4年目の納谷です。
お待たせしました引退ブログです。こんなにお待たせしたのになんと同期で2番乗りですね!
大変遅くなりました!ごめんなさい!
書いても書いてもまとまらず、書きたいこともよくわからず、需要あるかしら?と思いながら書いていますが、お暇な人はお読みください。
長いです!!!
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まずはCOX編、COXとしての私の思考の過程を、関わってくれた人たちへの感謝を交えながらまとめていこうと思います。
COXって漕手と違って他のCOXを深く知ることが難しくて、「より強いCOX」とは何なのか、成長するために自分に何が足りないか客観的に考えることも難しくて、
私はずっと他のCOXが何を大事にして、どんな過程で成長して、どんなことを考えながら艇に乗っているのか知りたいと思い続けていました。
もちろん漕手から学べることもたくさんありますが、COXとしてのあり方に悩んだとき、他のCOXは似たような悩みを抱えているのかいないのか、乗り越えるためにどんなことをしたのか知れたらいいのにと思いながら黙々と悩み続けることも多かったです。
ということで、私と同じような悩みを抱えるCOXや、COXのことをもっと詳しく知りたいと思う漕手にほんの少しでも参考になることがあれば!という想いです。
COXって、COX自身の性格や一緒に乗る漕手の特性、チームの特性によって様々な正解があると思っていて、なので「あくまで私の場合」ということになります。
人によっては理解不能なことにも当たり前すぎることにも捉えられると思いますが、あくまで私の場合です(大事なので2回目)
大した人間ではないし今でも自分のCOXに自信があるかと言われれば微妙なところも多々ありますが、ボートを知らなかった気弱な人間がどのようにCOXと向き合ったのか、一つの過程を示すことができたらなと思います。
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1年目
まずそもそも私は、マネージャーとしての入部でした。
高校の部活で腰を壊したものの運動部の空気感が合っていたのでマネージャーのいる運動部、朝に弱いタイプだったので他律してもらうために朝練のある部活を探す中でボート部を発見し、試乗会で雰囲気に惹かれて入部しました。
コロナ禍でエッセンもなければ度々オンライン練習でしたが、ジャガーって人話しかけても反応薄いな~、そもそもなんでジャガー?などと思いながら一緒にマネージャーしてました。
当時スタッフ間では、納谷と奥田さん(H31)がモーターの日は沈が多いという噂があったりなかったり…
そんな中、新人戦でW4×+を出したいがCOXがいないということで、夏に新トレの伊藤さんと岡崎さん(ともにH29)からCOXやらない?と言われました。
正直COXのことなんて全然わかっておらず「難しそうだな~」くらいの感覚でしたが、1個上の女子漕手のお二人や同期の後押しもあり、わりと軽い気持ちで引き受けることになります。
新トレのお二人には引退直前までいろいろ気にかけていただきました。
ここで1回目の転機を迎えた私は、COXの活動をスタートさせました。
コロナで新人戦はなくなりましたが、同期女子4×+に乗ったり、同期男子8+に乗って早くもクルーがまとまらなくてオロオロしたり、ちょくちょく艇に乗り始めたところで納艇。
この頃何を考えていたかは正直覚えていないのですが、何を言ったらいいのかなとずっと悩んでいた記憶です。

同期女子とがっつり一緒に乗ったのはほぼこれが最初で最後でした。懐かしい
2年目
冬の同期大量離脱を乗り越え2年目になった私も、春まではスタッフとしてモーター免許を取ったりエッセン復活に関わったりしてました。
2度目の転機は2年目の夏に訪れました。
当時対校COXだった船山さん(H31)が今年で引退だから、その後の男子対校COXはどうなるんだ?納谷??みたいな雰囲気でしたが、自分自身は身の振り方に悩んでいました。
