ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

20㎏オーバー(平ヶ岳:3)

2009年10月14日 22時34分04秒 | Weblog
とてもじゃないが、煙草さえも吸う気になれなかった。
こんなにも自分の体力が落ちていたとは、情けないを通り越し言葉にならなかった。
そして、こまめに休憩を何本も取ることに対し、同僚のO氏には本当に申し訳ない思いだった。

ほんの数メートルだけのなだらかな登りが心底ありがたい。周りの景色を見る余裕ができる。見上げれば山の上部はまだ雲がかかっていた。左手の遥か彼方には、わずかながら「燧ヶ岳」のトップが見える。
「今日の天候は大丈夫なはずだ」・・・なんて考える余裕のない登りが再び続く。
そしてまた一本休憩をする。
しばらくはこの繰り返しだった。
とりあえずの目標は「下台倉山」なのだが、予定の時刻をオーバーしてしまっている。
わかってはいる。わかってはいるのだが、ザックの重量が悔しいほどに体に堪えるのだ。
O氏には言えなかったが、実はこの時点ですでに持病の左膝半月板損傷の痛みがかなり来ていた。
そしてその痛みを無視するように登り続けたことで、この後太ももが悲鳴をあげることになってしまった。

こうして綴っているとつらいことばかりのようだが、決してそうではなかった。
確か標高1200メートルあたりだったろうか、なんと足下に「蝮」を発見したのだ。
普段であれば「おっ、やばい。危ない危ない。」と感じるところだが、この疲労困憊状態、その蝮さえも「癒し」に感じる不思議さがあった。
相当まいっていたんだろうなぁ(笑)。
また、登ってきたルートを振り返れば、「ずいぶんと来たんだなぁ」と思えることもあった。(実際にはそれほどでもなかったのだが)

急勾配をヒーヒー言って登りながら考えていたことを思い出した。
「今夜は目一杯飯を食って、行動食も最低限の物だけを残してみんな食ってやる。燃料も残さなくてもいいや。少しでもザックの重量を軽くしてやるぞ!」
楽なことを考えなけりゃやっていけそうもない。そんな登りだった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