カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

西日本の各地で暴風吹き荒れる これから東日本や北日本では大荒れ (追伸)福岡で早々と桜開花

2009-03-13 23:48:38 | インポート

①3月13日21時の天気図 気象庁HPより引用

09031321

②3月13日21時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

20090313210000

③3月13日9時のFXJP854 図(日本付近の上空1500m付近相当温位と風向風速分布図。左上が13日21時 右上が14日9時 左下が14日21時 右下が15日9時の予想です。)日本気象予報士会HPより引用12

④3月14日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

09031309

3月13日は、低気圧が発達しながら日本海に進んできたため、西日本や北陸地方を中心に、あちこちで、暴風が吹き荒れました。

島根県の高津では最大瞬間風速が33・4mを観測したほか、西日本や北陸のあちこち瞬間風速で30mを超す、大人でも吹き飛ばされる大変強い風となりました。

ここで、引用図①と引用図④に注目ですが、日本海で低気圧が発達する時の本州付近の等圧線の走向ですが、Ⅰ・ほぼ東西に等圧線が走るタイプ(本州各地で南西風が卓越)と、Ⅱ南西~北東方向へ等圧線が走るタイプ(本州各地でで南~南西風が卓越)とがあります。

今回は、そうですね。前記Ⅱに入るタイプのものです。

このⅡのタイプは、本州で地形的に鞍部になっている箇所が南西~北東方向のみならず、南から北へ鞍部になっている箇所でも、気流が吹き抜けていきますので、富山平野の神通おろしや、豊後水道や紀伊水道での南より風、さらに、鳥取県等でも風速が増大しやすく、関東地方では、東京多摩地区八王子市周辺でも、静岡県東部から神奈川県丹沢山系の鞍部を吹きぬける南西風と相模川沿いを北上する南より風とが収束しやすく、局地的に相当強い風が吹きやすくなります。

引用図④と引用図③の上側図よりこれから、明日3月14日にかけて、東日本や北日本では地上天気図の等圧線の幅が経度1度につき3hpa   以上となり、上空1500m付近ではおおむね 風速が50ノット~60ノット、一部では70ノット以上と予想され、地表と上空1500m付近の風向もほぼ同一方向になるものと見られますから、前記した、富山平野や紀伊水道は勿論、伊豆諸島や関東沿岸、さらに北日本の各地を中心に、あちこちで暴風警報クラスの風速になると覚悟する必要があります!海上では広範囲でおおしけが予想されますね。

また、ですが、日本海で低気圧が発達する場合、強い降水の区域は、おもに寒冷前線のしぐ前側に位置するものですし、地形的に南~南西に開いた山の斜面にあたる地域では、雨量が多くなるのが通常です。昨日の記事にも紹介しましたように、前記した南~南西に開いた山の斜面にあたる地域では、暖湿流が強制上昇して雨雲(雪雲)を発達させるのみならず、当該、南~南西に開いた山の斜面になっている地域の外縁部でも、暖湿流が収束して、帯状に雨雲(雪雲)を発達させる働きをします。

これから14日にかけて、紀伊水道沿岸や大阪湾周辺地域 さらに三重県伊勢志摩地方や、静岡県周辺から神奈川県西部にかけてと、低気圧が接近する北海道や東北北部の太平洋側を中心に雨量がだいぶ多くなりそうですから、これらの地域では土砂災害や洪水や浸水など。積雪の地域では、なだれや雪解けによる洪水などにも注意が必要です!

(追伸)

福岡で、全国の気象官署(南西諸島除く)のトップを切って、桜開花宣言がありました。

観測史上2番目の早さとのこと。ちなみに、もっとも早く桜が咲いたのは、1959年の潮岬が3月10日でした。

まあ、桜の開花ってのは、冬場が適当に気温が低くて、2月以降、急に気温が上がる年が早く咲きますよね、休眠打破がしっかりするからでしょうけど。