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2015年10月24日は9カ所(3) 琴似から麻生へ

2015年10月28日 01時01分11秒 | つれづれ日録
(承前)

 地下鉄東西線「西18丁目駅」に行く前に、近くの並樹書房に入り「羊の歌」「続 羊の歌」「大観伝」の3冊を買う。これで500円。古本屋はありがたい。
 この日は、各地で古本屋に入ったため、ギャラリー回りの時間を若干圧迫してしまったのは否めない。日曜はあいていない店が多いし、さがしている本があったのは事実だが、反省材料である。

 西18丁目から琴似へ。
 ギャラリー北のモンパルナスでは、東京都三鷹市の母子展。
 それから、北都館で昼食(これも、結果論になるが、時間を食ってしまった。反省)。
 Sさん夫妻に会う。コーヒーチケットをいただく。

 冒頭の画像は、北のモンパルナスの近くにあった電柱。
 いまどき珍しい、木にコールタールを塗ったものである。
 このデザインは、1970年よりも前のものだが、すでにこのとき、二十四軒には条丁目の区画が採用されていたことがわかる。

 地下鉄琴似駅からジェイアール北海道バス「琴46 新琴似線」に乗る。
 終点の麻生駅まで乗ったが、これは時間の無駄で、ひとつ手前の「麻生町5丁目」で降りたほうが、麻生の五叉路に近かった。

 五叉路近くのブックオフに入り、岩波の「鷗外(鷗は鴎の正字)選集 随筆(一)」を108円で購入。
 この鷗外選集は、版型は新書に近く、ハードカバー、箱入り、出た当時は980円と、小脇にかかえて持ちたくなるおしゃれなシリーズだったが、以前も書いたように、語釈がまったくないのは致命的である。他の作家ならいざ知らず、森鷗外の文章は、かなりの教養があっても知らなくて当たり前の横文字や漢語が目白押しで、これを語釈なしで現代の読者に読めというのは無茶もはなはだしい。

 麻生に行ったのは「ギャラリーショップ&カフェ ぶら里」で「文化祭」が行われているというフライヤーを見たため。
 予想通り、陶や布などの「手作り品」がたくさん並んで売られていた。

 その中に「美水まどか」という人の名があったのが、気になっていた。
 美水さんといえば、自ら漉いた紙を使ったインスタレーションなどの作家である。
 その人がどうして陶による猫の置物を作っているのか。
 お店の人に確かめたら、どうやら同姓同名の人らしい。「いつも猫ちゃんを作っている、若い人ですよ」とのことであった。

 なお「指定障害福祉サービス事業所・NPO法人 工房 ぶら里」というのもあって、時にはこのショップ&カフェで、工房に通所しているハンディキャップのある人の作品なども売っているとのこと。

 麻生駅から地下鉄南北線に乗り、北12条駅へ。

 弘南堂、北12条書店、そして、薫風書林へ。

 弘南堂の安定っぷりと、薫風書林の末期的な店内が対照的だった。
 薫風書林の店内通路が一部通れなくなって久しい年月がたつが、以前は、未整理の本のために通れなかったのに、今はいすや、なんだかよくわからない物品のために通行できなくなっているのである。しかも、未整理の書物の堆積は以前にもまして高くなっていた。かつて筆者が「神田にもない、日本一の人文系古書店」と絶賛したときの面影は、残念ながら、いささか失われていた。

 とはいえ、歴史や思想、建築関連書の在庫はまだまだ豊富で、1万円札を何枚も持って、たとえばヘーゲル関連20冊とか、ナチズム関連数十冊、みたいな買い物ができたら、楽しいだろうなとは思う。
 この日は、ハーバート・リード「モダンアートの哲学」を購入した。

 ここから南下し、ギャラリーエッセへ。

(この項続く) 


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