当時の私は、天候が悪くて女子が大艇を出す日だけCOXするという中途半端な立場でした。もっとCOXを頑張ってみたいという思いはあったのですが、悪天候の日だけ単発で乗る練習では磨ける技術も限られているし、反省を次いつ活かせるのかわからない状況が正直苦痛でした。
女子はスカルばっかりだったのでCOX需要がないのは当然でしたが、男子と関わるのもそんなに得意でなく怖かったので、男子艇に乗ることにも前向きになれず。
成長できないまま間に合わせのCOXを続けるのも居心地悪かったので、いっそスタッフに専念したいというのが本音でした。
勇気を出してそんな気持ちを久我さん(R2)に相談するもなぜか全く伝わらず、「俺は来年以降納谷に乗ってもらいたいと思ってる!よろしく!」という感じのことだけ言われて、ちょっと萎えました。笑
今となっては逆の立場の気持ちもわかりますが、相談した人全員に「当然やってくれるよね?」みたいな雰囲気を出されて、この部にいたいんだったらやらなきゃいけないのかな…と。
そんなとき、1年目の新トレだった都雲さん(H30)が親身に話を聞いてくれて、長坂さん(R2水産)からの言葉もあって、COXとして成長したいという気持ちに火が付き、頑張ってみようじゃないかと腹を括りました。
私が男子COXをするようになった経緯はこんな感じです。
成長の機会も与えられないままいきなり高いレベルを求められるのは辛すぎる!と新トレチーフうわのさん(H30)に直談判して、新人中心のオッ盾8+に乗せてもらうことになりました。
うわのさん最初めっちゃ怖かったし「本気で勝たせたいから正直お前じゃないほうが嬉しい」とまで言われ、渋られましたね…
それでも、このクルーに加えてもらえて本当に良かったです。
そしてこの経験から「下級生COXの成長できる機会を大事にしたい」という気持ちが芽生え、いろんな場で訴えるようになりました。それがちょっとでも今の後輩COXたちに繋がっていたら嬉しいな~と思ったり。


この期間はひたすら基礎を学んで吸収することに必死でした。
自分もド初心者でしたが後輩だらけだったので、どうすればみんなの集中力が続くかな、練習の質を高められるかな、と考え続けていました。
結果は敗復落ちで、初めての戸田に圧倒されて、初めて全国を知りました。
本格的にクルーを組んだのも、後輩男子と関わるのも戸田を回すのも全部初めてで頼りなかったと思います。下ドン9km遠漕も頑張ったね。3年目(この時乗って今残ってるの、小方と金谷しかいないね…)、西井、岩本さん吉田さん(ともにR2)、ありがとうございました。
その後新人戦にも、ほぼ同じクルーで出場しました。


準決勝に進出できてすごく嬉しかったけど、準決勝は歯が立ちませんでした。
COXの技術を磨けたのはもちろん、レースの奥深さやレース準備の重要性、レースに繋げるための練習とは何かを学びました。
内気で自己肯定感も低い私でしたが、新人戦を経て勝ちたいという気持ちが強固なものになりました。
うわのさんから褒められることは滅多になくて悲しかったですが、オッ盾と新人戦が終わった後にうわのさんから貰った言葉は全て、4年目の最後まで私を支え続けてくれました。
本当にお世話になりました。
オッ盾後すぐには、社会人のお2人、生純さん(R2)、玉川と一緒にW4×+で国体にも出場させてもらいました。慣れない1000mレースで調子が狂ってしまったり、全く貢献できた気はしませんが先輩方に温かく教えていただきました。
2年目の3つの大会を経て「最低限必要なことは一通りできる」レベルのCOXになりました。ここまではたぶん、教えてもらうことをがむしゃらに吸収していたら成長できる気がします。
この時私の頭は「COXとは常に冷静な司令塔であり、クルーを導くコーチのような存在であり、漕手からの信頼を得るために常に完璧でいて、常に弱音を見せてはいけず…」みたいなCOX像で凝り固まっていました。自分で調べた知識でしたが、絶対こうならなきゃいけないんだ!と自分にプレッシャーをかけ続け、艇庫でもずっと気を張っていました。しんどいなと感じながらも、自分は漕がずに指示を出すんだからこれぐらいの覚悟で当然だと思っていましたね。
