らんかみち

童話から老話まで

蕎麦ナイフの切れ味

2007年07月07日 | 酒、食
 研ぎに出していた蕎麦切り包丁が送られてきたので、さっそく研ぎ上がりを見ると、前回とは研ぎの方向が異なり、刃に対して90度の方向に研ぎ跡が付いて、当然と言えばそうでしょう。
 全体の湾曲は修正されているが、反りは手を加えられていない。しかし刃の波打ちは消えていて、真っ直ぐになっている。こちらを優先したために全体の歪みをとり切れなかったのが分かります。いずれにしても送料250円込みで合計2000円とは安い。
 
 さっそく2000円を振り込んで蕎麦を打って切ってみると、駒板を噛むことも無く、切れ味も優れている。しかしこの包丁を活かしきるには板のグレードを上げる必要もあるし、何より切るスタイルの変更というか、腕を上げる必要があると実感します。
 そうやって蕎麦を切り終えたところへ、「包丁の研ぎ具合はいかがでしょう?」と、 ジャニーズ系の研ぎ司から電話がありました。
「切れも良いし満足してますよ」と答えたました。正直言うと鏡面仕上げを期待していただけに不満もあるんですが、何しろ2000円ですからね。自分で鏡面に仕上げました。

 研ぎ司は、「またいずれ歪みが出るでしょう」と予言しました。しかし先の部分を研いでない彼には確認のしようが無かったでしょうが、ぼくが鏡面仕上げをしていて気が付いたのは、霞(鋼を継いである部分)は10ミリ幅だけらしいということです。
 この包丁がどんな工程で製造されたか想像すると、おそらく一枚の鉄板を包丁の形にプレスで抜き、その後に「青鋼」と呼ばれる鋼の刃を付けたと思われます。歪みはその時すでに有ったもので、鋼と鉄板がせめぎあってできたものではないと思われます。だから今後はそう歪むのを心配することも無さそうで、安心して長く使い込めそうです