今日22日は、大きな移動性高気圧が勢力を西に広げて本州付近を覆う予想で、関東や東海地方では、一見、天気が良さそうに思われましたが、ところが、朝から雲に覆われて、また、天気予報はずれたな!な~んで思われた方も多いのではないでしょうか?
実は、この、関東から東海地方の曇り空(午後から天気が回復して晴れたところがおおくなりましたけどね)は、本州東海上の移動性高気圧の縁を廻るようにして本州に入り込んだ、南よりの暖かく湿った気流が原因です。
この,南よりの暖かく湿った気流が関東平野や東海地方沿岸部の地表付近に発生した冷気とが衝突して局地的な前線を発生させて、雲ができたわけです。
ですので、この雲は、比較的雲自体、背の低いものとなっています。次に紹介する、22日9時の日本付近雲画像図(赤外)※左側と、同じく22日9時の日本付近雲画像図(可視)※右側をご覧いただきましょう。この、関東から東海地方の雲は赤外画像ではあまりはっきり写りませんが、可視画像では、白く輝いて写っているのがわかります。
赤外画像ではっきりしなく、可視画像で白く輝いて写る雲は、雲の背は低いが雲自体厚く密度があることを示すものです。
さらに、一番初めの引用図の天気図をご覧いただきますと、移動性高気圧の中心は、本州の東海上にあり、関東から東海地方にかけては、この移動性高気圧の縁に当たり、等圧線が ハ の字型になっています。
高気圧の縁に当たり、等圧線が ハ の字型になっている場所であれば、本年5月9日の記事で紹介したとおり、その場所は南海上から暖かく湿った気流が特に大量に流れ込んでいる状態であるわけです。このため、この暖かく湿った気流自体今回、関東から東海地方にかけて、雲が発生した(背の低い雲ですが)要因のひとつと言うわけですね。
ただ、今日の場合、この雲は、日中内陸部で気温が上がるのとともに、次第に雲自体活動が弱まり、午後からは各地とも晴れたところが多くなりました。
この雲は、このブログで再三紹介した、沿岸前線と呼ばれるもののひとつです。
が、この沿岸前線、時には発達して、明け方前から午前中にかけて、沿岸部で大雨をもたらすことがあります。
㍻16年6月30日の静岡市周辺の集中豪雨はこのパターンで発生したものですし、本年4月12日の房総半島中央部の局地的大雨もこのような沿岸前線上で発生したものです。