らんかみち

童話から老話まで

他人の土地に勝手に植えるやつがいる

2009年07月31日 | 暮らしの落とし穴
 梅雨の幕間に空き地でヒョイと芽を出した草があって、カンナという花が咲くんだろうと思いました。
 ところが近所のご婦人が「奇妙な草が生えてるのよ、いったい何でしょうね、気味が悪い」とおっしゃる。カンナだろうというと、似てはいるが違うとおっしゃる。見ようによってはバナナにも思え、妙な期待をしながら「インターネットで調べてみます」と答えました。

「夏の草花」とか「夏の雑草」といったキーワードで検索をかけたらたくさんヒットすると思ったし実際そうだったんですが、類似のものを見つけるのは困難でした。
 もしも画像を入力して検索できるようにWEBが進化したなら簡単でしょうが、現段階では専門家に質問するか、図書館にでも行って植物図鑑を片っ端からめくるしか手はないように思います。

 わざわざそんな苦労をするほどのことでもなし、諦めよう思ったそのときでした。モニターにポップアップが立ち上がり、「ウコンの力」という広告を表示するじゃないですか。
 無料のセキュリティソフトを使っているので、30分に一回くらいの頻度で広告を見せられるのです。いつもだったらすぐさま×をクリックして消すんですが、駄目元で「ウコン」で画像検索すると……これだあ!
 しかしカンナとの違いはぼくには分かりません。それもそのはず、どちらもショウガ目の草だそうです。
 ならどっちだってええんじゃないか、とご婦人を安心させてあげようと思ったものの、なぜそんなものが? というのも、種が落ちて勝手に生えるのではなく、球根で増える草らしいのです。

 もしも誰かがこっそり球根を植えたとなると、あの草がカンナだろうがウコンだろうが、そちらの方が問題じゃないのか?
 報告するのはやめにして、空き地とはいえ他人の土地に勝手に草を植えるようなやつ、この村の住人に……と犯人探しを始め、しばらくするとまた、
「ウコンの力」
とポップアップが出て、じゃあウコンの力にはどんな効能があるの、とクリックしてみれば、「夜のおつきあいが多い方の健康維持に最適です」なんだとか。
 夜のおつきあいってどういいう意味か分かりませんが、「飲んだ次の朝スッキリ目覚められます」とも書いてます。まるで「酒を飲んだ翌朝」をほのめかすような能書きですが、主語、述語の関係があやふやで、「ウコンの力を飲んだ翌朝」とも解釈できそうです。

 まったくぅ、ええ加減なこと書きよってからに、酒飲みに効くならこのオレがとっくに…・・・と、ここまで考えてから、オレが自分でウコンを植えた、いや捨てたんだ! と思い出しました。いまは非常に恥じ入っておりますが、なぜこんなことになったのかは、いずれまた……。そんなことよりあのご婦人、ぼくが犯人であることをつきとめた上で? あぁ怖っ!

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