東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

美しき愚かものたちのタブロー

2020年05月03日 22時06分36秒 | 

 今読んでいる、原田マハさんの小説です。いわゆる「史実に基づいたフィクション」で、登場人物は名前は変えてあったりするものの、実在の方々ばかり。吉田茂と松方幸次郎がその筆頭にあたります。「日本に本格的な美術館を作りたい」と絵画収集に尽力した松方と、そのコレクションを守り、戦後日本に取り戻すべく奔走した人々の奮闘が描かれています。

 小説だからと言ってしまえばそれまでですが、昔の人の生き方の、何と魅力的なことか。度量の大きさは、悔しさを胸に刻み、そこから目をそらさず糧にした経験があるからなのかもしれません。

 当たり前だった美術鑑賞が、今は急に叶わなくなっておりますが、当たり前にしてくれた先人の努力に、本を読みつつこの機会に感謝するのも良いのではないでしょうか。再び芸術に浸れる環境が取り戻せることを願いつつ。

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