らんかみち

童話から老話まで

村長は今日もお忙し

2010年10月24日 | 暮らしの落とし穴
 小さな村に大小四つの神社と三つのお堂があり、それぞれに行事がくっついているので村人は年中大忙し。といっても昔は人口が多かったので、年がら年中行事があって楽しい村だったのかなぁと思います。だけど過疎化し高齢化が進んだ今、年中行事を消化するだけで精一杯で楽しむ余裕なんぞありますかいな。

 誰の言葉か「戦争は、始めるより終わらせる方がはるかに難しい」と。お祭りや行事も同じで、由緒の知れないことだからといって止めようとすると、やれ「罰が当たる」とか「伝統が途絶える」という抵抗があります。
 そればかりならまだしも、「あの提灯はワシが寄進してワシの名前が入っておる。ワシの目の黒いうちは止めさせんぞ」みたいな事情もあるし、自分の代で伝統行事を終わらせたい村長なんかいないでしょう。

 本日もそういった行事が二つも重なって、村長のぼくも早朝から大忙しの上に心肺蘇生法の講習会ときた。住民を代表して受講するってことは、つまり住民に何かあったときに救命の役を担わされるわけで、助けられなかったらオレの落ち度か! 

 そういうことなら心してかからねばならんなと思っていたら、講習会は爺さんが中心でチャランポランな楽しい人ばかり。でも女性たちは真剣でした。ぼくもマウスツーマウスなんか練習したんですが、人形とはいえ、昨日の晩にうっかり餃子を食ってしまって、ゴメンナサイ!