そして、秋からいよいよ対校COXとして乗艇するようになります。これまでずっと「より上手く新人のクルーをまとめる」ことだけ考えていたので、上級生男子の空気感に戸惑いました。ぶっちゃけ同期も怖かったです。
自分より経験値の高い漕手から信頼を得るためには、まずは完璧なフィードバックをできるようにならないといけない!と思っていろいろ勉強しましたが、漕手経験もないので文字を読んだり動画を見たりするだけでは深くまで理解できず、浅い知識でコールして漕手を戸惑わせたりもしました。
漕手にフィードバックを求めようと思っても、求め方もアバウトだったので「COXのことはよくわからない、聞かないで」と言われることも多く、コーチとの距離感も今までよりかなり遠くなってしまって、行き詰まることが増えていきます。
3年目
そんな中で3年目になりました。完全にCOXになり、モーターに乗ることも稀になります。ジャガーに「同期マネいなくなって寂しい…」と言わせてしまい、非常に胸を痛めました。
歓送迎会や試乗会運営、大学の実習で余裕がなくなり、授業もバイトもパンパンで体調にも異変が訪れた蕁麻疹暴発期です。主務の仕事も肩代わりし始めて主務変更のゴタゴタもあり、正直COXに全力を注ぐ体力も気力もありませんでした。
突然重くなった責任、体調不良、馴染めない対校艇、結局中途半端にCOXしてる自分への苛立ちで気持ちはずっと苦しかったです。
残る気力を全部使って乗艇し、全日にも出場させてもらいました。
COXは休んだら首が飛ぶと思っていたし漕手も怖くて「体調悪いから休みます」と言えず、休んだら負けだと思っていました。今思えば、この頃の私にとって漕手は「一緒に戦う存在」というより「自分を評価する存在」でした。
それでも日々乗艇する中で徐々に対校の空気感に慣れ、艇の挙動への感覚も少しずつ磨かれていきました。
レースではスピーカーが壊れて何もできず虚しさだけが残りましたが、他団体の様子をたくさん観察して、強く刺激を受けた大会でした。
実はこの時部の短所ばかりに目が向いてしまって、全日が終わったら部活をやめようと考えていました。
でもゴール間近で1人で見た8+と4+の決勝でCOXへの憧れが再燃し、自分もああなりたいという気持ちを諦められず踏みとどまりました。
たくさんの先輩方にも救っていただきました。久我さん&岩本さん、橋本さん(H31)、激励会でお話させていただいた川勝さん、芹澤さん、都雲さん、ありがとうございました。

4月には低体温症になってしまい、多方面に心配をかけました。元々自分が耐えればいいやという脳筋素質が若干あるのと、自分の寒さで練習を止めては漕手の信頼を失う!という過激な価値観だったことが原因だと思ってます。
久我さんと安永を初めて本気で怒らせ、クルーに青ざめた顔をさせ、救急車に付き添ってくれた増田を泣かせて大反省でした。


いろいろあった全日期間が終わり、東北戦に向けて8+に乗り始めます。
この頃は対校艇には慣れたものの、自分が目指す方向性がぶれかけていました。
今までCOXが常に指揮をとるべきなのかなと思っていましたが、私より経験豊かな漕手がほとんどで、私に絶対的なリーダーシップを求めていない漕手が多いように感じていて、このままでいいのか悩みつつ、漕手に委ねることも増えました。
徐々に漕手といろんな話ができるようにはなっていましたが、もっともっと深く話すべきだったなと思っています。まだまだ1人で「艇の感覚を磨かなければ」という焦りに追われていました。
全日の反省を活かしてCOXに全力を注いだ期間で、勝つ想像もできていただけに結果はどうしようもなく悔しかったです。
ですが苦手意識のあったレース技術、航行・艇の挙動・艇差への意識を上手く両立させながらのレース運びに少し手ごたえも感じました。
