島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

雲仙地獄-地獄の「かんつけ」

2015-02-28 15:45:24 | 雲仙
さて、折角なので雲仙地獄についてもう一つトリビアをご紹介します。
雲仙の地獄地帯を歩いていると、地獄の中に表紙の写真のような場所を何ヶ所か見ることが出来ます。
2本のパイプが地面の中に入っていて、その地面は少し平らに均されています。
これは何でしょう?
単純に考えるならば、旅館やホテルに地獄のお湯を運んでいると、考えます。
ところがそんな単純な話じゃなく、お湯を運ぶだけだったらパイプは1本で済みます。
2本あることに意味があります。
これは地獄の「かんつけ」と呼ばれ、1本には水が流れています。
その水が地獄の熱によってお湯となり、各旅館ホテルに運ばれて行きます。
所謂、天然の給湯器です。
旅館ホテルに帰ったお湯は、そのまま給湯に使われたり、お部屋の暖房として使われます。
九州とはいえ雲仙は標高600m以上の山地です。
冬は雪も積もりますし、路面も凍結します(今年は積もりませんし、凍結もほとんどしませんが)。
そんな時は地獄の地熱で暖めたお湯が重宝するというわけです。
旅館ホテルにもよりますが、ある所ではこれで暖房費が約半分くらいになるそうです。
地球の地熱を利用した、エコロジーな暖房器具です。
ちなみに現在は塩化ビニール素材のパイプを使っていますが、そんなものが無かった時代は松の木を刳り貫いてパイプ代わりにしていたそうです。
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雲仙地獄-邪見地獄

2015-02-28 15:27:18 | 雲仙
雲仙地獄でえらく引っ張っているなあ。
大叫喚地獄のすぐ隣に位置する場所に、この「邪見地獄」はあります。
「邪見(じゃけん)」とは嫉妬心の意味で、嫉妬心によって生じた不和を飲んで解消するのが、「邪見地獄」の湯だとされます。
雲仙の湯は酸性度が高い(pH2~3;食用のお酢より少し高い)ので、飲めたものではありません。
(飲めないことはありませんが、何が入っているか分かりませんし、美味しくありません。)
現在は「嫉妬心はここで捨てろ」との意味に変化しています。
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2015-02-27 13:56:50 | イベント
明後日の3月1日から、年度末企画展「イベント写真展~平成新山ネイチャーセンターの2014年~ with WILD & NATURE」を開催します。
絶賛、準備中です!w
今年はイベントの開催回数が少なかったので、雲仙お山の情報館にて開催していた「WILD & NATURE~野外活動のすすめ展~」を同時開催です。
昨日、留守番のスタッフに「野外活動のすすめ展」の展示をお願いしていたのですが、予想以上のデカさにちょっと引き気味です。w
まだバタバタと忙しいのですが、明日中にはなんとか完成しそうなので、今ブログの更新をしています。
月末・月初にもかかってくるので、この2,3日は忙しい日が続きそうです。
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雲仙地獄-大叫喚地獄

2015-02-23 11:53:36 | 雲仙
明日から休みと雲仙勤務が続きますので、もう一つアップしておきます。
昨日は九州北部に春一番が吹き、福岡では黄砂が確認され、垂木台地ではウグイスが初鳴きしました。
昨年より2日早い初鳴きです。
春はどんどんと近づいています。

さて、表紙の写真は雲仙地獄の中で一番噴気の激しい「大叫喚地獄」です。
地獄の中で最も高台にあり、最も奥まった場所にあります。
噴気がゴウゴウと音をたてて噴き上がる様は、地獄に落ちた悪人達の叫び・喚きの声に聞こえてきます。
「噴出する熱水は100℃近くあります。」
雲仙は標高の高い場所にありますので、水は100℃以下で沸騰します。(約98℃)
カップラーメンやポテトチップスなどを島原市内のスーパーで買って帰ると、包装や袋がパンパンに膨れています。
カップラーメンも3分より少し長めに時間を置かないと、堅い麺になります。
おっと脱線してしまいましたが、雲仙地獄を訪れたら必ず立ち寄って欲しい地獄です。
大叫喚地獄を見ないで、雲仙地獄を観光してきたとは言えません。
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白雲の池

