島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

ニシキウツギ

2008-05-31 14:10:16 | 植物
園内の「ニシキウツギ」です。
垂木台地には非常に多い植物です。
たるき新聞やメールマガジンなどには何回か登場したことのある植物ですが、ブログには初登場です。
昨年も咲いていたのですが、掲載する時期を逸してしまいました。
「ニシキウツギ」は主に太平洋側の山地に生えるスイカズラ科の落葉低木です。
咲き始めは淡黄色の花ですが、時間が経つとだんだんと紅色に変わっていくので、「二色空木」の名前がつきました。
紫外線の影響によって花の色が変化するそうですが、何のために変化するのかは分かっていません。
毎年、いまぐらいの時期から初夏あたりまで見られる植物ですが、今年は例年に比べて花の量が多いように感じます。
まだ花の色も変わり始めたばかりなのですが、こちらも例年より色が濃いように感じられます。
これは何か自然界からのメッセージでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霧の中で動くもの

2008-05-30 14:46:24 | 雑談・その他
前日に霧の中 餌を探しに来たと思われるウサギをご紹介しました。
その翌日、霧に紛れて他の生物たちも出てきました。
トップのキジもそのひとつです。
朝の園内巡視中、薮の中から突然鳴き出すので驚いて見ると、向こうもこちらに気づいたらしくコッソリと薮の中に逃げていく姿を撮影しました。(キジも鳴かずば撃たれまい)
また、事務所の裏にはこんなお客様も。

カタツムリです。
カタツムリを見るのは何年ぶりでしょう。
小学生の頃は雨が降るとしょっちゅうあちこちで見られたものですが、最近ではほとんど見かけません。
今日は雨は降っていませんが、雨を待ち遠しく思っている生物がこの垂木台地にもたくさんいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キュウシュウノウサギ

2008-05-29 11:13:22 | Weblog
昨日のお昼のことです。
事務所の窓ガラスを背にして、お弁当を食べていました。
向かい合って座っていたスタッフが、突然「あっ!」と驚いて私の後ろを指さします。
何事かと思い、振り返って見ると何かが薮の中に隠れる姿が見えました。
「何がいた?」と聞くと「ウサギがいた」とのこと。
もう逃げてしまっただろうと諦めて、お弁当も食べ終えました。
暫くしてスタッフが再び私を呼びます。
今度はちゃんと撮影できました。
外が暗く、館内が明るかったのであまり写りは良くありませんが、「キュウシュウノウサギ」です。
2月4日にアップした写真の足跡の正体です。
日本にすむノウサギの亜種で、主に木の芽や葉、草などを食べます。
霧に紛れて食べ物を探しに来たのでしょうか、暫くこの辺りをウロウロと歩き回っていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャリンバイ

2008-05-28 11:39:01 | 植物
久しぶりの植物です。
眉山ロードの斜面沿いに白い花が咲きました。
キイチゴのようでもないし、「なんだろう?」と不思議に思い調べてみました。
「ウメの花に似ているなあ」という所から調べ始め「シャリンバイ」と分かりました。
名前の由来は、葉が枝先に集まり“車輪”状につき、花が“ウメの花”に似ていることからつきました。(今回は目の付け所が良かったようです。)
「シャリンバイ」は暖地の海岸に自生するバラ科の常緑低木ー小高木です。
乾燥に強いことから街路樹や路側帯などに植栽されています。
眉山ロードの斜面に咲いていることから、このシャリンバイも土砂流失を防ぐ目的で吹きつけられたものかも知れません。
以前は葉の形で「シャリンバイ」「マルバシャリンバイ」「タチシャリンバイ」と分類していたそうですが、最近では同種内の変異ということで、まとめてひとつの「シャリンバイ」で良いことになりました。
調べる側としては非常に助かります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奇岩

2008-05-25 14:24:17 | 平成新山
平成新山シリーズの最後の写真です。
まだもう少し面白い写真もあるのですが、ブログに掲載すると「ちょっとフザケ過ぎだろう」と言われそうなので封印します。
トップの写真は「火山岩尖」を横から撮影したものです。
何故この角度で撮影したのか?
実は面白いものを見つけたのです。

人の横顔に見えません?
昔、人面犬や人面魚が流行したのを思い出しました。(人面犬は妖怪でしたっけ?)
この写真で再びブームを起こせないかなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本日の垂木台地

