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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~麗しのサブリナ

2009-09-17 | 港座

「シェーン」特集はこちら

◆「麗しのサブリナ」Sabrina(1954 パラマウント)

Audreyhepburnsabrina 監督:ビリー・ワイルダー 

出演:オードリー・ヘップバーン ハンフリー・ボガート 

ビリー・ワイルダーがこの作品の裏話を。

「撮影所に顔を出したときには一頁半のシナリオしかなかった。それで丸一日の撮影に当てなければいけない。時間稼ぎをするしか手はない。そこでヘップバーンのところへ行き、打ち明けた。『セリフをとちってほしい。間違えてほしい。頼む。』そして、事実彼女はやってくれた。こう彼女は訴えた。『頭ががんがんするわ。すこし休ませて』そして15分、1時間と彼女は横になってくれて、おかげで一頁半のシナリオで6時まで何とかもたせることができた。あのとき、気むずかし屋と観られたかもしれないし、頭に穴があいていると噂をたてられても困っただろう。ところが、何も気にかけなかった。平気で私の願いを聞いてくれた。」

匂い立つように美しいヘップバーンは、この作品からジバンシィを愛用しています。

※上映は9月25日(金)19:00からです。
ビリー・ワイルダーの名人技が光る一編。
ワイルダーがシナリオの作法において語るように、第一幕で積み上げたものを終幕で精算するその手法にはたまげます。

ヘップバーンがパリでお料理の勉強をするシーンだけで時の経過をあらわし、後に出てくる卵を割るシーンとつながり、そしてハンフリー・ボガートの社長室でスフレを作ろうとする哀しい場面を際だたせる。ため息が出るくらいうまい。

まあ、撮影中はボガートといろいろとあったらしいんですが、ヘップバーンの美しさがそんなことはどうでもよくしてしまいます。ぜひ。

港座オフィシャルブログはこちら↓

http://minatoza.exblog.jp/

次回は「初恋のきた道」。

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港座通信~シェーン

2009-09-16 | 港座

「東京物語」特集はこちら

◆「シェーン」Shane(1953 パラマウント)

Shane03 監督:ジョージ・スティーブンス 

出演:アラン・ラッド ジーン・アーサー

西部劇の名作。さすらいのガンマンが、その土地に心を残しながら去っていく……寅さんパターンなので日本人はこの映画をことのほか愛しています。

しかし有名なラストシーン(「シェーン!カムバック!」)の前に、ライカー一味とのガンファイトでシェーンは明らかに銃弾を受けており、そのためにラストですでにシェーンが死んでいるのではないか、という異説も存在します。

※上映は9月25日(金)16:00です。
異説もなにも、日テレ「水曜ロードショー」でオンエアされたときは、懇切丁寧に撃たれている場面をスローで解説していたはず。その日テレ版「シェーン」のラストにおけるジョーイ少年の遙かなる呼び声は「ママが泣くよー」でした。それをいっちゃあ。

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次回は「麗しのサブリナ」。

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港座通信~東京物語

2009-09-16 | 港座

「風と共に去りぬ」特集はこちら

◆「東京物語」(1953 松竹)
監督:小津安二郎 
出演:笠智衆 原節子 杉村春子 東山千栄子

Tokyou6  小津安二郎と原節子。ふたりがつくりだした数々の名画のなかでも「東京物語」がひときわ心に残るのは、亡き夫のことをはき出すように語る原節子のこんなセリフのためでしょうか。

「わたくし、ずるいんです。どこか心の隅で、何かを待ってるんです。ずるいんです」

 鎌倉の自宅にひきこもり、今は伝説でしか語られない原節子が、最後に公的な場にあらわれたのは、60才の誕生日に息をひきとった小津の葬儀の席でした。クールな印象のある彼女ですが、このときはあたりをはばからず号泣したと伝えられています。

その日、彼女は本名の「会田昌江」で記帳し、原節子としての生活を自ら閉幕しました。

※上映は9月25日(金)13:00からです。
「麦秋」(1回目の上映会では終了後に拍手がでましたよ)とともに、すでに古典中の古典になっている「東京物語」なので今さらですが、杉村春子という女優はつくづくうまいと思いました。あの、小狡い感じは凄いです。また、尾道と東京の距離感は、今からでは想像もできないくらいなんでしょう。

※次女役の香川京子は、「BALLAD 名もなき恋のうた」のラストで場をさらいました。主役ふたりの“母の不在”の哀しさを一瞬でひっくりかえして見せています。さすが。