2015-02-23 11:18:38 | 雲仙
絹笠山の山頂からは、白雲(しらくも)の池と反対側の雲仙メモリアルホールへ下る道もあります。
しかし、今回は白雲の池駐車場に車を停めてきたため、登ってきた道を戻ります。
表紙の写真が、白雲の池です。
白雲の池は、面積約1haほどの古い人工池です。
当初は農業用の潅漑用水として造池されたようです。(今も使っているのかな?)
池の周りでは、キャンプやピクニックを楽しむことができます。
植物や野鳥も豊富で、手軽な自然観察の場として最適です。
運が良ければ、カワセミのダイビングも見られます。
池の中にはフナやコイもいますが、特定外来種のブラックバスやブルーギルが幅を利かせています。
数年前に池の水を抜いて、外来種の駆除作戦も行われたのですが、泥の中に隠れていた子供たちが成長して繁殖しています。
一度入り込んだ外来種の駆除は簡単ではないですね。
湖面に映る山々と紅葉が美しい場所でもあります。
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絹笠山登山

2015-02-22 10:39:23 | 雲仙
真知子岩からさらに奥へ進むと、急な上り坂になります。
急な上り坂を登り上がると、視界が開けた展望所へつきます。(表紙写真)
ここからは雲仙地獄を見下ろし、正面奥には絹笠山を見ることが出来ます。
今まで雲仙地獄の紹介をしてきましたが、本当の目的は絹笠山の全景を撮影することでした。
そろそろ3月が近くなり、眉山登山会が始まります。
寒い冬は屋外に出る活動が少なく、じっと室内に篭っている事が多かったので、ここらでリハビリがてら体を動かす事にしました。
いきなり眉山はキツ過ぎるので、雲仙岳三岳五峰のなかでも一番気軽に登れる絹笠山に目標を定めました。
この後も雲仙地獄の写真を撮影していますが、飛ばします。
雲仙地獄を出て、車で絹笠山の中腹にある「白雲の池野営場」の駐車場まで行きました。
駐車場から絹笠山の登山口までは徒歩移動です。

絹笠山の登山口は、白雲の池のボート管理棟のすぐ脇にあります。
絹笠山は標高870m。
こちらの登山口から、約40分ほどで山頂まで着きます。
雲仙温泉街に近く、四方の眺めが素晴らしいため古くから散策コースとして親しまれています。
昔、外国人は山頂から見える落日を讃えて「サンセットヒル」と呼んでいました。
現在は、夕日を見て下り始めると、帰り着く頃には真っ暗になっているのでお薦めしません。w

登り始めて暫くすると、登山道の脇に木材を利用した土留めが見えてきます。
「ああ~懐かしいなあ~。」
今から約十年前、私がこの仕事に就いて間もなく、作業員の方たちと一緒に作業して造った土留めです。
あちこち崩れ始めている姿に、十年の歳月の流れを感じます。

丁度、登山道が360度折り返している地点に着きました。
ここには休憩用のベンチがあるので、少し息を整え給水します。
残りは約半分くらいの道のりです。

ところが、絹笠山登山の難所はここからです。
真っすぐに延びた階段の上りが延々と続きます。
息が切れますし、ゴールが見えてこないので嫌気が差してきます。

そんな苦労に打ち勝った者だけが山頂に到達できます。
山頂は広場と展望所が整備されています。
昔は、気象庁の観測所が設置されていましたが、現在は雲仙の温泉街の中に移転しています。
展望所からは、

雲仙の温泉街を真下に臨むことが出来ます。
左の小高い山が、雲仙岳の中心、妙見岳や国見岳・平成新山の溶岩ドームが見えます。
朝だったので、南東方向が逆光で撮影出来ませんでした。

