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カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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ポーラーロー日本海を東進。25日は冬型強まり冬に逆戻り。

2005-03-24 23:42:44 | 日記・エッセイ・コラム
200503241524日は、ポーラーロー(寒冷低気圧)が日本海を東進しました。このため、関東以西の各地では不安定な空模様となり、所々で一時的に強い雨や雷が発生しました。また、風も強まり、瞬間で30mを超す台風並の突風が吹いたところもありました。
今後、このポーラーロー(寒冷低気圧)は東北地方を通過して、その後三陸沖に達し、25日は、冬型の気圧配置がだいぶ強まりそうです。上空にも真冬並の非常に強い寒気が流れ込みますので、本州の日本海側では全般的に雪で、所々大雪となる恐れもあります。
なお、24日夜~25日午前中にかけて、このポーラーロー(寒冷低気圧)の通過に伴い、特に新潟県沿岸や山形庄内地方、秋田県沿岸では南西から北西の暴風に警戒。関東地方も千葉県南部や伊豆諸島、東海地方では静岡県沿岸部でも25日は西~南西の風が非常に強まり、瞬間で30mを超すような台風並の風が吹く可能性があります。

※引用図は24日15時の天気図です。(気象庁HPより引用致しました。)



関東平野は、ぽっかりと雨雲の切れ間

2005-03-17 20:26:25 | 日記・エッセイ・コラム
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17日は、低気圧が発達しながら日本海を北東に進んだため、ほぼ全国的に天気が愚図ついてしまいました。
特に、本州南岸では、雨量がまとまった地域もありました。

関東地方も、低気圧に伴う温暖前線が通過した昼前から昼過ぎを中心に広範囲で一時雨が降りましたが、温暖前線の南側に入ると、すぐに雨は止んだ所が多くなりました。

ところが、関東に隣接する、東海地方や北陸地方など、全般的に雨で、雨脚が強まっている所もあるようです。

引用図の左側の、全国の雨が降っている様子をごらんいただきましょう。関東平野だけ、ぽっかりと雨が降っていない地域が広がっていますね。これに対して、関東地方でも神奈川県箱根周辺、それに中部地方では、雨が降っていて、一部でやや雨脚が強まっています。

このように、関東平野と周辺地域での雨の降り方のコントラストが大きくなることは、実はそんなに珍しいことではありません。
17日のように、低気圧が日本海を東進して、関東以西の各地が、当該低気圧の南側に入って、各地とも南から南西の風が吹くときに、関東平野と周辺地域での雨の降り方のコントラストが大きくなります。

その訳は、関東平野を取り巻く地形のためです。

まず、関東以西の各地が、当該低気圧の南側に入って、各地とも南から南西の風が吹くときには、本州の山脈で風が上昇して雲を発生発達させて、東海地方など、山脈が南に開いた地域でまとまった量の雨を降らせることが多くなります。

一方、東海地方の東側に隣接する関東平野には、北~西側をせる山脈で囲まれて(特に西側の山脈が東海地方にまとまった量の雨を降らせるものです。)いますね。東海地方に雨を降らせた風が、関東平野には山脈から吹き降りる形になります。
山脈から風が吹き降りるようになるとは、雲は逆に発生発達しにくくなるため。このような雨の降り方のコントラストが現れるわけです。

低気圧が日本海を東進して、関東平野の沿岸部が全般的に南~南西風となるときは、関東平野は前記した理由で、雨が振りにくく、箱根や静岡あたりが土砂降りの雨となっても、雲の切れ間から青空がのぞくこともあります。

ところが、低気圧が日本海を東進してきても、関東の南部沿岸部でみ南~南西の風入っても北関東や内陸部まで吹かずに、気温の低い北東~東よりの風が吹くときは、、関東平野の内陸部では気温が低い状態が持続し、関東平野沿岸部に局地的な前線が発生して、関東平野各地でも雨となり、茨城県の南部から千葉県、東京23区や多摩東部地域、それに神奈川県を中心にまとまった雨量となってしまうことがあります。

※引用図は17日15時の天気図と、17日15時の関東甲信越方面のレーダーアメダス合成図です。(双方とも気象庁HPより引用いたしました。)


天気図には現れない今日の悪天域。天気を読むには衛星画像図も重要。

2005-03-15 23:27:51 | 日記・エッセイ・コラム
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15日は、天気図を見ると、日本の東海上にある高気圧が本州付近に張出して、関東以西の各地では、一見、天気が良いように見えますが、実際には、雲に覆われたところが多く、弱い雨や雪がちらついた所もあったようです。
まさに、関東以西の今日の悪天は、低気圧や、前線などで表現されていません。

