ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

開校記念祭 「真剣勝負」

2014年04月21日 22時40分53秒 | Weblog
さて、久々に防大の思い出を綴りたい。

観閲式の行進に続いて、待ちに待った「棒倒し」が間もなく始まる。
この棒倒し、防大生が最も力を入れて練習に汗を流しているイベントらしい。
綿密な作戦を練り、時に敵情視察として他の大隊にスパイを送り込む。
「攻」と「防」とに分けた一つのチーム(大隊)が、どれだけ作戦通りのバトルを展開できるかがキーポイントになっている。
また、状況に応じた臨機応変さも重要で、瞬時の判断と機敏な動きが勝敗を左右することもあるらしい。


手前の緑が第三大隊で、奥の青が第二大隊。
自分はごく自然に「青」の第二大隊を応援した。

丸太のてっぺんに乗っている者だけは足(蹴り)を使って防御することが許されている。
勝敗の決着は、一定時間内に丸太を30°以上傾けられれば「攻」の勝利となる。

開始前には、各大隊がオリジナリティー溢れる気合いの雄叫びを上げる。
これがまたおもしろい。
後日「YouTube」でも見たが、何度見ても笑ってしまった。


いざ始まれば、見ている観客も手に汗握る熱い戦いだ。
まさかこれほどのバトルになるとは・・・予想以上の熱い戦いだ。
よく見れば、固まりの外では一対一の取っ組み合いも。
決められたルール内での戦いなのだが、どう見ても喧嘩にしか見えなかった(笑)


これは青の第二大隊が優勢に攻めているところ。
一人の学生が、丸太の先端をつかみ、足を伸ばしている。
その足を同じ大隊の学生達がつかみ引っ張ることで棒を傾けようとしてる。

周囲にはもちろん数名の審判がおり、どの角度からでもジャッジが下せるようになっている。
そして、一般の棒倒しと決定的に違っているのは「救護班」がすぐ傍で待機していると言うこと。
運動会などでの棒倒しであれば、本部席の隣に保健室の教員が座っている程度だろうが、この時は即座に担架を移動できるように体勢を整えていた。
戦うも、ジャッジを下すも、傷の手当てをするも真剣そのものだった。

決勝に進んだのは「赤」の第一大隊と「青」の第二大隊だったが、優勝は第一大隊のものとなった。
う~ん、ちょっと残念!
それでも戦いが終わってみれば、勝者にも敗者にも等しく拍手をおくることができるほど感動的だった。

棒倒しが終わり、最後に学生舎の内部を見学した。
たまたま入ったのが青の第二大隊学生舎であった。
すると中庭ではボロボロになった白いシャツの学生達が集まっており、その中のリーダーとおぼしき学生が大声で叫んでいた。

よく話を聞いてみると、どうやら優勝できなかったことに対する謝罪の言葉だった。
最後は涙まじりの言葉となり、他の学生達もその殆どが泣いている。
しらけた若者の多いこの時代、これだけ真剣に熱くなれることが素晴らしい。
周りからどのように思われても、たかが棒倒しと言われても、二度と無い学生時代を、青春時代を謳歌してほしい。

初めて訪れた防衛大学校。
是非次回も防大生達の真摯さと熱さに触れたいと思う。