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◆「東京物語」(1953 松竹)
監督:小津安二郎
出演:笠智衆 原節子 杉村春子 東山千栄子
小津安二郎と原節子。ふたりがつくりだした数々の名画のなかでも「東京物語」がひときわ心に残るのは、亡き夫のことをはき出すように語る原節子のこんなセリフのためでしょうか。
「わたくし、ずるいんです。どこか心の隅で、何かを待ってるんです。ずるいんです」
鎌倉の自宅にひきこもり、今は伝説でしか語られない原節子が、最後に公的な場にあらわれたのは、60才の誕生日に息をひきとった小津の葬儀の席でした。クールな印象のある彼女ですが、このときはあたりをはばからず号泣したと伝えられています。
その日、彼女は本名の「会田昌江」で記帳し、原節子としての生活を自ら閉幕しました。
※上映は9月25日(金)13:00からです。
「麦秋」(1回目の上映会では終了後に拍手がでましたよ)とともに、すでに古典中の古典になっている「東京物語」なので今さらですが、杉村春子という女優はつくづくうまいと思いました。あの、小狡い感じは凄いです。また、尾道と東京の距離感は、今からでは想像もできないくらいなんでしょう。
※次女役の香川京子は、「BALLAD 名もなき恋のうた」のラストで場をさらいました。主役ふたりの“母の不在”の哀しさを一瞬でひっくりかえして見せています。さすが。
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次回は「シェーン」
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