▲<沖縄キリスト教学院大学SHALOM館で行われた最終講義には、たくさんの人が参加した>
2月25日の14時~16時まで、沖縄キリスト教学院大学で、大城武<オオシロヨシタケ>さん(沖縄キリスト教学院大学人文学部教授、意味論、社会心理学)の最終講義があった。
講義内容は、大城教授がライフワークにしている「マンガのセマンティックス」でした。
※「セマンティックス(semantics)」=【意味論】(Weblio辞書より)。
▲<パワーポイントを活用して、貴重な文献を紹介しながらの講義。画面は、文久2年(1862年)ワーグマンの「ジャパン・パンチ」を紹介>
私も、15~20歳まで「漫画家」を目指していたので、23日の「喜業会」で島袋さんから聞き、一般の人も聴講出来るとの事だったので、飛入り参加をさせて頂いた。
▲<「漫画観」の変遷を解説>
▲<初めて「吹き出し」を使った「ジャパン・パンチ」>
▲<つげ義春の作品で「漫画コマ」の構成要素を分析>
▲<背景による表現効果>
▲<描き文字による表現効果の色々>
▲<初期の手塚治漫画で、すでに映画手法が使われている>
▲<「藤子不二雄」作品の異界から来たヒーローとこちら側の者と対人価値志向性分類>
▲<楽しく講義を進める大城教授>
以下、内容の要約です(18項目の一部)。
①日本近代の「漫画」の創始とその展開
②「漫画」観の変遷
③「漫画」という話のセマンティックス
④「漫画」の表記の違いによる「感じ」の違い
⑤この「漫画」は、どの「漫画」か?
⑥コマ割りの発明
⑦吹き出しの発明
⑧「漫画」の49個の感情調
⑨「漫画」の理論(仮説と定義)
⑩記号の4項構造モデル
⑪「漫画」のコマの構成要素
⑫「漫画」の面白さの要素
⑬藤子不二雄作品の異界者
⑭ドラえもんの社会関係
⑮日本アニメーションの先駆者「下川凹天」
以上、約80分の講義であったが、江戸時代の「漫画絵」~「ドラえもん」まで、見事に「漫画」の分析を講義された。また、学生を使った調査や学生の卒論「ボイス・イメージ」の調査などを加えた考察に、アカデミックさを感じた。
▲<熱心に聴き入る参加者>
▲<「コブラ」の4人のキャラクターのボイス・イメージについての考察>
▲<たくさんの花を受け取る大城教授。お疲れさまでした!>
講義の締めくくりの言葉、『漫画研究は、まだ道半ばである』通り、元気でこれからも研究を続けて行かれて下さい。