事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~シェーン

2009-09-16 | 港座

「東京物語」特集はこちら

◆「シェーン」Shane(1953 パラマウント)

Shane03 監督:ジョージ・スティーブンス 

出演:アラン・ラッド ジーン・アーサー

西部劇の名作。さすらいのガンマンが、その土地に心を残しながら去っていく……寅さんパターンなので日本人はこの映画をことのほか愛しています。

しかし有名なラストシーン(「シェーン!カムバック!」)の前に、ライカー一味とのガンファイトでシェーンは明らかに銃弾を受けており、そのためにラストですでにシェーンが死んでいるのではないか、という異説も存在します。

※上映は9月25日(金)16:00です。
異説もなにも、日テレ「水曜ロードショー」でオンエアされたときは、懇切丁寧に撃たれている場面をスローで解説していたはず。その日テレ版「シェーン」のラストにおけるジョーイ少年の遙かなる呼び声は「ママが泣くよー」でした。それをいっちゃあ。

港座オフィシャルブログはこちら↓

http://minatoza.exblog.jp/

次回は「麗しのサブリナ」。

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港座通信~東京物語

2009-09-16 | 港座

「風と共に去りぬ」特集はこちら

◆「東京物語」(1953 松竹)
監督:小津安二郎 
出演:笠智衆 原節子 杉村春子 東山千栄子

Tokyou6  小津安二郎と原節子。ふたりがつくりだした数々の名画のなかでも「東京物語」がひときわ心に残るのは、亡き夫のことをはき出すように語る原節子のこんなセリフのためでしょうか。

「わたくし、ずるいんです。どこか心の隅で、何かを待ってるんです。ずるいんです」

 鎌倉の自宅にひきこもり、今は伝説でしか語られない原節子が、最後に公的な場にあらわれたのは、60才の誕生日に息をひきとった小津の葬儀の席でした。クールな印象のある彼女ですが、このときはあたりをはばからず号泣したと伝えられています。

その日、彼女は本名の「会田昌江」で記帳し、原節子としての生活を自ら閉幕しました。

※上映は9月25日(金)13:00からです。
「麦秋」(1回目の上映会では終了後に拍手がでましたよ)とともに、すでに古典中の古典になっている「東京物語」なので今さらですが、杉村春子という女優はつくづくうまいと思いました。あの、小狡い感じは凄いです。また、尾道と東京の距離感は、今からでは想像もできないくらいなんでしょう。

※次女役の香川京子は、「BALLAD 名もなき恋のうた」のラストで場をさらいました。主役ふたりの“母の不在”の哀しさを一瞬でひっくりかえして見せています。さすが。

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次回は「シェーン

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港座通信~「風と共に去りぬ」を劇場で。

2009-09-16 | 港座

前回の「おくりびと」上映会特集はこちら

港座復活祭第四回は強力なラインナップを用意しました。上映スケジュールは以下のようになっています。劇場でしか味わえない醍醐味を、ぜひ感じてください。

9月25日(金)

13:00 「東京物語」(2時間16分)

16:00 「シェーン」(1時間58分)

19:00 「麗しのサブリナ」(1時間53分)

9月26日(土)

13:00 「風と共に去りぬ」(3時間32分)

19:00 「初恋のきた道」(1時間29分)

それでは作品ごとに解説を。

◆「風と共に去りぬ」(1939 MGM)
Gonewiththewindposter_2 製作:デビッド・O・セルズニック 
監督:ビクター・フレミング 
音楽:マックス・スタイナー 
原作:マーガレット・ミッチェル 
出演:ヴィヴィアン・リー クラーク・ゲーブル レスリー・ハワード オリヴィア・デ・ハビランド

 「ゴッドファーザー」「JAWS」「E.T.」そして「タイタニック」と、歴代興行記録を更新!と騒がれた映画は数多くあります。しかし貨幣価値や観客動員数を考えれば「風と共に去りぬ」が“世界でもっともヒットした映画”であることはまちがいありません。そのせいもあってGone With The Wind(GWTWと一般には略されています)には数々の伝説が。

・初公開以来、GWTWは地球上のどこかで必ず上映されている。

・レット・バトラー(ゲーブル)が好きか、アシュレイ(ハワード)が好きかで女性の性格がわかる。

・尺が長いため、気温や湿度などの影響で分単位で上映時間が変動する。

……などなど。ビデオやDVDの登場によって、この偉大な作品もテレビ画面で楽しむ時代になっています。しかしアトランタの炎上シーンをはじめ、「風と共に去りぬ」はまぎれもなく劇場で体験すべき作品でしょう。09年9月26日、GWTWは極東の島国、日本の港町酒田で上映されます。

