焦がれたカップ麺がまずくなったのだ!!!


そう、僕の味覚は洗脳されていた。


オカンの安くて贅沢な「旬」に。


ありがたみなど感じたことのなかった生鮮食品に。。。。。。




 オカンの手料理のその価値が、実家を出てようやく身に染みてわかったわけだ。


こんなのは「よくある話」なんだと思うが、カップ麺信仰が打ち砕かれた僕にとっては特別にショックだった。


そのショック(と金欠)から僕は自炊を始めることになる。


かつて確かに舌の上にあった、記憶の中のオカンの味を求めて。。。








だからといって「キノコ料理を作ってみよう」などとは思わない。


言わずもがなである。
(第二話へ続く)

《おまけ》

和田の今日の自炊「韓国風クッパ」





なお、茨水会メーリングリストではお伝えしましたが、私、和田が今期主務を務めさせていただきます。誠心誠意努め上げたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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