らんかみち

童話から老話まで

洗濯機の修理とハングルのゴミ

2009年08月14日 | 暮らしの落とし穴
 洗濯機が壊れ、そこらじゅうが水浸し! もうずいぶん使ってきたのでここら辺りが潮時かとネットで洗濯機を調べてみるに、下は2万円から上は20万円とものすごい幅があるじゃないですか。乾燥機付きというのが保守本流かもしれません。でも貧民向けのだって2万円で乾燥機能はあるのに、どう違うんだろう。
 
 悩んでいたら買えなくなってしまって、じゃあ修理してみるか、と壊れた洗濯機をひっくり返して見たら、パイプが折れているだけ。これならなんとかなるかも。夕方に手持ちの小型掃除機のパイプを流用して修理しておいたら、母が翌朝に洗濯機を回して、「前よりひどい!」と慌ててるじゃないですか。
 
 そんなはず無い! ともう一度ひっくり返して見たら、くっ付けたはずのパイプは見事に外れています。今度こそ買い替えじゃ! と自棄になりかかるのを押さえつつ、プライドを賭けて再修理です。工法も見直し、接着剤も速乾の物に替え、今度こそはと満を持し、「お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川で洗濯を……」と、タライで洗濯物をゴシゴシ。集中豪雨の後こんな洗濯日和に恵まれたというに、なんだってタライなんぞ!
 
 島は今でこそ下水道が整備されたものの、この洗濯機を買ったころはまだ洗濯の水を海に垂れ流していたんですね、瀬戸内海も汚れるはずです。子どもの頃はカブトガニと共に泳いでいたのが、高校生の頃にはその姿が消え、イルカの一種スナメリもいなくなった。
 たった十数年でこの激変ですから、地球の温暖化を「人為的なものではなく、自然のサイクルかもしれない」という学者の意見なんて眉唾もいいところ。そんなのは万年単位の出来事のはずで、20年や30年の速さで起こったりしないでしょう。
 
 瀬戸内海はその後下水道整備が進み、だんだんときれいになりました。環境意識も高まり、ゴミもひところより減ったはずですが、このところ外国語の書かれたゴミが漂着するようになったようです。年に数回、村人こぞりて海岸のゴミひろいをするんですが、ハングルとか書かれたゴミを見るとそりゃ腹が立ちます。といって、恐らく日本語の書かれたゴミを垂れ流していた時期もあったはずなので、あんまりえらそうなこともいえんわけです。
 
 でもね、子どもの頃は外国からの珍しいゴミを海岸でひろうのは、どこかエキゾチックな興奮を覚えたのも事実。ゴミが未だ見ぬ遠い異国からの便りのように思え、海が汚れている認識を覆い隠していたんでしょうか。だけど手紙を入れた瓶を流して遊んだのも今では海洋投棄、犯罪でしょうか。外国の皆さん、お便りはもう結構ですんで……。