らんかみち

童話から老話まで

NBonlineの読み方

2009年02月03日 | 暮らしの落とし穴
神谷秀樹の「日米企業往来」 不況の今こそ、数字より質の追求 (日経ビジネスオンライン) - goo ニュース

 日経ビジネスオンラインの記事って、途中まで面白いなと思う記事はあっても会員じゃないから最後まで読めないんです。でもこの記事を読む限り、NBonlineなんて無料の記事は後半を読むまでもないなと確信しました。ストラディバリを引き合いに出して、業容を拡大しない稼業は潰れない、とは笑わせます。
 
「ストラディバリウスのような金持ち」という言葉がイタリアにはある、もしくはあったのだとか。つまりストラディバリはクレモナにバイオリン製作工房を構えて成功した大金持ちだったんです。ところが彼の息子たちが親父の名前でバイオリンを大量生産して供給過剰になってしまい、孫の代には他の仕事につくようになったと云われています。

 もちろん彼らの製作した楽器は最高品質だったのですが、真作の1000挺余に対して、後年には贋作が10倍も作られたとされ、それらが評判を落とす原因となったという説もあります。また現存する真作はおよそ600挺なのに、鑑定書は2000挺に対して乱発されているのだとか。それなら1400挺の贋物はできの悪いものなのかといえばさにあらず。当時に製作された贋物は、300年経った今ではもうストラディバリそのものと言って良いという人がいるほど高品質なのだそうです。
 
 記事の前半だけを読むとその趣旨は「不況の今こそ、数字より質の追求」というタイトルに集約されているでしょう。それにはぼくも賛成なんですが、記者は自分が手がけたこともないバイオリンやおでん屋台を引き合いに出して例えたりしたから、論旨が散漫に感じるのではないでしょうか。しかも具体的な数字も出していないので、これは論文というよりエッセイなんだな、と思って読めば腹も立ちません。むしろ反面教師にできるほどの記事ですね。