ところが、気象庁や民間の気象関係の方々が天気予報を出す際に見る専門天気図や気象衛星画像より、本州付近の気流の立体的な情況を調べると、ちゃんと、その痕跡が現れています。今日の、この悪天域は、上空の気圧の谷に伴うもので、気象衛星画像上では、大きな雲のかたまりが現れています。この雲の塊が、上空の気圧の谷の東進にともない、西から東に本州上を移動したためです。
今日のように、天気図上に低気圧や前線が現れていないからといって、好天を予測するのは早計というもの。昨今の天気予報番組や、新聞やインターネットの天気予報のコーナーには、気象衛星画像の雲の様子がありますので、気象衛星画像にも気を配って下さい。

さらに、気象衛星画像では、、天気を崩す低気圧や前線が発達の度合いを見極める事も可能です。

ちなみに、天気図上に低気圧が表現されていて、その低気圧が小さいものであっても、気象衛星画像上で、その低気圧の北側前方に向かって、お椀を逆さまにした雲が大きく広がっている場合は、その低気圧は、確実に発達するとみて良いでしょう。天気図の前線上で、気象衛星画像では白く輝いている場合は、その前線上の雲は発達している証拠です。そして、そのような白く輝いている雲が一定の場所に停滞してあり、南海上からその地域周辺に向かって刷毛で書いたような形の雲が合流していれば、当該雲が停滞している地域には、集中豪雨の発生を懸念する必要があります。

※引用図は15日15時の天気図と気象衛星画像です。(気象庁HPより引用致しました。)



11日は低気圧通過で三宅島に大雨警報。12日は再び西日本から真冬に逆戻り。

2005-03-11 23:56:44 | 日記・エッセイ・コラム
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11日は低気圧の通過に伴って、三宅島では夕方から激しい雨となり大雨警報も発表されました。
三宅島阿古で112ミリ 三宅島坪田で89・5ミリの降水量を観測しました。
ただ、全国的に、南からの暖かい空気が入りこんだため、雨が降った関東地方でも、各地で最高気温が12~13℃と、天気のわりには気温が高い1日でしたね。こんな時は霧は発生し易く、関東地方の各地では、11日夜から各地で濃霧となっています。
この濃霧は12日朝の内まで続きそうで、交通機関の乱れが心配です。

ところが、またまた、本州付近に、真冬並の強い寒気が近ずいています。今回の寒気は、西日本から入りこんでくる模様で、
西日本では、平野でも、積雪となりそうです。
全国的にも冬型が強まり、各地で風が強まります。寒気の流れ込みが遅い関東では、雨上がりで気温が上がる分花粉の飛散量が、ぐ~んと増えそう。
関東の花粉症の皆さん。12日は地獄ですよ。あ~いやだいやだ。

※引用図は11日18時の天気図と関東甲信のレーダーエコー図です。気象庁HPより引用致しました。




8日は静岡で20・6℃ 関東以西は春の陽気。北海道は風雪強い。

2005-03-09 00:10:33 | 日記・エッセイ・コラム
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8日は 静岡県静岡市で最高気温20・6℃を観測して、関東以西の各地ではまさに、春の陽気となりました。
が、その一方で、北海道では風雪が強まり、一部に暴風雪警報も発表されました。
北と南との気温のコントラストが大きな1日ではありましたね。

さて、8日の天気図のように、北海道の北に低気圧があり、一方、西日本の南海上が高気圧があって、本州上は、東西に等圧線が走り、東京の気圧より、大阪の気圧の方か大きくなる気圧配置になると、関東以西の太平洋側では気温が上昇するようになります。このような気圧配置の場合は関東平野や山梨県甲府盆地や大月付近、それに、静岡静岡市付近では特に気温が上がるものです。夏季にこのような気圧配置となれば、軒並み35℃を超える酷暑となってしまうものです。

この原因は、このような気圧配置の時は西より風が、中部山岳を越える際に、山越えの気流となってフェーン現象を起こす為ですね。特に静岡市では、すぐ西側に山地があり、その山地を気流が越える際にフェーン現象もてつだって、更に気温が上がってしまうわけです。

さらに、意外かと思われますが、このような気圧配置の場合、ある程度、等圧線が混んで、海岸部を中心に西~南西風がやや強まる場合の方が気温が上昇するものです。西~南西風が弱いと、日中、海からの風が吹きつけて、気温の上昇が緩んでしまうためですね。

でも、静岡県西部は別で、前記した気圧配置で、静岡市付近で日中、海風が入り込む場合の方が気温が上昇します。

※引用図は8日12時の天気図(気象庁HPより引用しました。)