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次回は「シェーン

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港座通信~「風と共に去りぬ」を劇場で。

2009-09-16 | 港座

前回の「おくりびと」上映会特集はこちら

港座復活祭第四回は強力なラインナップを用意しました。上映スケジュールは以下のようになっています。劇場でしか味わえない醍醐味を、ぜひ感じてください。

9月25日(金)

13:00 「東京物語」(2時間16分)

16:00 「シェーン」(1時間58分)

19:00 「麗しのサブリナ」(1時間53分)

9月26日(土)

13:00 「風と共に去りぬ」(3時間32分)

19:00 「初恋のきた道」(1時間29分)

それでは作品ごとに解説を。

◆「風と共に去りぬ」(1939 MGM)
Gonewiththewindposter_2 製作:デビッド・O・セルズニック 
監督:ビクター・フレミング 
音楽:マックス・スタイナー 
原作:マーガレット・ミッチェル 
出演:ヴィヴィアン・リー クラーク・ゲーブル レスリー・ハワード オリヴィア・デ・ハビランド

 「ゴッドファーザー」「JAWS」「E.T.」そして「タイタニック」と、歴代興行記録を更新!と騒がれた映画は数多くあります。しかし貨幣価値や観客動員数を考えれば「風と共に去りぬ」が“世界でもっともヒットした映画”であることはまちがいありません。そのせいもあってGone With The Wind(GWTWと一般には略されています)には数々の伝説が。

・初公開以来、GWTWは地球上のどこかで必ず上映されている。

・レット・バトラー(ゲーブル)が好きか、アシュレイ(ハワード)が好きかで女性の性格がわかる。

・尺が長いため、気温や湿度などの影響で分単位で上映時間が変動する。

……などなど。ビデオやDVDの登場によって、この偉大な作品もテレビ画面で楽しむ時代になっています。しかしアトランタの炎上シーンをはじめ、「風と共に去りぬ」はまぎれもなく劇場で体験すべき作品でしょう。09年9月26日、GWTWは極東の島国、日本の港町酒田で上映されます。

※この作品の上映が決まって以来、女性たちに「『風と共に去りぬ』好き?」と質問しまくり。答は「好きにきまってる」か「読んでないし観てない」でした(笑)。

男としては、どうにも納得できないストーリーなんだけれど(あ、男たちは例外なくスカーレットよりもメラニーの方が好きです)、圧倒的な人気を考えると、やはり何かがあるんでしょう。

わたしのような中年男でも劇場で観た経験はなくて、水曜ロードショーでの栗原小巻&近藤洋介の吹替版が唯一のGWTW経験。港座で、わたしも本気で観てみよう。長尺なので、むしろ上映は楽ですし。

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次回は「東京物語」。

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「グラビア☆アイドル伝説」 安里勉著 新潮社

2009-09-16 | 芸能ネタ

Kobayashichikako02 グラビアの世界を、結局のところわたしは何も知らなかったのだと思い知らされた。なにより、グラビアということばが印刷用語だって、あなた知ってました?

安里はイエローキャブのマネージャーとしてグラビアの制作にたずさわり、優香のデビューグラビアをプロデュースする。のちに乙葉の名付け親になるなど、この世界では有名な人らしい。

独特の嗅覚がスターを生んだのか、あるいはその陰には売れなかったアイドルたちの死屍累々なのか……。この本は5年ほど前のものなのだけれど、彼のプロデュースによってある新人が売り出されようとしているのがわかる。その名は綾瀬はるか。やっぱり、グラビアの達人なのかも。

優香と藤原竜也が、まったく同じ日に同じ池袋でホリプロにスカウトされたなど、芸能界のおいしいネタが満載。もっとマニアックになってくれれば面白かったろうが、まあそれは無いものねだりか。版元の新潮社も気合いを入れていて、雛形あきこ、中山美穂など豪華なグラビアの連続。お得な本です。

個人的には、古畑任三郎にチョイ役で出ていた小林千香子のオフシーンまで見れて満足。

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刑事コロンボを全部観るVol.03「構想の死角」Murder by The Book

2009-09-16 | テレビ番組

Stevenspielberg02 第2話「死者の身代金」はこちら

 今回の犯人はミステリ作家。といってもコンビの片割れで、実際に構想し、書いているのは被害者となる相棒の方。コンビを解消し、自分の書きたい題材に集中したいとするジム(マーティン・ミルナー)を、出版社との交渉やマスコミ対応しかしていないケン(ジャック・キャシディ)は、生命保険金目当てもあって射殺する。彼の用意したアリバイとは……

 コンビでミステリを書いているとなればエラリー・クイーンが有名。しかし他にも岡嶋二人や「マルティン・ベック」シリーズのマイ・シューバル=ペール・ヴァールー夫妻など、けっこう数多い。

