映画「スポットライト/世紀のスクープ」

2016年05月11日 00時05分00秒 | 映画・DVD


5月9日、「桜坂劇場」で、映画を観る。

作品は、2016年88回アカデミー賞「作品賞」「脚本賞」受賞の「スポットライト/世紀のスクープ」

桜坂劇場では、珍しい(快挙!)「アカデミー賞作品」の封切映画です。

2001年、米国東部ボストンの、「ボストン・グローブ紙」、特集記事(スポットライト)を担当する記者4人のジャーナリスト魂とタブーに踏み込んだ緊迫のドラマです。

昔、ニクソン大統領を退陣に追い込んだ「ウォータゲート事件」をテーマにした、「大統領の陰謀」を彷彿させる。

今回のテーマは、「カトリック教会神父の性的虐待」です。

地元紙にとって読者の53%が、カトリック信者という状況下で、絶対権力の教会の悪事を告発する暴挙と、この事実をどう記事出来るか・・・。

簡単に、この事実を葬り去られないように、過去に例があっただけに記者達は、慎重に事実を積み上げて行く・・・。

発表直前に、「9.11テロ」が発生し、記事のストップがかかり、記事が書けない状況になり、記者達に焦りが・・・。

チームの崩壊の危機や地域からの圧力に、家族崩壊の危機などが重なり合う・・・。

以前、この事件を軽く扱ったチーフも悔やんでいる・・・。

そんな時、新任で地元にしがらみがない局長が、「私達は、暗闇の中を手探りで、歩いている。そんな時、そこにスポットライトが射した時、初めてそれが事実だと解る」の言葉に、チームメンバーが息を吹き返す。

俳優、一人ひとりの立場や個性が、丁寧に描かれている作品だ。

「マスゴミ」と言われる低レベル日本のマスコミと比較して、15年前のアメリカのジャーナリスト達が凄く輝いていていた。

日本の新聞記者全員に、この映画を観て反省してもらいたいと思った映画でした。

【評価】★★★★★
※この映画は、2003年「ピューリッツァー賞」を公益報道部門で受賞した『ボストン・グローブ』紙の報道に基づき、米国の新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙「スポットライトチーム」による、ボストンとその周辺地域で蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描いた実話である(ウィキペディア)。