そして、少しの自信とともに乗り始めたインカレM4+で大きな転機が訪れます。
その頃は漕手に自分の意見を否定されることが多かったので「とにかく艇の感覚の精度を上げなきゃ!」と焦りが大きくなり、練習中はひたすら「今漕ぎのどこが悪いのか」だけを考えてコールしていました。ある程度の感覚は掴めるようになっていましたが、さらに細部の感覚を身につけなきゃ!と必死でした。
しかしそれで漕手との関係がよくなるはずもなく、初めて漕手と大衝突します。
これをきっかけに、漕手は自分に何を求めているのか、練習中・レース中に漕手が何を考えているのかを知ることができ、今の自分に足りないのは「完璧なフィードバックを目指すこと」ではなく「漕手を気持ちよく漕がせること」だなと認識を改めることができました。


やっとかよ…!という人も多いでしょう。でも、漕手と深く話せていなかったり、自分に自信がもてないCOXではよくある現象ではないかな?とも思います。
ここで衝突して漕手の本音を知れて、本当に良かったです。
「漕手経験がなく先輩漕手と乗った経験もほぼない自分が、COXとして漕手に何ができるか。漕手がそんな自分と乗る意味は何か。」
対校艇に乗るようになってから引退まで、この問いを永遠に考えていました。
この時までは「努力して漕手を上回る知識をつけること」を目指していました。
でも漕手と話して、自分がコーチのように漕手に新しい感覚を教えることはたぶん無理だし、挙動の全てを1人で把握できるようになろうと焦る必要はないことに気づきました。
この時から私は艇の挙動に関して、自分がこれまで身につけた感覚を上手く使えたら、ひとまず及第点だと思うようになりました(もちろんコーチや漕手から新しい感覚を教わったり、漕ぎに結び付けられなくとも気になった挙動を伝えたりということは継続しました)。
今狙うポイント、これまで狙っていたポイントを適切な時にコールして、漕手が無意識下でもできるようになるまで思い出してもらうこと、
今自分がつかめる感覚を活かしたフィードバックができること、
シンプルにこの2つを意識して、それ以外のことは優先順位を下げました。
その代わり今まで以上に真剣に考えるようになったのが、どうしたら漕手を気持ちよく漕がせられるか、今漕手が何を考えているか、ということでした。
最も漕手にとってストレスなく艇を回すためにはどうすればいいか、どんな声色でどんな口調でどんな言葉を選んでコールするべきか、技術の指摘以外にどんな言葉を加えると効果的か、今この瞬間の漕手にかけるべき言葉は何か、乗艇中はひたすらそれを考え続けました。いつまで経っても正解はわからないし、最後まで至らないところも多々ありましたが…
このインカレを機に、目指す方向性が「漕手を気持ちよく漕がせること」に変わりました。
とはいえこの時は漕手に対する委縮の気持ちもまだあり、もともと人に強気なことを言えないタイプだったのでアツいコールは苦手でした。
そこでレースで2つのことを試した結果、クルーにコールを褒めてもらえました。
1つめは、これまでのメニューから漕ぎの傾向を掴み、レース前にどの地点で何をコールするか細かく想像して何度もイメージレースを繰り返すことです。事前にシミュレーションすることで自分自身に余裕を作り、舵やレース展開の分析などとの意識の両立を狙いました。こんな時にはこんな言葉をかけよう、とか考えながら鼓舞の練習もしていました。
2つめはNTT時代の佐々野さんが8+で最後に競り勝つレースの動画を、レース前に何度も見ることです。佐々野さんがずっとアツいコールをしていて自分も気持ちが入り、絶対勝たせるぞ、何があっても最後まで諦めないぞと気合を入れていました。
手ごたえも掴んだインカレでしたが、台風の影響もあってC決勝進出となりました。
並べやレース経験の少なさもあり、自分がもう少し他艇との競り合いを上手くできれば…という場面もありました。
来年は絶対にこの課題をクリアして引退しよう、と胸に刻んで3年目のシーズンを終えました。
