①7月27日14時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
②7月27日14時10分 関東周辺レーダーエコー合成図 気象庁HPより引用
本日7月27日14時頃、群馬県館林市周辺で竜巻と見られる猛烈な突風が吹き、民家の屋根や窓ガラスが破損したりして、10名ほどの方々が怪我をしたというニュースが入ってきました。
引用図②より、27日14時には、館林市がある群馬県南東部付近では、南東風と北西風とが、明瞭な風向のコントラスト(風向のシアー)があります。が、27日12時頃より、群馬県南東部付近を境にして、前橋市や高崎市方面では比較的風速が弱めの西より風が卓越していたのに対し、埼玉県北東部から群馬県南西部、栃木県南西部では南~南西風が続いていて、風向のシアーラインが存在してました。この原因は地形的要因(群馬県は南~南西風が吹きにくく、地形的に南~南西風が澱んでしまうため)でしょうね。
引用図③より、館林市周辺で突風が発生したと見られる時刻付近、館林市が位置する群馬県南東部には、非常に発達したエコー(発達した雨雲)が見られますが、当該発達した雨雲は、前記した、前橋市や高崎市方面と埼玉県北東部から群馬県南西部、栃木県南西部にかけての、風向のシアーラインに伴って発達し、当該雨雲がこのシアーラインに差し掛かった際に、竜巻を引き起こした と言えそうです。(竜巻やダウンバーストの解説は、本ブログの7月20日の記事を参照ください。)
今回のように、地表付近と上空1500m付近より上側の風向がコントラストが大きい時(今回7月27日は、関東平野の地表付近では、おおむね南よりで、風速が弱めでしたが、上空1500m付近より上側では、南西風でおおむね20ノット以上とやや強めでした。)、地表付近の風向のコントラストが大きい箇所(シアーライン)では、突風が発生しやすいものです。
台風が本州に接近時、関東平野で、前記した地表付近と上空1500m付近より上側の風向がコントラストが大きい時に台風の外側にある螺旋系の雨雲(アウターバンド)が、関東平野の、前記した地表付近と上空1500m付近より上側の風向がコントラストが大きい場合、当該台風のアウターバンドが地表付近の風向のコントラストが大きい箇所(シアーライン)に差し掛かる際に、竜巻や突風が実は頻繁に発生しています。
この点看過できないことであると私は思っています。
7時のニュースで、この竜巻知りましたが、気象台さんからは、竜巻の発生も否定できない と、歯切れの悪い返答だったですよね。
もっと、一般の方々に判りやすくかいせしされないんでしょうか?気象台さんは。(苦笑)
気象台(前橋地方気象台でしたっけ?)から、14時15分に群馬県に竜巻注意情報 がでていましたが、竜巻発生の後でしたね。
気象庁の竜巻注意情報って、どういうことを根拠に発表されるんでしょうか?
まったく同感ですね。報道でもされているように、漏斗型の雲を見た方が複数いたり、屋根が千切れるように飛ばされたりするのは、典型的な竜巻に伴う風害を物語っています。
気象台さんも、もう少し定性的に分析されて、一般の方々に判りやすい解説をするべきですないでしょうか?
気象庁の竜巻情報は、Ⅰ・まず、地表付近の風向(水平方向)のシアーの度合いと鉛直方向のシアーの度合いを基準値を設けて、Ⅱ・当該基準値以上になった地域にスーパーセル状のエコーが通過する場合に発表されています。
しかし、スーパーセルの雨雲のみ竜巻を発生させるのではないし、スーパーセルの雨雲が発生している場合、すでに、竜巻が発生してしまっている後のことも多いものですね(今回のように)
自分としては、地表付近の風向(水平方向)のシアーの度合いと鉛直方向のシアーの度合いの基準値以上になったら、スーパーセルまで行かなくても、発達中で、降水強度が40DB以上のエコーがあらわらたら、即座に竜巻注意情報を出すべきだ と考えています。
竜巻等の激しい突風を発生させるには、風向の水平方向と鉛直方向のシアーが顕著な状態の箇所に、発達中の、息の良いバリバリの積乱雲が差し掛かる状態が不可欠だからですね。