※この作品の上映が決まって以来、女性たちに「『風と共に去りぬ』好き?」と質問しまくり。答は「好きにきまってる」か「読んでないし観てない」でした(笑)。

男としては、どうにも納得できないストーリーなんだけれど(あ、男たちは例外なくスカーレットよりもメラニーの方が好きです)、圧倒的な人気を考えると、やはり何かがあるんでしょう。

わたしのような中年男でも劇場で観た経験はなくて、水曜ロードショーでの栗原小巻&近藤洋介の吹替版が唯一のGWTW経験。港座で、わたしも本気で観てみよう。長尺なので、むしろ上映は楽ですし。

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次回は「東京物語」。

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「グラビア☆アイドル伝説」 安里勉著 新潮社

2009-09-16 | 芸能ネタ

Kobayashichikako02 グラビアの世界を、結局のところわたしは何も知らなかったのだと思い知らされた。なにより、グラビアということばが印刷用語だって、あなた知ってました?

安里はイエローキャブのマネージャーとしてグラビアの制作にたずさわり、優香のデビューグラビアをプロデュースする。のちに乙葉の名付け親になるなど、この世界では有名な人らしい。

独特の嗅覚がスターを生んだのか、あるいはその陰には売れなかったアイドルたちの死屍累々なのか……。この本は5年ほど前のものなのだけれど、彼のプロデュースによってある新人が売り出されようとしているのがわかる。その名は綾瀬はるか。やっぱり、グラビアの達人なのかも。

優香と藤原竜也が、まったく同じ日に同じ池袋でホリプロにスカウトされたなど、芸能界のおいしいネタが満載。もっとマニアックになってくれれば面白かったろうが、まあそれは無いものねだりか。版元の新潮社も気合いを入れていて、雛形あきこ、中山美穂など豪華なグラビアの連続。お得な本です。

個人的には、古畑任三郎にチョイ役で出ていた小林千香子のオフシーンまで見れて満足。

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刑事コロンボを全部観るVol.03「構想の死角」Murder by The Book

2009-09-16 | テレビ番組

Stevenspielberg02 第2話「死者の身代金」はこちら

 今回の犯人はミステリ作家。といってもコンビの片割れで、実際に構想し、書いているのは被害者となる相棒の方。コンビを解消し、自分の書きたい題材に集中したいとするジム(マーティン・ミルナー)を、出版社との交渉やマスコミ対応しかしていないケン(ジャック・キャシディ)は、生命保険金目当てもあって射殺する。彼の用意したアリバイとは……

 コンビでミステリを書いているとなればエラリー・クイーンが有名。しかし他にも岡嶋二人や「マルティン・ベック」シリーズのマイ・シューバル=ペール・ヴァールー夫妻など、けっこう数多い。

 マルティン・ベックは夫婦で一章ごとに書き継ぐという気の遠くなるような作業だったらしいけれど、他のコンビはどうなんだろう。だいたい、コロンボ自体がウィリアム・リンクリチャード・レヴィンソンというコンビの作品なのである。意味深。っていうか余裕か。

 コロンボがケンの仕業だと確信するのは、第一の殺人と第二の殺人があまりにレベルが違いすぎるから。第二の犯罪は、アリバイトリックをくつがえしてしまいかねない目撃者を撲殺し、湖に投げ捨てるという「陽の当たる場所」そのまんまの無計画さだったのだ。つまり、最初の犯罪は有能な犯人が立案したものだが、次の犯罪は無能な(つまりミステリ作家としてはお粗末な)犯人によるものではないか、と。

 しかしラストでケンが自白するのは、コロンボの追及とは別の理由からだった。このオチはなかなか。

 原題も邦題もシャレになっていて、邦題は森村誠一の「高層の死角」をもじったものだろうし、原題は直訳すれば「決まりきった殺人」だけど、文字通り本をめぐる殺人でもあった。そのうえ、事件解決の決定的な証拠が“ブック”マッチときた……

 第二の被害者にケンがプレゼントする作品名が「殺人処方箋」だったりするお遊びや、暗闇からぬっとあらわれるコロンボの姿が、ケンにとって不吉なものであることをカメラが訴えたり、この作品を監督したスティーブン・スピルバーグという新人は将来有望だと思います。

第4話「指輪の爪あと」につづく

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