らんかみち

童話から老話まで

納棺される気持ちで読みたい

2009年02月23日 | エンタメ
日本映画史に新たな金字塔、普遍的題材に評価…アカデミー賞(読売新聞) - goo ニュース

 めったに映画を観ないというか、一人では映画館に入ることのできないぼくですので、当然ながらこの映画もテレビで放映されるまで観ることはないでしょう。だから日本映画史の金字塔とまでいわれる、アカデミー賞:外国語映画部門に輝いたことがどれほどすごいのかさっぱり分かりません。
 
 でも漫画の第一話をコンビニで立ち読みした限りではぶっ飛びました。たしか冒頭に雪の中でチェロを引く男が出てきて、そんなあほな、雪が楽器に与える影響を考えたらありえない! 自棄になってるとしか思えないんですよね。でもこのシーンで主人公のチェリストの心情を見事に描いたんです。言葉ではなく情景で心模様を説明したといえるでしょう。次の場面で、オーケストラの職を失った? ああ、やっぱり絶望してるんだ、と。
 
 もうすぐ終わるNHKの朝ドラ『だんだん』観てたらナレーションに腹が立つんです。語りは上手いと思うけど、そんなこと一々説明してくれなくても、ヒロインの仕草や表情で分からせろといいたくなるし、実際シーンを見ていたら理解できるところなので、視聴者をばかにした印象を受けてしまいます。おれっち子どもやないし、みたいな。
 
「納棺師なんて職業が本当にあるんですか?」と菩提寺のご住職に訊ねたら「聞いたことはあります」とのことでした。そう疑問を湧かせた時点で、してやったりなんでしょうね、この映画。
 原作となった『納棺夫日記』も良いとの評判で、主演の本木さんが映画化を熱望したのも頷けるそうです。しかしなんといっても脚本が優れてないとアカデミー賞の俎上に上ることすら出来ないでしょうから、脚本が出版されたらぜひ読んでみたいです。納棺される側の気持ちになって。