そして冬練中も漕手のエルゴを見ながらとにかく鼓舞することを繰り返し、さすがに男子にも慣れてきて徐々に強気でコールできるようになりました。
この頃ようやく、衝突も繰り返しながら少しずつ漕手との相互理解を深めていけて、「一緒に戦う仲間」だと思えるようになっていった気がします。

HOB同期&吉田さん8+
しかし、そんなときに私の体調は人生最悪に崩れてしまいまして…
代替わりして同期でこれからというときでしたが、自分はすでにエネルギーを絞り切ってしまったような気分でした。
ずっとぼんやりしたことしか話せていなかったのですが、3年の春あたりから生理前後に心身ともに調子が崩れるようになり、1か月のうち1.2週間は日常生活も苦労する状態でした。3年の夏は気合で乗り切れることも多かったのですが徐々に悪化して、就活も相まって3年冬はもうヘロヘロでした。
春遠征もぎりぎりまで行くつもりでしたが、安永・玉川・ジャガーに全力で止められて休む決心がつきました。植村監督に電話したら1時間ぐらい反対されましたが…笑
4年目の途中で治療を始めて今では効果も出ているのですが、もう少し早くから病院行っていたらなと思います。現役時代は治療が間に合わず、インカレ直前までいろんな人に心配と迷惑をかけました。練習に出れない日も増えてしまい、乗艇やミートの前後で勝手に涙が止まらなくなることも増え、頑張りたい気持ちと体調とのギャップが悔しかったです。
4年目
4月から復帰して乗艇を開始します。
体調に不安が残る中で半ば意地と申し訳なさで復帰を早めましたが、いざ戻ってみるとやっぱり水上を艇が進む感覚が好きで、部員からもらえるエネルギーも大きくて、あと半年、自分が満足いくまで頑張ろうという一心でした。
また、主務との両立も2年目だったので、去年の全日期のようにならないように「後から振り返ったときに100%COXに集中できたと思えるように、両立を絶対に妥協しない」ということをとにかく心掛けていました。


東北戦8+。漕手の個性がぶつかりあうことが多く、自分がこれまでやってきたことは間違っていたのか、漕手の意見を尊重するのではなく自分が我を出して引っ張るCOXを目指していたら上手くいったのか?と葛藤していました。正解はわかりませんが、今でも後輩たちに申し訳なかったなという気持ちがあります。


インカレ4+。銀メダルを獲れましたが、この期間も実はドタバタでした。
これまで少しずつ積み上げてきた自信が、東北戦前後に漕手から放たれた言葉で崩れさってしまいました。それだけで?という感じですが、たくさんぶつかって徐々に信頼を築けてきたと思っていただけに傷が深かったようで、和解した後も体調が不安定な時期の乗艇中は何度もその言葉が蘇り、頭が動かなくなりました。つくづく情けなかったしクルーに申し訳なかったです。
4年目にもなって情けないと思いながらも長坂さんや小澤さんに相談し、踏ん張れました。一度崩れた自信も全くゼロにはならず、糧になりました。
これまで意識してきた「漕手を気持ちよく漕がせる」ための自分の行動がちゃんと実を結んでいたんだな~と、マイクが壊れたときの練習で実感できたり。笑
苦手意識のあったレース戦略の考え方も進化できました。これまで「細かいプランはCOXが考える」という雰囲気が多く、それに則っていたのですが、漕手の性格や得意な戦い方によって強い戦略も変わるよな?という疑問があり、浅野さんからも助言をいただき、どこで攻めてどこで守るか、徹底的に漕手と議論することを心掛けました。
個人的には、今回のインカレのレースで特にこれがハマったなと思っています。自分もどんな戦況でも正確な判断を下せる自信はないし、漕手もどんな戦略でも対応できるわけでもない中で、事前に様々な戦況を想定して「自分たちの実力を最大限活かして最終的に勝つための戦略」をすり合わせられたことは、クルーの意識を統一するうえで重要だったと思います。
レースでは、心の底からクルーを信頼してコールすることができました。
私にとってはメダルと同じくらい嬉しいことでした。