南西方向です。
橘湾を挟んで、長崎半島が見えます。
半島の先が、野母崎辺りです。

北西方向です。
手前に猿場山、その奥に千々石断層が見えます。
北は九千部岳が見えますが、それ以外は見えません。
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雲仙地獄-真知子岩

2015-02-21 14:54:52 | 雲仙
お糸地獄をさらに奥へ進むと卵売りの売店があります。
その売店の近くに、この「真知子岩」があります。
日本の昭和期にラジオで流れた「君の名は」の映画化が雲仙をロケ地に行われました。
その記念碑のようなものです。
はい、これに関しては、我々世代以下はまったくピンときません。
主演の岸恵子さんが独特のストールの巻き方をしていたことから、「真知子巻き」が流行ったとか、観光に来られたご年配のお客様に逆にお聞きして、初めて知りました。
相手役の佐田啓二さんが、中井貴一さんのお父さんだと分かって、やっと「おお~」と思えるくらいです。
3部作の映画が作られた後に何度かテレビドラマ化もされているようです。
近年では(と言っても1991年だが)、鈴木京香主演、相手役を倉田てつをさんが演じていますね。
鈴木京香さんは今も第一線で活躍していらっしゃる女優さんなので、知っている方も多いと思いますが、倉田てつをさんの名前を聞いてテンションが上がったのは私くらいでしょう。w
仮面ライダーblackで、南光太郎を演じていました!
仮面ライダーの方へ話が脱線しそうなので、真知子岩に話を戻しますと、碑文がある岩は2代目だそうです。
後ろに見える、もう1個が初代の真知子岩です。
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眉山下見とその他色々

2015-02-21 13:12:50 | 眉山
昨日、眉山の下見に登ってきました。
HPのイベント情報にはすでに更新済みですが、3月7日に「眉山登山会61」を開催致します。
「早春の植物」と謳ったのですが、“早春”と言うには早過ぎました。
ほとんど何の植物も出ていません!
まいったな~、登山の方に軸足を置かねばならないようです。w
そして、今日から予約受付開始だったのですが、申し訳ありません。
午前中に予約いっぱいとなってしまいました。
今からだとキャンセル待ちをお願いすることになってしまいます。
さらに、今までイベント情報の告知として活躍してきたセンターのホームページが、2月28日を持って閉鎖されることが分かりました!
まさに、『寝耳に水』です!!
こちらの都合ではなく、ホームページを作成していたNTTコミュのサービスが2月28日で終了になるとか。
えぇ~利用者がいるのに一方的に閉鎖って、なくな~い?
とりあえずは、facebookの方に移行する動きになっていますが、私は個人的にfacebookがあんまり好きではない。(てか、嫌いだ。)
HPだとピンポイントでうちのイベントを調べることが出来たのに、それが出来なくなる。
なんらかのネット上でのイベント告知方法を(facebook以外で)確立しなければならない。
あと、3月1日からセンターの1年間の観察会を記録した「イベント写真展~平成新山ネイチャーセンターの2014年~」を開催予定だ。
今現在、写真展の準備と参加者への告知の準備で、猫の手も借りたいくらい忙しい。
12月、1月と手を抜いていたツケが回ってきた。w
今年度は観察会の回数が少なかったために、「WILD & NATURE」という雲仙お山の情報館にて開催されていた「野外活動のすすめ展」を同時開催します。
なんやかやで文章が長くなってしまったが、その他色々の内容でした。
ちなみに昨日はあんなに天気が良かったのに(表紙写真参照)、今日は曇り空で冷たく強い風が垂木台地には吹いています。
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雲仙地獄-湯の花とお糸地獄

2015-02-18 13:33:38 | 雲仙
「地獄地帯の岩石は噴気や温泉の熱と酸性水の影響で変質し、白く脱色した粘土状の温泉余土となっています。
 地獄の噴気孔のまわりに白~淡黄色の湯の花が見られます。
 これは噴気の硫化水素ガスと土中の鉄やアルミニウムなどが反応し、結晶化したものですが、雲仙の湯の花は温泉水中ではなく、地表面に析出するのが特徴です。」
噴気孔近くの岩に付着している黄色い湯の花です。