2008-05-25 13:47:45 | Weblog
今朝の垂木台地の映像です。
深い霧の中に閉ざされています。
今朝、出勤してドアを開けると天井から何かがポトリと落ちてきました。
暗くてよく見えなかったので、外の光を入れると・・・百足が・・・。
か、噛まれなくてよかった~。
次に事務所裏のドアを開けるとゴミ袋の下に何かが逃げ込みました。
ゴミ袋を取り上げて見ると、タゴガエルがいました。
朝から千客万来です。
開館してすぐに大型バスで団体が来館し、午前中で入館者数が100人を越えました。
その後も団体での来館を中心に人が登ってきて、現時点ですでに200人を越えています。
・・・おかしい?
天気が悪いので、お客さんは少ないだろうなあと思っていたのに・・・。
何故こんなに人が多いんだ?
今日、何かあったっけ?
ムカデ・カエル効果か?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成新山の自然

2008-05-24 10:52:15 | 平成新山
今日の垂木台地は深い霧の中で視界が効きません。
昨日で「平成新山の~」シリーズは一区切りの予定だったのですが、まだまだ撮影してきた写真があります。
また、平成新山防災登山に参加した一番の目的が達成されていません。
それは「現在の平成新山の自然の確認」です。
“噴火が始まって18年、終息宣言が出てから12年経過した溶岩ドームにはどのような自然があるのか”
自然ふれあい担当員としては、一番気になる所です。
トップの写真を見ると案外緑が多いことに気づきます。
ここは溶岩ドームと普賢岳の境目付近です。


この辺りに多かったのは、写真の「イタドリ」や「ニシキウツギ」です。
他にも「ススキ」などの単子葉類が見られました。
「ニシキウツギ」のなかには、脛(すね)くらいの背丈に成長しているものもありました。

山頂付近に近づくにつれて、植物の姿はどんどんと減っていきました。
それでも、岩の陰などに力強く根付いている植物を見つけることが出来ました。

シダ植物です。

ススキがありました。

岩の表面にはコケが張り付いています。

単子葉類の植物が多く見られました。

植物以外にも、お昼のおにぎりを食べていると「ハエ」が寄ってきたり、頭の上を「アサギマダラ」が飛んでいったり、私は見ることが出来ませんでしたが「テントウムシ」などの昆虫がいました。
地熱や火山ガスの発生など、生き物が生きていくには厳しい自然環境であるにも関わらず、生き物たちはそこに根差し、しっかりと命のリレーをつなげていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成新山からの眺め

2008-05-23 14:13:06 | 平成新山
【※平成新山は現在も立入り禁止区域です。許可を取って入山しています。】
今日は平成新山からどのような眺めが見られるかお届けします。
島原半島の地図がお手元にあると分かりやすいと思います。
当日は雲が多く、白く霞んでいたのではっきりと写っていませんが、

赤い矢印の部分が「九千部岳(くせんぶだけ)」です。
黄色い丸で囲んだあたりが、「田代原(たしろばる)」です。
島原半島の西北方向を向いています。
視点を近くに移します。

オレンジの丸で囲んだのが、仁田峠です。
アップで撮影すると下のようになります。

仁田峠の展望所とロープウェイの乗り場が見えました。
青い丸の部分が普賢岳の山頂です。

ちょっと小さいですが、普賢岳の山頂に人がいます。
丁度お昼時だったので、むこうもお弁当を広げていたのかも知れません。

それから岩の上に取り付けられた機械を撮影してきました。
この機械がGPSで、溶岩がズレていないかなどを測定しています。
撮影した時には気づいていなかったのですが、奥に薄ぼんやりと写っているのが、仁田峠の第二展望所です。
方向的には南を向いていることになります。
とまあ、色々なものを撮影し、体験して帰路につきました(最初の写真)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成新山のいま

2008-05-22 11:44:27 | 平成新山
【※平成新山は現在も立入り禁止区域になっています。許可を取って入山しています。】
休憩をとった後、いよいよ溶岩ドームを登り始めました。
残念ながら登っている途中の画像がありません。
登るのに必死でそれどころではありませんでした。
そんなこんなで山頂付近の写真です。

岩の塊です。
手前に小さく人が写っており、奥の尖った岩が「火山岩尖(かざんがんせん)」です。
こうして見るとあまり大きそうに見えませんが、念のために人との比較の写真も撮ってきました。
それがこちらです。