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長々4年間とCOXとしての思考を振り返りました。実に約8000字。お疲れ様です。
ここから、まとめとCOXに関わる漕手やコーチに向けて私が思うことを書かせてください。
私が感じたCOXの苦しさは、自分のCOXで自信を持っていいところが分からないことから来ていたなと思います。
漕手からはたまに要望をもらうぐらいでコーチも漕手への指導がほとんどだったので、自分の長所と課題を客観的に整理できず、とにかく自分の粗探しを繰り返していました。自分を褒めることができず、乗艇が楽しくない時期も長かったです。もっと恐れずに漕手にもコーチにもコミュニケーションを求められたらよかった、というのは自分の中で大きな後悔です。
ただ、恐れてしまう気持ちを少しでも理解できる漕手やコーチがいたら、自分からCOXに、良いと思っているところや直してほしいところをどんどん話にいって、目指すCOX像を一緒に作ってあげてほしいです。それはきっと、COXにとって大きな支えになります。
漕手とCOXは見ている方向も違えば考えていることも全然違って、たとえ同じ時間を過ごしていても意外とお互い何考えてるかわからないんだな、というのが私の学びです。ときにぶつかりながらも話して、お互いが何を考えているのか知ることで初めて信頼関係は生まれると思います。
個人的には、直してほしいところがあるのに遠慮して我慢されるよりもガツガツ言ってくれる方が嬉しいCOXが多い気がします。ただ指摘ばっかりだと誰でも自信がなくなるので、良いところを省略せずちゃんと言うということを大切にしてくれたら、COXも漕手のことを信頼しやすくなるはずです(これは漕手間でも、COXからのフィードバックでも言えることですが)。漕手を信頼してのびのびと発言できるCOXは、漕手の顔色を伺うCOXよりも絶対にクルーにいい効果をもたらします。
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これにてCOX編、終了です。お疲れ様です。
もしもう少しCOXについて知りたい人がいたら、「京大ボート部 ブログ COX」で調べてみてください。COX心理についてものすごく論理的にまとめられたブログがあります。
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ここまでですでに長いのですが、最後に、みんなへの感謝を述べさせてください。
疲れた人は休憩しながら読んでくれたら嬉しいです。
まず、大山へ。
まずは入部してくれてありがとう。「COXかっこよくないすか?」と言ってくれて、すでにリーダーシップたっぷりなオーラを出していた大山が入部を決めてくれた時、叫びそうなぐらい嬉しかったです。
このシーズン私は自分のことで精一杯で、上手く気にかけてあげられなかったけど、陰ながらずっと見守っていました。
勝利への意欲、責任感と覚悟、ボートへの情熱、漕手とのコミュニケーション、
私がCOXにとって重要だと思うものを、大山は1年生ながら全部持っています。1年生でこれだったら3年後どうなっちゃうんだろうと、もはやちょっと羨ましいです。
あとは経験値を増やして技術を磨くだけ。
既存の型にはまらなくていいから自信をもって、漕手と自分にとって1番最高だと思えるCOX像を作っていってほしいです。
今は大丈夫かなと思うけど、この先もし壁にぶつかったとき、漕手に言えない気持ちを吐きたい時が来たら、頼ってくれると嬉しいです。
ずっと応援してるよ!
1年生へ
新人戦でのレースも、スタッフとして帯同した人の頑張りにも、めちゃめちゃ感動しました。皆で切磋琢磨しながら頑張っている良い雰囲気が大好きです。来年再来年、成長した皆のレースを見れるのが今から楽しみです!
先輩をたくさん頼って、同期ともたくさん遊んで、ボート部生活を楽しみながら頑張ってね。応援してます!
