らんかみち

童話から老話まで

ウナギを食いつつ、官僚ファシズムを憂う

2010年07月28日 | 暮らしの落とし穴
 土用の丑の日も過ぎたというのに、近所に住む叔母から「江戸時代にウナギを食え、言うた人だれじゃったかいの」と、朝っぱらから電話がありました。
「もしかして、平賀源内のことを……」
「おお、それじゃそれじゃ。ほしたら、ウナギを食うな、言うたのはだれじゃったかい」
「ひょっとして、貝原益軒の食い合わせのことを……」
「おお、それじゃそれじゃ。うっかりして丑の日にウナギを食べ損ねたんよ」

 叔母ってのは、ぼくの上の姉とはまた違うタイプで半分宇宙人みたいな、半宇人とでも呼びたくなる人です。たとえば叔母の亭主は囲碁のアマチュア強豪で、囲碁仲間などから指導に招かれることが良くありますが、家に戻るなり叔母は「碁打ちや将棋指しは親の死に目に会えん言うぞん。碁もええ加減にしとかにゃ、プリプリ」と説教を始めるんです。
 勝負の世界に生きる者の宿命をなじったところで、叔父さんは100歳を目前にしてるんだから、今更親の死に目とかって言われても……。
 
 子どもの頃から知っているぼくなればこそ叔母の言いたいことを理解できるけど、世間様と会話が成立しているのかどうか。 
「ウナギを食べ損ねたけん、買いに連れて行ってくれるかん」
 歌詠みが趣味なので、ウナギを食べた歌でも詠みたいんだろうと思うけど、何年ウナギを食べても想像で歌はできないんでしょうかね。うるさいのでスーパーに連れて行きましたが、実はぼくもウナギを食べ損なっていたのです。
 がしかし、うわっ高ぁ~! ウナギを食べ損なった者の足元を見たような値が付いている。いや、好物でもないので滅多に買わないから値段を知らないだけかも分かりませんね。結局、中国産の尻尾の部分を買ったに過ぎません。

 思うに、貝原益軒先生の頃に銀杏とウナギを食べる人がいたかどうか知りませんが、今の時代ならウナギも銀杏も冷凍できるんだから「食べ合わせセット」と銘打って、ウナギのパックに銀杏を4、5個ほどオマケしてくれたら、ぼくは喜んで高いウナギを買いますよ、銀杏が好物なんで。
 
 吉野屋が牛丼を110円も値下げしたとか。デフレって嬉しいなって思う反面、こんなに安くなって大丈夫なんだろうかって思うのも事実。ついこの前まで中国の給与水準が低かった気がするけど、今じゃ中国資本や韓国資本に日本が買われている状態じゃないですか。
 中国産のウナギを買って喜んでいるうちに、やがて日本全土が中国の一部になってしまうような懸念を禁じ得ません。ああこれも、みんなの党の渡辺代表が言う「官僚ファシズム」の負の一端だろうか。
 

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