東京→京都

約三年ぶりの帰省で、東京駅から新幹線に乗った。
いわゆる“帰省ラッシュ”にまともにぶつかっての帰省は、
もう何年ぶりか分からないぐらい久しぶり。
そいでもって、たぶん最後の、学割料金での帰省。

駅構内の新幹線口の周りが異様な混雑だった割には、
自由席に乗ろうという長蛇の列は、さっと見回した限り見えなかった。
今日ここにいる人のほとんどは、全席指定ののぞみに乗るってことかな。

ホームの待合室も次々に席が空いていくので、
5分も待たずに椅子に腰を下ろして、小1時間のんびりと列車を待った。
しばらくして隣の席に父娘の二人連れが座った。
お父さんのほうは2時間ドラマでよく見かける俳優さんだった。

列車に乗り込んで、コーヒーを飲みながら博士論文の英訳作業。
英語にしようとしてみて、自分の書く文章の長さにあらためて気づく。
単純な構文では一文を一文に訳せない。
先生から「読みにくいけどよく書けてる」と言われたのはこれだな、と、
しばし脳みそをしぼって考える。

すっかり集中力が切れたころ、名古屋を通過。
車窓からの景色を眺めながら、ぼんやり考え事をしていると、
名古屋から京都までは案外すぐの距離。

そういえば、のぞみはスピードアップしててダイヤ増発が可能、って、
少し前にニュースになっていた。
そんなに広くないこの国は、ますます狭くなろうとしている気がして、
もうちょっとのんびりしてもいいんじゃないかと、
久しぶりの底冷えを味わいつつ思う。



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