 マルティン・ベックは夫婦で一章ごとに書き継ぐという気の遠くなるような作業だったらしいけれど、他のコンビはどうなんだろう。だいたい、コロンボ自体がウィリアム・リンクリチャード・レヴィンソンというコンビの作品なのである。意味深。っていうか余裕か。

 コロンボがケンの仕業だと確信するのは、第一の殺人と第二の殺人があまりにレベルが違いすぎるから。第二の犯罪は、アリバイトリックをくつがえしてしまいかねない目撃者を撲殺し、湖に投げ捨てるという「陽の当たる場所」そのまんまの無計画さだったのだ。つまり、最初の犯罪は有能な犯人が立案したものだが、次の犯罪は無能な(つまりミステリ作家としてはお粗末な)犯人によるものではないか、と。

 しかしラストでケンが自白するのは、コロンボの追及とは別の理由からだった。このオチはなかなか。

 原題も邦題もシャレになっていて、邦題は森村誠一の「高層の死角」をもじったものだろうし、原題は直訳すれば「決まりきった殺人」だけど、文字通り本をめぐる殺人でもあった。そのうえ、事件解決の決定的な証拠が“ブック”マッチときた……

 第二の被害者にケンがプレゼントする作品名が「殺人処方箋」だったりするお遊びや、暗闇からぬっとあらわれるコロンボの姿が、ケンにとって不吉なものであることをカメラが訴えたり、この作品を監督したスティーブン・スピルバーグという新人は将来有望だと思います。

第4話「指輪の爪あと」につづく

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「サブウェイ123 激突」The Taking of Pelham 123 (2009 SONY)

2009-09-15 | 洋画

Thetakingofpelham123  わたしの娘は乗り物に弱い。車酔いはもちろん、船も、飛行機もいけない。だから修学旅行に送り出すときなど、酔い止め薬をたっぷり持たせてやることになる。

 土曜日に部活をおえて帰ってきた娘に

「行くか映画館に?お兄ちゃんが『サブウェイ123』を観たがってるんだけど」

と誘うと

「うーん……行こうかな」渋々、という感じ。

「あたし、サスペンス苦手なんだー」

「まあそう言わずに。たまにはいいじゃないか」悪魔のような父親。

 デンゼル・ワシントンが(体重を増やすなどして)“ごく普通の、弱みもある”地下鉄職員を熱演し、狂気のハイジャッカーをジョン・トラボルタ。二大俳優の競演に「激突」というサブタイトルはふさわしい。

 ハイジャックされた地下鉄の車両が微動だにしないかわりに、パトカーは吹っ飛び、銃弾は乗客や犯人たちの肉を切り裂き、クルマのドアをこそげ落とすほどのリアルな描写に

「お、おとうさん。あたし、酔ってきた」ひー、映画でも酔うかこの娘はっ!

 オリジナルの「サブウェイ・パニック」(1974)は、パニック映画全盛の頃だからそんなタイトルになっているが、原題は「The Taking of Pelham 123」(ペラム123号強奪)。同時に「踊る大捜査線」のスピンオフ「交渉人 真下正義」の元ネタにもなっている。ウォルター・マッソーとロバート・ショウの頭脳合戦。思わず「やるなー」とうならせるラストが待っているのでぜひ観てね。

 リメイク版は少し肌合いが違って、主役ふたりが背負っているものの重さがそのままストーリーの核になっている。オリジナルでは、追いつめられたロバート・ショウがウォルター・マッソーに分け前をやるから逃がせと迫る。返すことばが最高だった。

「今年度分の賄賂は、もう締め切った。」

リメイク版では、このやり取りをうまくひっくり返して使っている。これはこれで、みごとな出来だと思う。唯一不思議なのは、この作品がアメリカではヒットしなかったということなのだ。ひょっとして、アメリカ人もクルマに弱いか?

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「正当なる狂気」The Right Madness ジェイムズ・クラムリー著 早川書房

2009-09-14 | ミステリ

Therightmadness  新作が出ていることなどついぞ知らなかったジェイムイズ・クラムリーの私立探偵C.W.シュグルーもの。いったい何年ぶりなんだ。ってことで全部読んでいるはずなのに前作までがどんなストーリーだったかすっかり忘れていて、おかげでまっさらの気持ちでこの巨匠の作品に向き合えた。年をとるって便利。

 謎を解明する酔っぱらい(&ヤク中)探偵シュグルーの行動規範が「正当」なものであるとしても、その過激な行動と事件そのものは「狂気」にみちている。

 友人である精神科医から患者たちの動向を探るように依頼されたシュグルーは、気が乗らないながらに監視を開始する。その眼前で患者たちは次々に異様な形で死んでゆく。あまりに奇態な現場がつづくために、シュグルーの神経は痛めつけられ、かろうじて保っていた家族の絆も危うくなる……。

