らんかみち

童話から老話まで

原発村ならぬ、村おこし村の構図

2013年08月28日 | 暮らしの落とし穴
 某テレビ局のディレクターを名乗る青年が来て、「10月20日のサイクリング大会にちなんだ番組を作りたい。面白いネタがあったら教えてほしい」というので資料を渡して島を軽くPRしておいた。
 昨日のことなんだけど、改めて考えてみたらぼくは島のことを知らないなぁ。地元出身で島おこしなんかに携わっていながら、「多島美とぉ、新鮮な魚介にぃ、島四国八十八箇所……」と、既にメディアで取り上げられているネタを羅列したに過ぎない。
 
「ここには美しい海や豊かな自然があるじゃないですか。この資源に地元の方々は気が付いていない。なにも新しい料理を考える必要はありません。瀬戸内で獲れた鯛だけで勝負しましょうよ。都会の人たちに教えてあげましょうよ、私がやりますよ」ってこれ、村おこしのコーディネーターを名乗る御仁たちの常套句ね。

 コーディネーターの先生方は総務省あたりとパイプがあって、というより総務省の予算を管理している外部団体などとパイプを持っていて、少しくらいの村おこし資金を獲得するノウハウはある。
 地域おこしの予算を「審査」という名目で外部団体に任せ、そこが「専門家」と呼ばれる人たちの書いた企画書を審査して地方自治体に渡す。
 自治体は下請けとして働くするNPOとかに仕事を依頼する。NPOとかはボランティアを集めて仕事をこなす。

 総務省の村おこし予算を上手に使ったら大臣表彰をいただける。子どもたちをターゲットにした農業体験みたいなイベントをやったらメディアが取り上げ、村おこし予算に関わった全てのセクションが満足する。

 こういうシステムがいかんというのではない。発注先→受注企業→下請け→孫請け→労働者というパターンは有りだけど、地域おこしには適用できないと思う。
 孫請けともいえる我々は予算を獲得し、それを消化するのに一生懸命になり、島おこしという初心はどこへ忘れたの、ってことになりかねない。

 一連のプロセスの途中に介入して飯を食ったりエンジョイしたりする人たちがいるんじゃないか、と勘ぐる人はいる。こっちはボランティアでやっているんだ、本気で島おこしを考えていない人に口出しされたくない、と憤るボランティアもいる。

 なんというか、言葉を濁すわけだけど、原発村の構図には呆れたように「村おこし村」の構図も負けず劣らず世間の常識とはかけ離れた歪な構図をしているように見える。
 我々はお金をもらえるから村おこしをやるんじゃない。その逆で、不可解なプロセスを経たお金をやるというからモチベーションが下がるんだ!

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