浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

憤り

2006年04月01日 | 福祉

僕が勤めている職場は介護保険法で分類されるところの介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)になります。介護保険の認定を受け、介護が必要と判断された人が様々な事由で入所されています。

世間では「終の棲家」と呼ばれることが多いですが、実際のところ病院ではないため、医師が常駐している特別養護老人ホームは少なく、最期の看取りまで行なっているところは少ないと思います。ただ、この4月からの介護保険改定で「看取り加算」なるものが創設されたので、今後は増えるかもしれませんが・・・。

さて、それでは施設で介護できない状態(医師の管理による医療行為が常時必要な状態)になった人はどうするかというと、協力病院などの医療施設に入院します。ただ、病状が回復して再び施設に入所できることも考えられますので、原則として3ヶ月間は部屋を空けて待つこととなります。(これは法で決められています)。そして、僕のいる施設では、それ以上の入院になる場合は一旦退所という形をとるようになります。但し、状態が回復して、再入所が可能であれば、優先順位1番という形で退所者があった場合の優先入所を約束するようにしています。

前置きが長くなりましたが、昨日長期入院していた人が退院して施設に帰ってきました。その方はあと1週間ほどで入院してから3ヶ月が経つところでした。帰ってきた状態を見ると、とても回復しているとは言い難い状態で、案の定、今日再入院することとなりました。

病院に送っていったときに、病院の医師や看護師が「あ~、やっぱり」という態度を見せました。そういえば、病院からしきりに「期限はいつですか?」と問い合わせがありました。

本当はまだ治療が必要な状態であるにも関わらず、3ヶ月経つ前に一旦施設に戻ったという既成事実を作るためだけに退院させられたのだと分かりました。

信じられません!人の命を何だと思っているのでしょう。その方は病院に着くまでの間、とても苦しそうでした。今度こそ、本当に元気になって帰ってきて欲しいと願わずにいられません。