 事件の根幹をなすのは、ある人物の病んだ復讐の念だが、もちろんクラムリーはもうひとつの要因を用意している。これがどうにも困ったもので、わたしも若いころに夢想した(笑)犯罪なのだ。もうちょっとひねってもよかったと思うのだが。

 まあ、そうはいっても殺伐たるストーリーのなかに、クラムリーの場合はこんなセリフが仕込んである。

「あなたは女性を信じて厄介ごとに巻きこまれるタイプですね、ミスター・シュグルー」

「人がウソをついていると思うより、ほんとうのことを言っていると考える方がやりやすいんじゃないかと思う。それが、厄介な世の中に対する怠惰な男の対応策です。」

 次作が、楽しみではないか。あら、もう出ているのかな?ネットで調べてみよう……

米推理小説家のジェームズ・クラムリー氏が死去
米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、16日、米モンタナ州ミズーラの病院で腎臓と肺の疾患による合併症のため死去、68歳。テキサス州生まれ。69年の「我ひとり永遠に行進す」を皮切りに11冊の小説を出版。ハードボイルドの傑作とされる「さらば甘き口づけ」などが邦訳された。(共同) 2008/09/22

……え。えええっ!?

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明細書を見ろ!09年9月号「山○銀行VSゆうちょ銀行」

2009-09-14 | 明細書を見ろ!(事務だより)

09年8月号「年金のお知らせ」はこちら

なんか、某銀行に怒られそうだけど、嫌われてなんぼなブログなのでアップしておきましょう。

 給料日を待っていては間に合わないことがあるので、急きょ事務だよりをお届けします。今月にかぎっては「明細書はあとで見とけ!」です。

 今回お知らせするのは、「給与の口座振込」について。年に2回ある申し出の季節が今月なのです。この仕事になぜ事務職員がいっしょうけんめいなのかというと、それはもちろん“わが身がかわいい”からです。

 お給料については、以下のことが絶対に守られなければならないことになっています。

1.通貨払いの原則(現物や小切手では支払えない)

2.直接払いの原則(代理受領の禁止)

3.全額払いの原則(雇用者の都合によって一部だけ支給するのは禁止)

4.毎月1回以上払いの原則

5.一定期日払いの原則

……以上の5原則。だったら口座振込は“通貨払い”に違反しているじゃないかと言われそうですが、実際そのとおり。そのため、雇用者と労働者が合意したときだけ振込が認められるという“例外事項”になっているのです。

ですから無理にお願いすることはできないのですが、現金支給にともなう『事故』の可能性(それは銀行に受領に行く職員だけでなく、学校に多額の現金を持ち込むことで生徒へのリスクにも変容します)をお考えいただきたいのです。

振込にしたら配偶者に支給額がばれちゃうじゃないかっ!という人がどこの職場にも必ずいますが、そんなもんとっくにばれてますってば。

さて、振込にしない人の多くが『ゆうちょ銀行が使えないから』なのは納得できる話でした。

全国津々浦々にネットワークをはりめぐらし、口座数が1億!を超える巨大な金融機関がなぜ指定できないか。それはもちろん“全国津々浦々にネットワークをはりめぐらし、口座数が1億を超えるほど巨大”だからです。

2009年1月5日(月)をもって、ゆうちょ銀行が他の金融機関との相互送金が可能になったことはテレビCMでもバンバン流されたのでみんなご存じのはず。

あれはゆうちょが全銀システムという金融機関のネットワークに加入したことをしめすものでした。だからシステムとしては給与振込の指定がそのときから可能だったはずなのに「検討中」としてペンディングになっていました。

 ここで影響したのが山形県の指定金融機関(くだいて言えば金庫番)である山○銀行の意向。巨大な存在であるゆうちょ銀行に振り込み可能となれば、どうしたってそっちに客がうばわれる、と渋っていたのです。

山○銀行の気持ちもわかります。県の指定金融機関になっていると、その県における圧倒的な信用と公金という名の巨額な預金を獲得できるかわりに、公金の振込行為などは、ほとんど無料か10円以下というサービス価格。どう考えても赤字に決まっています。

そんなしんどい思いをしているのだから、せめて県の職員関係について、少しはこっちにアドバンテージをよこせよ、と考えるのは道理です。そんなメインバンクが、わざわざ自分に不利になるに決まっているゆうちょ銀行を振込口座にするのを座視するわけが……

でも、ついにゆうちょ銀行への振り込みが可能になります!

