いよいよ妻にとって念願の雪の大谷ウォークへと向かった。
自分は立山縦走へと向かうバスの車窓からであれば何度か見たことはあったが、この区間を歩くのは初めてである。
一旦ターミナルへと戻りバスの駐車場へと出た。
空を見上げる。
青い・・・
今日だけはほぼ快晴とのことで、ラッキーなことだと思った。
ここから見る限りでは混雑しているようには見えないが、この先果たして・・・と思う。
路面に残雪は無いことと乾いていたこともあり軽アイゼンは不要だった。
そう言えば室堂平をアイゼンを装着して歩くときに妻に歩行テクを教えるのを忘れてしまったことを思い出した。
まぁミクリガ温泉へ行くときに改めて言えばいいだろう。
自分たちの目の前を大きなザックを背負って歩いているグループがいた。
これから雷鳥平キャンプ場へ向かうか下山するかの一行であろうことは容易に推測できた。
「いいなぁ・・・」という言葉が思わず口に出てしまった。
まだそれほど混雑していないこともあり、写真を撮った。
題して「雪壁へのべた付き」
この程度の雪壁は特に珍しくもないが、妻にとっては感動ものだろう。
少し歩くと雪壁が削られ開けたポイントが右手にあった。
「おぉ~剱が見えるじゃないか!」
「復路でちょっと寄ってみたい。」と言ったが、要は剱を少しでも近くで見たいだけのことだ。
奥へと進むにつれ壁の高さが増してきているのがよくわかった。
同時に人も増えてきている。
垂直に削られている部分だけでも高さは十分に伝わってくるのだが、よく見れば更にその上にこれでもかという雪壁が目視できた。
しかしおそらくは全てが雪では無く、雪が溶けてくれば岩肌のような物が見えてくるのだろう。
それでも冬季は絶対に人を寄せ付けることの無い、一が入ることのできない豪雪地帯であることを改めて感じた。
言い方は悪いが、それを逆手にとって観光として利用している訳になる。
夏の緑と青い空とのコントラストもいいが、やはり青い空には白い雪がよく似合っている。
あぁ~やっぱり登りたい!
美女平方面からバスが来た。
これはチャンスだ。
壁との比較対象物があればその高さがよく分かる。
ちょうど雪壁の最高地点ということもあり、その高さに改めて凄さを感じた。
今年は昨年より2mほど高い16mということだが、優にバス2台分以上の高さだとういう事が分かる。
それにしても最高地点ということもあり最も人で溢れかえっている。
一緒に写真を撮りたいが、誰にシャッターをお願いすればいいのか迷った。
三脚は持ってきているが、あまり時間をかけたくはないし・・・。
周囲の人の顔を見れば日本人に見えても聞こえてくるのはけたたましい中国語ばかり。
本音を言えば「ここは日本なのに・・・」と思っていた。
はて、どうしたものかと考えていると、自分たちのすぐ後ろに並んでいる女性から声がかかった。
「あの~すみませんが私の番が来たらシャッターをお願いしてもいいですか・・・」
頼まれ事だがこれは逆に助かったと思った。
「はい、もちろんです。じゃぁ私たちの時もお願いしていいですか。」
ということでお互いウィンウィンとなった。
「お二人の声が日本語だったのでちょっと安心したんです。良かったです。(笑)」
「いや、自分たちも同じですよ。(笑)」
デジカメとスマホでたくさん撮っていただいた。感謝である。
確かに実際にここを歩きその高さに驚き感動はする。
だが、どうしても所詮は人工的に造られた構造物の様な感じがしてならない。
そのことを口に出すことはしなかったが、少しでも近くで剱が見たくて仕方が無かった。