2年生へ
新人の頃から自分たちの考えをしっかり持っていて恐れず発言できる君たちのこと、ちょっと怖かったけどとても頼もしかったです。
2年目の目線から今年の4年目に対して思っていたことを自分たちの代で昇華させて、部をよりよくしていってほしいなと思っています。
小林、インカレ一緒にメダル獲れて嬉しかった。4年目を支えてくれてありがとう
これからも怪我に気をつけて、最後までこのまま突っ走ってください。期待してるよ
隆真、たぶん隆真にとって私は頼りないCOXだったけど、こんなにクルー作りを大切に考える漕手と私は初めて出会いました。私が今まで飲み込んでしまってたことを恐れず伝えてくれる姿勢を見て、自分ももっと頑張らなきゃと思わされました。
これからも周りとたくさん話して、皆がいいと思えるクルーを作っていってほしいです。
岩崎、岩崎の明るさは北大ボート部の光だと思います。北大ボート部のキーパーソンとしてこれからも岩崎らしく皆を引っ張っていってね。ずっといろいろ気にかけてくれてありがとう。岩崎のスラックめっちゃ好きです、応援してるよ!
松井、ひそかに松井のことずっと心配してたんだけど、今シーズン松井が真剣に頑張ってるところをたくさん見れて、心配する必要なかったなと思いました。松井の整調ちょっと泣きそうでした、かっこよかったよ!
尾上には最初試乗会で「雨が嫌です」って言われてどうしようかと思ったけど、入部してからずっと頑張り続けてどんどん成長していく尾上を見ていて、尊敬しかありませんでした。
実は最上級生になって後輩との関わり方に迷っていた時、尾上みたいな熱心な子がのびのび頑張れる部活にしたいという思いを軸にしていました。
オッ盾と新人戦、本当にお疲れ様でした
平松と今井はごめん正直最後まで嫌われてるんじゃないかと思っていましたが、私は2人のストイックさをずっと見習っていました。
今井が楽しそうにシングル漕いでるところ見るの大好きでした。
平松、東北戦で一緒に戦えてうれしかったよ。ありがとう。
入江、2個も年下なのに入江といるとなぜかまるで妹になったような気分でした^^
素晴らしい包容力でこれからのボート部を優しく包んであげてください。
新人戦遠征の入江はまじでかっこよかったです、すごいんだから自信もってね。
一條、練習も部の仕事も頑張り続けてるイメージしかないです。苦しい時に自分を追い込める一條は最高にかっこいいし、皆にめちゃめちゃいい影響を与えてます。
一條なら女子を元気に引っ張っていけるから、たまには息抜きしながら頑張ってね。
木原、木原を見ると私はかわいいとかかっこいいとかしか言わなかった気がします笑
去年の冬練で木原のエルゴを見る機会が多くて嬉しかった!
今シーズンは部屋で号泣してるところとか見せちゃって情けない限りでした。木原も体調気をつけて、楽しく冬を乗り切ってね。
河田のことは1年生の時はいろいろ心配してたけど、2年生になって新トレにCOXにとたくさん挑戦していく河田を見て、頼もしいな~と思うことばかりでした。
COXやるって聞いたとき嬉しかったよ、本当にお疲れ様!
関、高校の後輩が謎の主務メールからの連絡で入部してくれて、めちゃめちゃ嬉しいやと思ってたら想像以上の逸材でびっくりでした。追い込みすぎなんじゃないかいと思うことも多いけど、たぶん性格ちょっと似てるんだろうね笑
ここから飛躍していく関を見るのが楽しみです。ずっと応援してるよ!