雀地獄よりさらに上へ登って行くと、「お糸地獄」に出ます。
案内板には「島原のお糸が情夫とともに夫を殺害した罪で、処刑された頃に噴き出したためにこの名前がついた。」とあります。
ところが、近年見つかった手紙によると、どうやら2時間ドラマが出来るくらいに複雑な状況だったらしい事が分かってきました。
本当に長くなるのではしょりますと、『島原にお糸さんがいたことは間違いなく、あまりに綺麗だったために全国をまわっていた薬売りの行商人に見初められたそうです。
すぐに薬売りはプレゼント攻撃や何やらで大金をつぎ込んで、妾のようにしてしまいました。
ところが薬売りは行商人で、ひとところに長く滞在する事が出来ません。
やむなく再び仕事に戻りました。
そうして薬売りが旅立って数年、すっかり音沙汰がなくなってしまいました。
お糸さんは「(薬売りは)私のことなんて、どうでもよくなったのね。」と思い、好きになった男性と結婚してしまいました。
ところがこの話を聞きつけた薬売りは、「俺という男がいながら何してくれてんねん!」と怒り心頭でお糸さんに手紙を送り付けました。(これが“見つかった手紙”です。)
手紙を受け取ったお糸さんは動揺して、「幸せな結婚をして子供もいる。いまさら過去の男に幸せをぶち壊されたくない!」と考えました。
その結果、薬売りを殺してしました。』とさ。
まあ~どちらにしろ、“殺人はいけませんよ”って事です。(かなりはしょったな。w)
ちなみに島原には今村刑場跡という史跡が残っています。
その今村刑場で最後の処刑されたのが「お糸さん」です。(2011年1月14日記事参照)
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幻の廊下橋復元プロジェクト

2015-02-16 14:27:45 | 歴史・史跡
今だけしか更新できない情報をアップします。
危うく掲載し忘れるところでした。
現在、島原市内では「島原城下ひなめぐり」が開催されています。
5年前に私もスタンプラリーに参加して雛あられをもらいました。
今年はスタンプラリーは無いようですが、別の目玉企画があります。
それが「幻の廊下橋復元プロジェクト」です。
表紙の写真をご覧頂くと、見事に二の丸と本丸を繋ぐ廊下橋が復活しております!
今現在観光施設化してしまった島原城では本丸まで車の乗り入れが出来ます(有料)が、往時は軍事施設であったお城にそんな道がある筈ありません。
いくつもの虎口(こぐち※4/29記事参照)や門で区切られ、なかなか本丸までたどり着けない造りになっています。
この廊下橋も、そんな本丸に敵を通さないための工夫です。
実質、本丸への通路はこの廊下橋唯一です。
万一敵に攻め込まれた場合は、焼き落としてしまえば敵は手も足も出ません。
もうちょっと近くから撮影しました。

記録によると、長さ十二間(約21.6m)、幅二間半(約4.5m)の瓦屋根がついた廊下橋だったようです。
丁度、橋が架けやすいように本丸と二の丸の高さが合っています。
今現在はこの廊下橋はありませんので、写真の下に写っているように行き来するには階段を上り下りしなくてはなりません。
そして、本丸側には「枡形(ますがた)」と言われる巨石があります。
これは鏡石とも呼ばれ、城主の権威を見せつけるために入れたとも謂われています。
廊下橋を裏から見ると、こんなになっています。

遠くから見ると、かなり本物っぽく見えるのですが、実物は本物そっくりの看板です。
地元の森岳商店街プロジェクトチームが作成しました。
「島原城下ひなめぐり」は3月8日まで開催していますが、復元プロジェクトは2月20日までです。
お近くの方は一見の価値がありますので、是非島原城まで足を運んでください。
また、島原城内の古野梅苑も見てきましたが、まだ咲き始めという所でした。
今から見頃を向かえそうなので、こちらもご一緒にどうぞ!
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