赤丸の中に写っているのが、人です。
昼食を摂った後、この場所に集まり説明を聞きました。

水蒸気がモクモクとあがっています。
約200度あります。
立っている場所の地面も熱を持っており、厚い登山靴を履いているにも関わらず、じっと立っている事が出来ませんでした。

また、口元を覆っている人が写っているようにガスがひどかったです。
ガスの中には硫黄などの硫化物や塩素などが含まれていて、特に塩素は水と結合するとHCl(エイチシーエル;塩酸)になるので、大変危険です。
臭気はほとんどなかったのですが、咳き込んでいる方が多数いました。

火山岩尖の周りをぐるりと回って行くと一番のお目当てのものが見えました。
解説しますと、黒の矢印で示したものが第11溶岩ローブです。
そして、黄色い丸で囲んだ地域が千本木地区です。
赤い矢印で指した、うっすらと写っている稜線が眉山になります。
青い点線の丸で囲んだあたりに当センターの建つ垂木台地があります。
私は溶岩ドームの真下にいつもいるんですね。
いかに危険な場所で仕事をしているのか分かったような気がします・・・。

翌日撮影した平成新山の写真です。
黒い矢印の部分の近くにいたことになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成新山への道

2008-05-21 14:16:23 | 平成新山
仁田峠のミヤマキリシマは満開です。
今が見頃ですよ~。
・・・。
ちがーう!今日のブログはそんな最新自然情報ではありません。
新聞等で知っている方もいらっしゃると思いますが、昨日平成新山の防災登山がありました。
九州大学の先生と生徒さん達をはじめ、消防団や警察・自衛隊、マスコミ関係者など約50名の集団にまじって、私も登ってきました。
現在立入り禁止区域に指定されている平成新山へはこんな機会でもないと入れないので、仕事半分・興味半分でした。
結論から言いますと「もういいです。」
溶岩が崩れた石がゴロゴロとしている足場は非常に不安定で、とても怖かったです。
基本的に怖いのが嫌いなので、二度目があるかどうかわかりませんが、遠慮したいです。
それはさて置き、順を追って説明していきましょう。

まずは最初の写真の場所、仁田峠に集合です。
ここで先生達の話を聞き、本日のルートと点呼がありました。
その後、あざみ谷を通って紅葉茶屋へ向かいました。
紅葉茶屋へ向かうルートは、あざみ谷を通るものと、妙見岳から国見分かれを通過して谷を下ってくる2つがあります。
あざみ谷からのルートだと登りが続くので結構キツイです。
妙見岳からだと下りのルートなので楽なのですが、逆に足をくじいたり、ねん挫したりと事故も多いそうです。
(紅葉茶屋で休憩中、先生に教えていただきました。今回は安全のため、あざみ谷ルートです。)

そこから立入り禁止区域へ入っていくのですが、もちろん私達はきちんと許可を得ています。
普段は誰も入らない登山道は、すでに自然の植物に覆われていて、倒木や枝が道を塞いでいました。
倒木を乗り越えたり潜ったりする登山道の脇には、垂木台地ではすでに花期を過ぎたモミジイチゴの花が咲いていました。

しばらく登山道を歩いて行くと第一の目的地「風穴(かざあな)」に着きました。
風穴は、その昔普賢岳が噴火した時に噴出した溶岩が冷える時にできた割れ目です。
年間を通して安定した気温で、夏は涼しく、冬は暖かい場所です。
夏でも天然の氷ができていたので、昔は雲仙の人達が氷室(ひむろ、今で言う冷蔵庫)として利用していました。
現在も近寄るとヒンヤリとした冷たい空気が流れていました。

中はこんな感じです。
ちょっとだけ写っている青いブルーシートは、地震などを観測するための装置に被せていたものです。

非常に涼しいので、入口にはこのようなコケが生えていました。
なんでも貴重なコケもあるらしく、観測機器を風穴から移動したそうです。
私にはどれが貴重なコケなのか分かりませんでした。

さらに進んでいくと、こんなものがありました。
当センターにも展示している「パン皮状火山弾」という火山弾です。
噴火当時に飛んできたものです。
ここまで来るとようやく溶岩ドームが見えてきました。

目指すは、あの上です。
(明日へ続く・・・)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする