※記事内風速表示値は毎秒値です!
①4月3日6時の天気図 気象庁HPより引用
②4月3日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
③4月3日6時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用
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④4月3日9時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用
⑤4月3日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
春は日本付近で低気圧が発達しやすい季節ですが、昨日から、本州南岸を低気圧が発達しながら東北東に進んで、今日4月3日6時には、関東南岸へ達して、更に発達しながら関東東海上へと進んでいます。(引用図①)
この低気圧の影響で、関東地方や東北地方、東海地方など沿岸部を中心に、北東~北~北西の大変強い風が吹き荒れて、茨城県の水戸では、8時19分に25・9m(北北東風)の最大瞬間風速を観測しました。
低気圧が関東南岸に達していますが、引用図①②より、日本海にも別の低気圧があり、このて低気圧から南北に延びる雲(雨雲でしょう)があり、この雨雲が今後関東地方や東北地方にも掛かりそうです。
ところで、引用図③④より、関東地方の風の様子に注目しますと、個性ある現状が現れています。関東の沿岸部では、おおむね北東風、内陸部では北~北西風となっており、茨城県から埼玉県南部、千葉県北西部で、この双方の気流がぶつかり、風向の明瞭なシアーラインを形成しています。
これは、関東南岸に低気圧の中心があり、関東の東海上からこの低気圧の中心に向かって吹き付ける気流(北東風)と、関東内陸部から当該低気圧の中心に吹き寄せられる気流(北より風)が、関東平野周辺で発生しているためで、低気圧が発達しながら関東南岸から南海上を通過する際に見られる、関東地方の典型的な風の吹き方でありますが、この際、低気圧が関東南岸から房総半島南東海上へ移動しかけると、沿岸部からの北東風と、内陸部の北~北西風との風向のコントラストの度合いは更に強まる(シアーラインがより明瞭になることです。)と言う特徴があります。(引用図③④を比較ください。)
シアーラインがより明瞭になるということは、当該シアーラインでより一層雲の活動が活発になりやすく、大雨が降りやすいと言うことになりますし、突風や竜巻などにも注意する必要もありますね。
引用図⑤より、3日9時には、前記した、より明瞭になった北東風と北~北西風とのシアーラインが、千葉県北西部から茨城県付近に見られ、このシアーライン周辺で、強い降水域が見られます。(引用図⑤)
このような、シアーラインがより明瞭にあることが原因の関東地方の雨雲の動向ですが、同様な動向は、東北地方太平洋沿岸(関東よりも規模は小さいですが)にも見られます。防災上、看過できないことですね!