カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

関東沿岸は 内陸と海上からの気流との衝突での大雨常襲地帯

2013-04-02 23:54:42 | インポート

①4月2日15時の天気図 気象庁HPより引用

13040215

②4月2日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130402150000

③4月2日15時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130402150000_2

④4月2日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

201304021500

4月2日は、高気圧が東海上へ移動して、低気圧や前線を含む気圧の谷が西ぁら本州へ接近してきました。

関東地方周辺では、引用図①②より、本州東海上からの高気圧の縁を廻るようにして、暖湿流が南東~南より風となって関東平野周辺へ吹き込んだ所へ、引用図③より、関東平野内陸部には、北より風となっている気流(本州東海上の高気圧からの南東風が関東東海上で気流の影響で東より風に変化し、さらに、この気流が、関東平野内陸部で地面付近の摩擦の影響で北東~北より風へと変化したためでしょう)との間に局地的な前線が伊豆諸島北部付近へ発生、この局地的な前線(沿岸前線と呼ばれるものですが)付近に帯状に強い雨雲が発生し停滞気味となりました。

このため、当該、沿岸前線付近の帯状の強い雨雲が掛かり続けた伊豆諸島の大島では、2日23時までに212・5㎜の降水量を観測。千葉県南部や静岡県伊豆半島でも、降水量80㎜以上と、かなりまとまった雨となりました。

2日の事例のように、高気圧が本州の東海上に移動したあと、関東地方周辺に、暖湿流が南東から南より風となって吹き込みやすく、当該暖湿流が関東平野内陸部の気流との間で局地的な前線(沿岸前線)を発生させて、関東地方周辺では、他の地域よりも一足早く降水を観測するようになります。

関東地方沿岸部(勝浦や水戸、八丈島など)上空1000m付近で南東~南より風が10m以上と強めになる場合、前記した、関東平野内陸部の気流との間に発生する沿岸前線の活動は活発になり、当該沿岸前線発生地域周辺で大雨となりやすくなりますね。

さらに、この沿岸前線発生位置ですが、目安として(筆者調べ)

ⅰ:千葉県沿岸部の館山、勝浦で地表付近東より風の場合・・・・・伊豆諸島北部大島付近に発生

ⅱ:千葉県勝浦で、南東風が10m以上(あるいは勝浦上空1000m付近で南東風おおむね12m以上)の場合・・・・・房総半島中央部から千葉県北東部、茨城県沿岸部に発生

ⅲ:千葉県銚子で地表付近北東風 千葉で地表付近北より風の場合・・・・・千葉県九十九里・外房地区沿岸部で発生 

するようになります。

4月2日の事例もそうですが、この沿岸前線周辺では局地的に大雨となりやすいばかりか、突風や竜巻なども発生しやすいですから、油断大敵です!!