カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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低気圧発達しながら本州南岸を移動 各地で大荒れの天気 低気圧の素性を見極めることが大事です!!

2010-03-09 22:58:01 | インポート

①3月9日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②3月9日9時の気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③3月9日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④3月10日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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3月9日は、低気圧が発達しながら本州の南岸を東北東へ移動してきました。

低気圧が本州付近に接近してくる時は、その低気圧はどういう素性(癖)があるのか?各種専門図や雲画像図等を駆使して、見極めることが大切と私は思いますね。

その低気圧が、発達するのか?大雨(大雪)を降らせるのか?強風をもたらすか?などなど ですよね。

さしあたって、今回の低気圧、引用図②③より、

Ⅰ:500hpaの正渦度極大域が、低気圧の西側にあり、この低気圧との渦管が西方向へ傾いている

Ⅱ:低気圧の中心の進行方向前側方向では上空3000メートル付近の上昇流が顕著であるか、進行方向後面では、逆に下降流が顕著である。

Ⅲ:雲画像を見ると、低気圧の中心付近から北東方向へ大きく お椀をかぶせた形(⌒型)に白く輝く雲が広がっていること・・・・・低気圧の中心付近で暖湿流が大量に上昇して、上空にて雲を形成した結果ですね。

以上、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲより、この低気圧は、間違いなく発達すると見られるでしょう。

このほか、低気圧や低気圧周辺の等圧線の走向・形にも注目!!です。

当該低気圧の進行方向前面で等圧線が ハ の字型になっていたり、高気圧が東~南東方向から張り出している場合は要注意! 当該低気圧に伴う温暖前線の寒気側でも、結構、暖湿流が流れ込みやすく、降水量が多くなります。関東以西の太平洋沿岸部では、件の 沿岸前線が発生・発達し易くなるのはこのパターンであり、当該沿岸前線付近で、局地的大雨や、竜巻、突風等のシビアーが現象を発生させることも多いものですね。

更に、低気圧自体を表現する等圧線の形が、東西方向に楕円状にならず、南北方向に楕円状になっていたり、ほぼ円形上になっている場合は、当該低気圧の中心の上空には寒気を伴っていることが多く、下層には暖湿流が流れ込んで、降水が多くなる傾向にあります。

9日も、関東以西の各地では、まとまった降水(内陸部では大雪)、沿岸部ではあちこちで瞬間で25mを超す強風に舞われました。10日は北日本の太平洋側を中心に大雪、また、全国的に強風が吹き荒れる予想です。今後の気象情報にはくれぐれもご注意を!!