「フェア・ゲーム」を観た。

2012年02月17日 00時05分00秒 | 沖縄の生活

▲<ナオミ・ワッツ×ショーン・ペンが演じるイラク戦争の真実とは?>

ブッシュ政権最大のスキャンダル、「ブレイム事件」の映画化。ブッシュ政権時のホワイトハウスとCIAが、一人のCIA情報部員を「情報漏えい事件」として葬ろうとした。

2001年9月11日、世界を震撼させた同時多発テロは、当時の政権をイラクに戦争をする方向へ急速に傾き、イラク政権が大量破壊兵器を密かに保有し、世界にテロを輸出する「悪の枢軸」の一つだと世間を動かしながら、攻撃準備を進めていた。しかし、潜入捜査をしていたCIAの秘密情報部員のヴァレリー・ブレイムは、イラクに核兵器開発計画がない事を突き止める。同時に、ヴァレリーの夫で元ニジェール大使(ショー・ペン)のジョー・ウィルソンも、国務省の依頼で、アフリカ・ニジェールで調査するが、イラク政府がウラン購入を買い付けていた事実は無いとの結論に達する。しかし、ブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視し、イラクへ宣戦布告をする。



その後、ジョーは、NYタイムズに「イラク戦争の真実」を寄稿する。その後、ワシントンのマスコミは、ヴァレーリー(ナオミ・ワッツ)がCIAの秘密情報部員だったと報じる。情報漏洩元は、チェイニー副大統領の首席補佐官だった。
身分を剥奪され、世間から好奇の目に晒され、家族や各国に散らばる協力者にも危機が及ぶ。メディアに出て自身の正義を論じる夫と、沈黙を貫くヴァレリー。家庭も崩れ落ちそうになる。しかし、大切なものは何か?守るべきものは何か?に気づき、自らの名誉と家族を守るために、巨大な国家に闘いを挑んだ・・・。



映画の最後に、実際に裁判所で証言する本人のフィルムが数分流れ、アメリカの正義とは何かをみせる骨太の映画だった。9.11以降のアメリカは当時からも異常だった。イラク侵攻も焦っていたのは見え見えだった。「そうだったのか!」を解らせてくれた映画だった。



原作本「フェア・ゲーム」<ブックマン社刊>の上杉隆氏推薦文⇒「フェア・ゲーム」時代の米国よりも、アンフェアな洗脳国家になりつつある日本で生き抜くために必要なものは何か?3・11後を生きる日本人にとって必須のガイドブックになるに違いない。

※その昔、沖縄返還時の「密約問題」時、首相に噛みついた毎日新聞の記者を男女問題のスキャンダルで失脚させた。この時に、当時の日本マスコミや司法が、この映画のようなレベルの高さであれば、沖縄問題も少しは変わっていただろうと観た後に感じた。