浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

境地

2009年08月08日 | 福祉

高齢者福祉の現場にいると様々な高齢者と出会います。そのうちの一人にこんな方がいます。

明治生まれで、もう100歳になろうかというその女性は認知症のため、同じような話を何度も繰り返します。それこそ、自宅から施設までの車の中で何十回も。

僕はそれを聞きながら相槌を打つのですが、嫌な思いをしたことがありません。

なぜなら、彼女は絶対に人の悪口を言わないのです。息子を褒め、嫁を褒め、施設の職員を褒め、僕まで褒めてくれるのです。

辛い思いもたくさんしているだろうに、彼女が悪口を言ったのを聞いたことがありません。

あの姿こそが悟りの境地なのかもしれません。


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2 コメント

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そうなんですよね (つくし)
2009-08-08 21:59:52
そうなんですよね
ありがとうございます。すみません。
いつもありがとうと認知症があっても
感謝の気持ちを常に表し人の悪口を
絶対言わないんですよね。
何度も同じ話をしていて私は平気で聞けるのですが
また同じ話をしょうる。。何回同じこと言っとんね
と横から他の人に言われると正直何で聞き手に
なってあげられることができないんだろうと
悲しく思います。
昔の方は辛い戦争の時代を過ごしてきたからか
小さな事でもとても感謝してくれます。
年をとっても自分もそのような人になれたらと
思います。


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>つくしさんへ (はまとこ)
2009-08-12 18:24:20
>つくしさんへ
僕も年をとった時に不満や悪口を言わない人間になりたいなぁと思います。
なかなか難しいことですけどね。
返信する

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