北海道美術ネット別館

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■「映しあう/照らしあう」 (10月25日まで)

2008年10月24日 22時03分49秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2008年10月22日、札幌市内版から。

 わたしも見てきましたが、新聞記事がよくまとまっているので、ここで引用します。

 札幌市厚別区の画家、日野間尋子(ひろこ)さん(46)が、絵や工作を指導している道北の児童養護施設、知的障害者施設の利用者と一緒に制作した作品を札幌ライラック病院(豊平区豊平6の8)ロビーで展示している。日野間さんは「多くの人に喜ばれ、参加したみんなにとって励みになったと思う」と初の試みに手応えを感じている。

 日野間さんは作品の制作・発表活動のほか、10年ほど前から子供の指導や「芸術療法」にも興味を持ち、フリースクールで教えるなどしてきた。

 児童養護施設では小学生5人、知的障害者施設では20-80代の40人ほどを、いずれも1年前から指導。食用マカロニに色を塗ったり、工作でロボットを作ったり、生徒の興味に合わせ、工夫して教えている。

 作品展は、日野間さんが新たな指導先となる病院を探している際、開催依頼を受け、友人の編集者志羅山(しらやま)みかさん(39)に絵の説明文を書いてもらうなど協力を得て実現した。

 出品されたのは、日野間さんの抽象画5点のほか、生徒の大小合わせて約100点。中でも、色とりどりの力強い線が交差する「まほうの絵/ぼくたち私たち」は、小学生が入院患者の早期回復を願って描いた大作だ。

 三上初美看護部長(50)は「絵の展示は初めてですが、雰囲気が明るくなる。『絵を見て明日も頑張ろうと思った』と話すお見舞いの人もいます」と話す。

 日野間さんも「私自身、みんなのエネルギッシュな表現に、とても励まされるんです」と語っている。

 展示は25日までの午前9時-午後8時。無料。


 病気とアート、治療とアートというのは、ごく最近になって注目されているようなのですが、筆者はこれについて説明する材料をもちあわせていません。
 ただ、アートに、人をいやす要素があるのだとしたら、それはすてきなことだと思います。

 点数のうち大半は、ロールシャッハテストのように、絵の具を着けた小さな紙を真ん中で半分に折って模様にしたもの。
 「何をかいてもクマになる」「王様」といった副題? が、ところどころに挟まっているのが、楽しいです。

 日野間さんのは小品で、深くおちついた色をたたえています。

 テレビの背後にあった大作の横には、制作過程を紹介したパネルも。
「早くよくなってね」
ということばに、描いた人たちの思いが凝縮されているように感じました。




・地下鉄東豊線「学園前」から徒歩5分
・中央バス「豊平3条10丁目」「豊平3条8丁目」から徒歩4分(市民会館の横から乗ると、大半の路線がとまります)


 医療とアートをめぐって、筆者が思いだすのは、
市立札幌病院で
というエントリに書いた絵や、菊水の「がんセンター」にある亀井由利さんの絵といった例ですが、ほかにもまだあるかもしれません。
 あと、渡島管内八雲町の町立病院のロビーや廊下には、山岳画家・坂本直行の水彩やデッサンが大量に展示されています。



ルーマニアでの日本文化祭で日野間さんが展示した模様(2005年)

日野間尋子展(08年8月)
日野間尋子展(07年8月)
Pacific Rim Art Now 2003 プロローグ展(画像なし)


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