〆切は9月18日(金)。ゆうちょに限らず、通帳をもって事務室へ来てください。歓迎します。

※山○銀行にうらみなど(あまり)ない。毎日毎日訪れている銀行だし、港座のポスターも貼ってある(笑)。ただ、ゆうちょが指定できるようになったことは歴然とした(少なくとも事務職員にとっては)労働条件の改善だということだけは強調したかったわけ。他意はないのよ、他意は。

09年10月児童手当号「児童手当と子ども手当」はこちら

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「映画クレヨンしんちゃん アッパレ!嵐を呼ぶ戦国大合戦」 (2002 東宝)

2009-09-13 | アニメ・コミック・ゲーム

「オトナ帝国の逆襲」はこちら
「河童のクゥと夏休み」はこちら
「BALLAD」はこちら
それでは2002年のゴールデンウイークにタイムリープ。

Kureshin03  大傑作。

 今年度ベストワンもう決定。

 親子四人で観たが、中盤にお姫さまが、家来にして愛する男のために全力疾走するあたりから全員涙ほとばしり状態。小二の娘にいたっては、終映後、お昼ご飯を食べに入った酒田の中華料理屋のなかで

「どうしてあの男の人(家来)は死ななきゃならなかったの?」

と突然思い出して再び泣きはじめたぐらいである。

 テレビのクレしんからは想像もつかないような繊細な画調、CGの使い方も上品。今回特に気合いが入っているのはおそらく音響。耳元をかすめていく銃声、槍のこすれ合う音、そして森の中の徹底した無音……すばらしい。

 そして相変わらず見事なのが原恵一の脚本だ。クレヨンしんちゃんというお馬鹿な設定と、時代劇という不自由なフォーマットの上に、だからこそ衒いなく極太のドラマを描いている。予告編からしてそうだったが、およそ現代の日本映画界で、ここまで黒澤明な世界が展開できる人材が他にいるだろうか。

特に「隠し砦の三悪人」からはキャラクター設定からセリフまで(「裏切り御免!」……しかもこの必殺のセリフを吐くのがボーちゃんなのには大笑い)引用し放題。ただパクるのではなく、すべて最後の青空のシーンに結実するように作ってあるのだ。すげー。

 前作の「嵐を呼ぶオトナ帝国の逆襲」があまりに素晴らしかったので、実はちょっと心配していたのだが、杞憂もいいところだった。今年これがベストテンに入らないようなら、それはそのベストが異常なのである。そう言い切っていいほどの、これは最高の映画体験だった。お昼のカニ炒飯とデラックスラーメンも最高。素晴らしい休日。

Kureshin04 ※その中華屋とは市立病院前の「桃花苑」。ここのカニ炒飯と豚肉の細切りラーメンを食べるたびに、酒田市民でよかったと痛感。新婚旅行は中国に行った私たち夫婦は、結局「中華は酒田に限る」という結論に至った。

この日はいかにも若奥様と一緒な教育委員会の職員と遭遇。

「あーホリさん」

「おー、今クレヨンしんちゃん観て来たんだけどさー。絶対観てよね。」

「はいはい(笑)」

あとでウチの奥さんにたしなめられる。

「新婚さんはしんちゃん観ないでしょう?」

そういうことではイカン!と私は思う。今回はあまり客が入っていないらしいので、下手すると次作からはお子さま向けオンリーの映画になってしまうぞ。「オトナ帝国~」とこれを、タマタマ出来上がった奇跡の作品にしてたまるか。来年も好き放題がんばれよ原!

……あれから7年。さまざまなことがおこった。おそれていたように興行成績はふるわず、原恵一はクレしんでやることはもうない、と5年もかけてクゥを完成し、戦国大合戦はまさかの実写映画化(これで東宝はもとをとったかな)。

「BALLAD」における“しんちゃん”がいじめの対象になっているあたりは、明らかにクゥへの返歌になっているし、オトナ帝国がなかったら「ALWAYS」の企画が実現していたかすらわからない。東宝の屋台骨をささえるアニメは、興行以上の貢献をしている。

なにより哀しいのは、せっかく桃花苑が出前してくれる学校に転勤したというのに、カニチャーハンがメニューからけずられてしまったことかな

野原しんのすけについても少し。

彼の行動は、明らかにいじめられっ子のそれ。でも想像以上に逸脱しているために喝采をあびている。心ひそかに彼を応援している子どもは多いはず。「子どもに見せたくない」番組としていつもクレしんはとりあげられるけれど、あれこそが子どもにとって救いになっている番組じゃないかなぁ。

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