①3月20日18時の天気図 気象庁HPより引用
②3月20日18時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用
③3月20日18時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
④3月21日9時の予想天気図 気象庁HPより引用
3月20日は、低気圧が急速に発達しながら日本海を北東へ進んできました。
日本列島各地では、北海道や九州を除いて、日中は晴れ渡りましたが、全国的に、南~南西風が次第に強まり、日本海側の各地ではフェーン現象も加わって気温が上昇し、島根県の松江など、最高気温が25℃以上となる夏日を観測しています。
低気圧は、21日朝には北海道の北へ進んで台風並に発達する予想です。(引用図④)
このため、私の住んでいる東京渋谷区内でも、20日夜になって風が一層強まり、20日21時16分に、東京23区に暴風・波浪警報が発表されました。
東京23区に暴風警報が発表となったのは、平成21年10月8日の台風18号が中部山岳地域から東北地方を縦断した時以来(山手線など、首都圏のJR各線が一時、軒並み運転ストップしましたよね。)のことですね。
引用図①②③より、日本海には前線を伴なった低気圧がありますが、雲の形が北東方向にお椀をかぶせたような、⌒型に広く広がっていて、低気圧の雲の形自体、勾玉型となりつつあるのが判りますね。こういう雲の形をした低気圧は、低気圧の南から暖湿流が大量に吹き込み、かつ、低気圧の進行方向後側からは、比較的気温の低く乾いた気流が流れこんでいるもので、低気圧自体、急速に発達する兆候のあるものですね。
これから、日本列島各地は、低気圧の進行方向南側、すなわち、低気圧の暖域に入ることになります。気象の教科書などには、低気圧の暖域は、比較的、晴れ間が広がりやすいという記載がありますが、実は、低気圧の暖域は、対流不安定(そのままでは大気は安定しているが、下層で、地形的要因等で、一たび気流が上昇すると、みるみるうちに雲が発達しやすくなる場です。)になっており、降水域の発生・発達には、充分に気をつけるべき箇所であります。
引用図①で、日本海の低気圧に伴う前線とは別に、四国から九州には前線が描かれていますが、これは、低気圧の暖域に吹き込む、下層(上空1500m以下)の暖湿流の中に、南西風と西南西風との風向の不連続な部分に描かれているもので(引用図③の上空1000m付近の風速風速図より)、気流の風向の不連続な部分は、気流同士、収束し上昇することになりますので、対流不安定の場で下層の気流が上昇し、当該前線の箇所で、ひときわ白く輝く雲を形成しています(引用図②)
当該前線の箇所にある、白く輝く雲の下側にあたる、九州や四国の一部では、20日18時現在、所々で1時間に20㎜程度の強い雨が降っています。
低気圧の暖域に吹きつける気流同士が風向の不連続があったり、当該暖域に吹き付ける気流の風向に開いた山の斜面にあたる地域では、降水域が急に発達しやすくなりますから、充分に注意しましょう!
それにしても、これから21日は、日本列島各地で、まさに、春の嵐ですね。皆さん、ご用心!!