島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

面無橋再訪

2013-12-13 15:30:36 | 歴史・史跡
先日、北有馬の「面無橋」を再訪しました。
前回は時間もなく、遠くからの撮影だったので、今回は近くまで行ってみようと歩きました。
すると橋の袂に説明文がありました。
読んでみると、私がいかにこの橋の凄さを理解していなかったか反省しました。
10月2日の記事にアップしていますが、表面をさらっと読んでいるに過ぎません。
まず「土地の自然石をそのまま使って、アーチ型に組み立てています。」と一文で書いていますが、それがどんなに凄いことか分かっていませんでした。
前回は川の上流側から撮影しているので、橋の高さや組んでいる石の形まで分かりませんが、今回の写真では下流側から、橋の高さや石の形まで分かるように撮影しました。
長崎市にあるような普通の眼鏡橋は切石を使用しています。
組みやすいように石を平らに加工しているわけです。
平面と平面が接触している場合は設置面にかかる摩擦力も強く、お互いを支えることが出来ます。
ところが面無橋に使用されている石は、自然石です。
何の加工もされていません。
凹凸がそのまま残された石を使っています。
想像してみて下さい。
その辺に転がっている石を拾ってきて、縦に積み上げて下さい。
上手く積み上がらないと思います。
運良く積み上がったとして、床を揺らしてみて下さい。
簡単に崩れると思います。
面無橋は、地震の揺れにも耐えて現在までその姿を残しているのです。
そして、橋の出口をよく見ると、少し掘り下げています。
これは橋の出口を深くすることによって、流れる水の勢いを増しています。
水の勢いによって、橋の下に集まってくるゴミなどを押し流して詰まらないように工夫しているのです。
いやあ~これこそ本当に「先人の知恵や技術に頭が下がります」です。
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4 コメント

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面無橋 (ジージ)
2013-12-14 05:14:36
カーキさん こんばんは
この橋の名前はなんと読むのでしょうか?
固有名詞には読みにくい漢字がたくさんありますね。

写真を見た時、すぐ凄い!って思いました。
ヨーロッパには石で組んだ橋は数多くありますが、全て切り石です。
日本の築城技術もそうですよね。殆ど自然石を使っています。
でもそれに気付いていない人が多いですよね。

今年は暖冬のようで、雪は1度降ったけれど、すぐ融けてしまいました。
この反動が怖いです(笑)
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失礼しました。 (カーキ)
2013-12-14 08:00:11
ジージ様
コメントありがとうございます。

大変失礼しました。
10月2日にアップしたばかりだったので、漢字の読みの部分を省略してしまいました。
「おもなしはし(ばし)」と読みます。
北有馬町の面無(おもなし)地区に架かった橋です。

そちらは暖冬なのですね。
日本は寒気の吹き込みが強く、寒い日が多いです。
平成新山の雪化粧も昨年より頻繁に見れるようになっています。
返信する
面無橋 (ひろみ)
2022-07-18 16:03:28
 私も面無橋のファンです。「みさき旅人」さんのブログで知り、7年ほど前に訪れました。自然石だけで造り上げたアーチ橋として日本に現存する唯一のものだと聞いたことがあります。自然石の不揃いな調和に美しさも感じました。
 私が訪れたとき、軽トラが橋の上を渡っていきました。江戸時代に造られた橋が今の人々の暮らしを支え続けていることに感動を覚えました。
 もう一度訪れたいと思い、時々面無橋を検索しています。今回、このブログを見つけうれしくなりました。
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ご来訪ありがとうございます。 (カーキ)
2022-07-20 10:01:33
ひろみ様
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ございません。

久しぶりに記事を読み返して、「設置面」・・・漢字間違ってるやん「接地面」(反省)。※面白いからそのままにします。
2013年のお話しかぁ〜。懐かしいな〜。
2019年に「有馬の石橋群5橋」として「面無橋」を含む5つの橋が長崎県の文化財に指定されて、その年の秋に観察会を開催しました。
また、機会がありましたら企画します。
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