3年目の男たちへ
3年目は私が初心者COXの頃から一緒に乗ってくれて、やっぱり私にとって特別で、同期と同じくらい一緒に戦ってきたと思える存在でした。
山田と乗れたのは新人戦だけだったけど、あの8+は山田の声だけ私のところまで聞こえてきてて、それが私にとってすごく心強くて、一緒にコールしてるみたいな気持ちでした。山田はクルーボートで他のクルーに力を与えられる漕手だと思っています。
いつだったか厳しいことをいろいろ言っちゃったけど、山田を応援し続けてる気持ちはあの時も今も変わってません。
ラスト1年悔いがないようにね、引退の日笑い泣きしてる山田が見たいです
小方と金谷はたくさん同じ艇に乗ってきて、ずっと心強い存在でした。
今年の東北戦8+での悩みを小方に話した時に「3年目は4年目についていきたいです」と目を見て言ってくれたこと、すごく嬉しかったです。
やっぱり新人の時の印象が強くて、後方のことなんも言ってくれなかった小方と疲れましたしか言わなかった金谷のイメージなので、インカレは感動しながら見てました。
今年一緒に戦いたかったなと思っていたけど、2人ともに色紙で謝罪されちゃって大困惑だったよ笑
そのぶん全部来年にぶつけてください。期待してます。
ラストシーズン自分の気持ちに妥協せずに、体大事に頑張ってね。
ゆりちゃん、柳へ
2人には本当にお世話になりました。正直私が2人にしてもらったことはたくさんありすぎるけど、私がしてあげられたことは何かあるのかな、、と不安になります。
2人がしっかりしているのをいいことに、あんまり気にかけてあげられない時も多かったし、いつもいろんな仕事を任せてしまっていました。
今年のインカレでめちゃめちゃ泣いて喜んでくれてありがとう。
私が動かなくていいようにって、自分から私の仕事を奪うぐらい気遣ってくれてありがとう。
寒い時期の帰艇のとき、ベンチコート持って待っててくれてありがとう。
納谷さんが報われて良かったなんて、言ってくれてありがとう。
本当に支えてもらってばっかりでした。特に今シーズンは、2人やジャガーのおかげで私のCOX業が成り立っていました。
いつでも選手のことを考えて動いて、選手に寄り添い続ける2人はマネージャーの鏡です。尊敬しています。
私なんぞいなくても、君たち絶対大丈夫ですよ。
しんどくなる前にいつでも連絡してね。
主務を2年もしていたので、私のパソコンの予測変換にはすぐにみんなのフルネームが出てきます。卒論執筆中に変換されるたびにニッコリしちゃいます。
大好きで大事な後輩たち、これからもずっと応援してるよ!
――
同期たちへ
同期全員、それぞれに救ってもらったことがあります。
最高の同期だと思ってます。ありがとう!
個別に伝えるのはこの場でなくてもいい気がするので、これでおしまい!
――
最後に、
安永、玉川、
主将としての1年間、本当にお疲れ様。
たくさん2人が悩む姿は見てきたけど、私にとって2人は最高に尊敬できる、頼もしい主将でした。
2人ともアツい気持ちをもっていて、それを追求して示し続けてくれたから今年の北大ボート部の雰囲気が作れたと思っています。
主務業もいっぱい助けてもらっちゃって申し訳なかったけど、ありがとう。
約12500字、じゃがぼよりは短いですが長いですね。
最後の最後に、これまで活動を支えてくれた家族、先輩方、OBOGの皆様、本当にありがとうございました。
家族には申し訳ないぐらい心配をかけっぱなしでした。いつでも話聞いてくれて、ずっと応援し続けてくれてありがとう。
先輩方へ、お世話になった先輩の名前を挙げたらキリがないくらい、本当にたくさんの方々にお世話になりました。ずっと見守ってくださってありがとうございました。
特に、藤田さん(H29)、地崎さん(H31水産)、船山さん奥田さん、長坂さん、たくさんご迷惑をおかけしました。先輩方が先輩方じゃなかったら私はCOXしてなかったと思うくらい、偉大な存在です。
江川さん、植村さん、川勝さん、亀山さん、関わってくれたコーチの皆さん、ご支援いただいた皆様、部の活動を支えていただきありがとうございました。
2年も主務をしたのに至らないところばかりで、たくさんフォローしていただきました。
これからの後輩たちをよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
4年間のすべてに、感謝を!

