有吉佐和子を初めて読んだのはちょうど半年ほど前の『和宮様御留』
さすがにすごい筆力の人だと感銘を受けながらじっくり時間をかけて読んだ。
そして次に手に取ったのがこの本。
うってかわって現代(といっても親世代)の、
だけどオートクチュールという一般人には別世界感のある業界に身を投じた若い女性の成長の物語。
想像するに。僭越ながら。
マジメな書きものをするときの言葉のリズム感とか組立ロジックのようなところに、
何か相通ずるものがあるのでは。
昭和から平成を生きる者とは一時代ズレがあって本当なら読みづらいはずだけど、
言葉遣いの端々に心地よさを感じながら一気に読んでしまった。
人より読むのが遅いヒイラギには珍しく。
新装版文庫本の巻末には森英恵さんのあとがきがついている。
現実のオートクチュール界ではあり得ない、と書かれているこの本のドラマだけれど、
現実を知る専門すら惹き込んで面白く読ませてしまう。
すごいなあ。
次はいよいよ、かの有名な『複合汚染』を読んでみようか。
気楽な読み物でリラックスしたい年末年始が過ぎてから。
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