カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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冷気と暖気が衝突しやすい関東沿岸

2007-12-11 23:56:08 | インポート

①12月11日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月11日21時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③12月11日21時のアメダス関東周辺気温分布図 気象庁HPより引用

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今回は、前回の記事で紹介した 沿岸前線 発生時に関東地方で発生する気象現象のひとつを紹介します。

前回では、 沿岸前線発生箇所で、雨量がまとまったり、突風や竜巻も発生しやすいと述べましたが、関東沿岸に 沿岸前線 が発生し、大気がさほど不安定でない場合、当該 沿岸前線発生発生周辺の前線を挟んで冷気側の部分(前線を挟んで、冷気と暖気のコントラストが大きい箇所ほど)では、濃霧に見舞われる と言うことも 沿岸前線発生時の局地的に発生する気象現象のひとつとなります。

11日21時には、引用図②③より、沿岸前線は、関東地方周辺では、茨城県沿岸~千葉県北東部沿岸~千葉県南部沿岸を通り、伊豆諸島北部付近にかかっていると推定されます。

この 沿岸前線を挟んで、千葉県から茨城県周辺では、前記した、前線を挟んでの気温のコントラストが大きくなっていますが、この千葉県や茨城県の気象官署では、11日21時現在、湿度が、おおむね 90%以上となっています。(ちなみに東京では60%ですが)

これは、千葉県や茨城県など、関東沿岸(特に東部)の地域が、南海上から暖気が入りやすく、関東内陸の冷気と合い間見え、沿岸前線を発生させて 千葉県や茨城県周辺の地表の冷気を南海上からの暖気が いわば ふたをするような形となり、当該千葉県や茨城県周辺の地表の冷気を澱ませた結果と思われますね。

12月11日現在 千葉県と茨城県には濃霧注意報が出されています。

関東地方沿岸(特に東部)の千葉県や茨城県では、この手の濃霧が発生しやすく、成田空港では、この濃霧に対策するべく、視界0mでも航空機が離着陸可能な設備を備え持っています。(ただ、各航空会社で濃霧時の航空機運行規制が設けられており、実際は視界0mでは航空機の運行はありませんが。)

関東地方沿岸では、

1・低気圧や前線接近時に、関東東海上に高気圧があり、関東南東沖で風向が南分を帯びる場合

2・低気圧や前線が接近していなくても、伊豆諸島で、風向が南分を帯びているが、関東平野内陸部では、北より風となっている場合

関東沿岸部(特に東部の千葉県や茨城県)では、夜間から朝方にかけて、濃霧に注意が必要です。


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